GW戦線。風雲ギルドバトル 1
次回、掲示板回です。長くはならない予定。
神官GMもとい皇樹さんとの会談?を終えた翌週は世間的にはゴールデンウィーク(以後GW)となる。
私の通う大学も4月の第四週から5月の第2週までお休みです。
その間私が何をしていたか?勿論アルバイトですよ?朝8時から夕方の17時までの実働8時間のフルタイムを終えてから夕飯と翌日の朝食になる買い物をして、食事などをしてからベッドに入りDCOをプレイすると言うスタイル。
先日の会談をした時に、パパ達からGW期間限定のイベントがあると聞き、内容を聞くとギルドVSギルドと言うイベントもあるらしく、楽しめると思うから見てきたらどうだ?と言われました。
「レイカさんの場合だと見るより出る方が良いんじゃないでしょうかねぇ?」
皇樹さんがそんな事を言っていたので睨み付けてやりましたとも。
だからなんで私が戦闘狂扱いになってるのよ!?普通に過ごしたい私が勘違いされてる気がします。
なので勿論、私は皇樹さんに誠心誠意、懇切丁寧にけっして戦闘が好きなわけじゃないと説明し、ゲンナリされていました。
……私は悪くない。私の事を勘違いしたあなたが悪いのです!
そんな会話があったせいか、GW1日目の夜にログインすると運営からメッセージが……。
《件名:ギルドバトル参加申請が受理されました。
戦いは現実時間2日後(GW3日目)より始まります。現在参加チームは30ギルド。
対戦表・対戦方法は直前発表になりますので指定された時間までに準備を終えてログインしておいてください。時間が来ると特設フィールドに転送されます》
「……なによこれ?ナナがギルドバトルの参加申請したの?」
「してないよー?初耳だよー?」
「じゃあ一体誰が……?」
と話してるところに、現れた皇k……じゃなくて神官GM。
「ちぃっす~。メッセージ既読を確認してやってきたっす」
「来なくて良いわ。すぐに帰って頂戴……でないと縛り付けて殴るわよ?」
「こ、これだけ言ったら帰るッスよぉ?お二人とも不思議そうな顔をしていますので俺から説明するッす。せっかく運営側が寝る間を惜しんで作り上げたGWギルドバトル。
未だ謎の最強プレイヤーと言われているレイカさんが出ないと盛り上がらないッす。なので俺が自ら申請処理を偽造しておいたんっすよ。以上!ではっ!」
「こらぁ~待ちなさいっ!」
「最初に帰れって言ったのはレイカさんっす。だから待たずに帰るッす!」
という訳でまたしても逃げられました。毎度毎度ログアウト速度が半端ない。先日ある程度、発散した鬱憤がまた溜まって来てしまうわ……。まあその鬱憤を受けるのはあの人だから良いけどね。
きっとその時は【飴と鞭】が100%の確率で発生しちゃうかもしれないけど、そうなっても彼のせいだもんね?
それにしてもまさかGMが犯人だったなんてね……これじゃ、参加申請のキャンセルも出来そうにないわね。嵌められてムカムカしますがバトルには出ざるを得ません。
「皇樹さん。相変わらずだ~。でも困ったね?ウチのギルド4人しかいないよ?参加人数は5人以上って書いてるから、誰か助っ人を呼ばないと……」
「……ウサミも戦闘系スキルがほとんどないから真っ先に狙われる可能性が高いわ。だからできれば2人は助っ人がほしいところね」
「そうだね。誰か良い人いるかなぁ?」
バトル開始まであまり時間がないので、まずはフレンドから順当に声をかけていく。
ミヤ……別ギルドから出場予定……ダメ。ヘルガ……ミヤとおなじ理由でダメ。ヒラメキ……現在リアルが忙しく、バトルの日にログインできる保障がないとの事……よってこれもダメ。
ってあれ?数ヶ月前にヒラメキと話した感じ学生っぽい反応でした……理由を聞いてみると、リアルで彼女が出来たとかで忙しいらしいです。……聞くんじゃなかったわ……。
DCOを始めたばかりのサエさんもダメだったし……ほんとにまずいです。
「レイカちゃーん。こっちも全滅だったよ~どうしよう~?」
ナナも現在もログインしている高校時のクラスメイトを当たってくれてたみたいですけどダメだった様子。
あと残っているのはまだログインして来ていないシュリだけ。
「あと知り合いで声をかけれるのはシュリだけね。でもシュリは雑誌社のアルバイトでいつ来るか分からないのよね」
「もう最終手段だよ。掲示板で臨時ギルドメンバー募集しようよ!」
「最終手段早くないかしら?とは言え、私ももうそれしか手がないと思うからやってみよっか……」
「それじゃあ、私が書き込みしてくるね……レイカちゃんの名前だと余計なのが来るかもだし(ボソッ」
「え?あ、うんお願い」
実際メンバーが集まらなかったら人数の関係参加できないし、見つからなくても良いかなぁ……と言うか見つからない方が私的には都合がいいじゃない!
いけないっ!ナナに掲示板投稿を止めるように言わないとっ!
急いでログアウトして七実の部屋に駆け込んだ私でしたが……時、既に遅し……。
「あれ?麗華ちゃん。わざわざ書き込みの様子見に来てくれたの?今ね20人くらいから応募来てるよ~」
「えぇっ!?なんで?書き込んだの今よね?」
「そうだよー?私の知る秘密サイト(正式名称を【超越した女神クラブ(男子禁制)】と言うらしい)に投稿したからね!あっ、でも心配しないで。そこの人たちはちゃんと信用できる人達だから」
「な、何でそんな早いのよぉ……投稿中止を言いに来たのに……」
「ちゅ、中止?だ、ダメだよそんなことしちゃ!(DCOレイカちゃんファンクラブメンバーが、がっかりしちゃうじゃない)」
「……分かってるわよ。希望者がいるなら仕方ないわ。その代わり七実がその中から2人を選ぶ事。
条件は女性で前衛である事。ギルドバトルが終わったら契約は解除。もしギルドバトル後も残りたい人がいた場合は、ギルドバトルでの行動で評価します。勿論その評価は厳しく行くから残れないかもしれないけどね」
「分かった~。その条件をつけておくね……ってあぁ!?希望者が70人……」
「……そう?じゃあ私は部屋に戻るから七実……あとはよろしくね?」
「えっ!?ち、ちょっと待ってよぉ~麗華ちゃーん。こんな人数から選ぶなんて無理……あぁ!希望者が120人にぃぃぃ!!」
手伝わされてはたまらないので、そそくさと七実の部屋から退出後、自室へ戻り軽く調香士のスキル上げをしてからログアウトしました。
……それにしても私達の弱小ギルドにあんな沢山の希望者が来るなんて知らなかったわね。
それとも単にギルドバトルに出たいだけかしら?大手はもう加入できないほどの大所帯だって言うし。
まあ、その辺は投稿した七実が考えてくれるから私はドンと構えておきましょう。




