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新生活と出会い 3

 次の日は宣言どおりアルバイト情報を調べ、条件の良さそうな案件をピックアップしていく。

 候補に挙げたのはコンビニの店員やカフェ店員、食事処での調理補助など。前者はシフトを週頭に申告するタイプですので、学校が始まってもある程度融通が利きます。後者は夕方からのシフト固定。こっちの方なら色々な調理技術が学べるかもしれないから。流石に5日位じゃ、包丁を少し扱う程度しかできませんでしたので。


 すぐに電話をかけ面接の応募を行うと、コンビニ店員の方はすぐでも面接可能との事だったので急いで履歴書を用意し、指定された時間にお店へ向かいました。そのまま滞りなく面接は終了。合否は明後日までに電話連絡との事。……応募した私が言うのもなんですけど、面接担当したオーナーが50代のおじさんだったのがちょっと。あと私がスカートを穿いていたせいか、おじさんの目線が私の足に釘付けだったような気が……。

 ……うん、選り好みしてちゃダメと思うけど、あのおじさんは無理ね。仮に採用の連絡を貰っても断ろうっと……。後日、ほんとに採用連絡が来ましたけど適当な理由をつけて断りました。



 次にコンビニの次点で考えていたカフェ店員のアルバイトに応募の電話を入れ、面接の日程を決めました。こちらは食事補助の面接日と被っていましたので、時間の調整だけしてもらいました。


 この2つのアルバイト先の面接風景は省きます。後日知らされた合否の結果ですけど、どちらも採用の連絡が……。シフトの融通の利くカフェ店員か、調理技術を身につけられるかもしれない食事処のどちらか迷いましたが、今回はカフェ店員を選びました。やはり講義がない時にはシフトに入れる方が稼ぎたい苦学生(予定)には都合がいいですし。何より客層に女性が多いのが良いです。

 アルバイトの開始は、都合の良い日からでと言う事だったので週末の土曜日にし、その後のシフトは月曜から開始される大学の講義の内容次第で決める事にしました。




 時はアルバイトの面接を応募した数日前に戻る……。


 面接を取り付け、七実と約束している夕方までやる事がなくなった私は、美弥子ミヤに電話を掛けてみました。実はミヤに電話をするのは今回が初めてだったりします。今まではメールやSNS等でやり取りをしていたので……。


 「もしもし?私、鏡麗華と申しますが都筑美弥子さんの携帯電話でよろしいでしょうか?」

 「えぇ、そうよ。アンタから電話掛けてくるなんてはじめてね?どうしたの?」


 特に理由はないけど話をしたかったと言うような事を言ってみました。


 「何よその可愛い理由……。まあちょうど私も暇だったから良いんだけど……」

 「それは良かったです。時間が空いたのでDCOで一緒に狩りに行きませんか?あちらに行く方が電話で話すよりも伝わる事が多いですし」

 「えぇ、良いわよ。そういえばレイカと組むのは久しぶりよね。何処の狩場にする?」

 「フォウクラッセンでもヴェスピスでも大抵の所は行けますよ」

 「そう?ならヴェスピスのフィールド《レイメイの大滝》にしましょ?ちょっと欲しい素材があるのよ」

 「分かりました。それではヴェスピスで待ってますね。準備もあるので10分後……DCOで30分後にヴェスピス集合で良いですか?」

 「了解よ。じゃあまたあとで!」



 今回装備する装備はイワトカゲ素材の衝撃シリーズ。誘惑狐では合計リアリティの関係で取得経験値が下がってしまいますので今回はこちらを選びました。

 ミヤはウィザードですので後衛です。なので今回私はバトルドレスを身に纏い、前衛として動きます。繰布術のスキル上げができますのでちょうど良いですね。



 「お待たせレイカ。……へぇ、それって衝撃シリーズよね?私もアンタの作った衝撃ローブ使ってたわよ?まあインカロードのダンジョンではちょっと物足りないんだけど……」

 「ありがとう。確かにダンジョンで使うには衝撃シリーズでは厳しいですね。というか、最近素材を持って来てくれませんけど、私より良い装備を作る人見つけたの?」

 「ん?それは違うわね。ただ、レイカに回せる素材がないだけなのよ。最近何かと物入りで、良い素材はすぐに売り払ってお金にしてるのよ」

 「そうだったんですか……。で、今の装備は……格闘大猿ファイターコング系ですか。ミヤは魔術師なのに体格・体力補正装備をしているんですね?火力は大丈夫ですか?」

 「そうなのよ。私もこれじゃなきゃダメって訳じゃないのだけど、持っていた装備のほとんどを売らないといけないレベルまで追い詰められた事があってね。今、残ってる中で良いものはこれしかないのよ」

 「そうでしたか。装備が必要なのでしたら友人と言う事で装備のレンタルは相談にのりますよ?」

 「どうしようもなくなったらお願いするかもしれないけど、今はまだ大丈夫よ。……さあ、話はこの辺にしておいて行こう?」

 「そうですね」


 今から向かう《レイメイの大滝》は、名前から予想されるとおり大きな滝が目立つフィールドです。出現するモンスターも植物系・魚系・水棲系が多いです。


 「それでミヤは、大滝でどの素材を狙ってるのかしら?」

 「それはね《水鴇すいほうの宝玉》って言う物でフィールド深部にいる《ヘラクレスホーシャーク》が低確率でドロップするのよ」

 「あぁ、あの容姿があべこべなモンスターですか……」

 「ま、まあそうね。それでそのアイテムがあれば魔力ボーナス系の杖が作れるのよ。だからぜひとも欲しいのよね」

 「目的は理解しました。道中のモンスターは倒しながらで良いんですよね?」

 「えぇ、小銭稼ぎにはなるから問題ないわよ」




 レイメイの大滝に到着すると目的のモンスターの出現する深部へ向けて進み始める。途中に出たハエトリ草やトビウオ型のモンスターを繰布術で危なげなくマヒなどの状態にして、ミヤが止めを刺していく。


 「レイカ……アンタと一緒にいるとそれなりに強いはずのモンスターが弱く感じるわ……」

 「気のせいですよ?私がいるくらいで敵は弱くなったりしませんって」

 「いや、そういう意味じゃなくてさ?状態異常発生率がありえないから」

 「あー、そういう……やっぱり運が45もあるとこういった付加効果の確率は上がるんでしょうね」

 「……ちょっと待ちなさい?運が45もあるの?どうやってそんな数値に……」

 「えっと、特性の効果です。オーラになって転職した時に取得した特性が制限解除されましてその関係で運の数値が跳ね上がったんです・あとは運+15のアクセサリの効果もありますね」

 「あのオーラの特性なら仕方ないとして問題は、運+15のアクセサリ……。まさかとは思うけどそれもレイカが作ってるの?」

 「いいえ?素材は私が集めましたけど、加工したのはヒラメキですよ。流石にまだ他の生産スキルを取る気にはなりません」

 「その素材のある場所教えてもらえないかしら?運+15は流石に捨てがたいわ……」

 「教えるのは構いませんけど、そのモンスターはフォウクラッセン周辺のフィールドボスより強いですけど大丈夫?」

 「……大丈夫なはずないでしょ……というか、それを倒してるアンタってやっぱり規格外……」


 失礼な!と思いながらも反論はしません。自作で私がつける装備は品質が平均9を超えつつあり、この辺りで装備していて良いものではありませんし、調香スキルによる追加ボーナスも最大限付与されてますから。

 和仁パパからもその装備を使用して攻略に乗り出すのはやめてくれと懇願されてますしね。そう言った理由で私自身はナナと行く場所以外は、他のプレイヤーがクリアしたフィールドをメインにしています。


 「ミヤ?話してる間に目的地についたわよ?」

 「え?あら……。到着まで後30分は多く掛かる予定だったんだけど。まいいわ。その分、ターゲットを多く狩れるからね」

 「その意気ですよミヤ!」

 「……」


 ミヤに呆れた目をされました!何でなのよぉ!?

 目的のヘラクレスホーシャークは頭にカブトムシの角、下半身は馬の4本足、胴体はサメといったいわゆるキメラ。威嚇スキルを使用してきますが、賢さと魔力の合計値が80を超えていれば、ヴェスピス周辺での精神異常攻撃はほぼ無効化出来ますので問題なし。威嚇後の硬直を狙い【雷襲巻サンダーラッシュ】をビシバシとあてて麻痺にしたところにいつもどおりミヤの火炎魔法が炸裂。属性の相性上、半減してますが2割も削れていた様なので、ミヤの賢さの数値が高い事が伺えました。


 「レイカと組むのは楽で良いわね。ヘルガとだとここまで楽には行かないわ」

 「ヘルガとのペアでしたらどういった戦い方になるんです?」

 「そうねぇ、挑発でターゲットを集めつつ、集まったところに私の範囲魔法ってパターンが多いわね」

 「範囲魔法頼りなんですね。範囲魔法はどうしても一撃の威力が低くなりがちですから、今私とやってるように単体魔法を回数だした方が効率は上がるのではないでしょうか?ヘルガの物理攻撃力も高いですから長い眼で見ればそちらの方が良いと思いますよ?」

 「そうよね、そう思うわよね!?なのにあのヘルガったら私の意見を聞かないで同じ事繰り返すのよ?ヤんなっちゃうわよ……ったく。魔力回復アイテムが高いから金欠で悩んでいるのに」


 ミヤとヘルガの間でも細かい問題は起きてるんですね。というか、魔力回復するスキル取得してないのかな?


 「【精神統一】と【魔法運用の知識】?えぇ、持っているけどまだスキルレベルが低いのよね。魔法を使ってれば上がるのかと思ったらあまり成長しなくて未だにレベルは18だったかしら……どうやって熟練度を稼ぐのか分からないのよね」


 おかしいですね?私の場合、攻撃魔法と同じくらいの速度で上がってましたけど……。装備のレアリティと敵の強さの関連性についての情報を知っているか確認を取ると知ってるとの事。けど、安定を求めるあまり、先に進み高いレアリティの装備を取得してから元の狩場に戻ってくると言う事も聞けました。


 「あえて装備の合計レアリティを下げてみたらどう?」


 私はあえてそう勧めてみました。そして取り出したのはマギーベア装備。格闘大猿系よりもレアリティが2つは下がります。そのくせ能力は大差ないどころか魔法能力を上げるボーナスつき。


 「もし死んだらデスペナがねぇ……」

 「私の魔法の回復力をお忘れ?」

 「……そうだね。今はアンタって言う規格外がいるのだから多少冒険しても良いねぇ」


 やはり失礼な言い方をするミヤです。言い返しても押し問答になって言い負かされそうですからここは黙って耐えるしかありませんね。


 貸し出したマギーベアシリーズに装備を変更したミヤは体格と体力の補正は大幅に下がりましたが、元からミヤの所までモンスターを届かせてませんので問題ないです。

 その後のヘラクレスホーシャーク狩りはサクサクと進みました。それはもう面白いほど狩れる。複数体居ようと、雷襲巻が洩らさずマヒを与え、高威力のミヤの魔法で黒焦げになって粒子化していきます。


 「うっそぉ!?水鴇すいほうの宝玉が2つ同時2連続ドロップ~!!」


 何組目か分かりませんが順調にホーシャークたちを倒していくと突然ミヤが声を張り上げたのでした。

聞いてみるとただでさえ出にくい目的のアイテムが2つ同時ドロップし、それが2戦目にも同じ事が起きたと言う。


 「たくさん手に入ったのなら良いんじゃないの?」

 「そ、それはそうだけど……これもアンタの運のおかげかしら?」

 「それはないと思うわよ?。年末にインスタンスイベントあったじゃない?あそこでレシピドロップするまでソロで34回潜らないとダメだったもの」

 「そ、それは大変だったわね……あのインスタンスなら私もソロで行ったけど、自分と同じ闘い方をしてくるドッペルゲンガーには何度やっても勝てなかったわ」

 「それってスキル新取得して行きなおしたんじゃないの?」

 「よく分かったわね?」

 「あのドッペルゲンガーはね、スキルを多く取れば取るほど強くなるの。だからスキルに関係のない攻撃方法があればすぐに倒せる相手だったのよ」

 「そうだったのね……また戦う機会があったら確かめてみるわ」

 「それで目的のアイテムが大量に手に入ったみたいだけど、まだ続ける?」

 「そうね、精神統一と知識スキルの上がり具合で考えるわ……ってウッソォ!両方レベル18だったのがレベル25まで上がってるんだけど……」


 このミヤの反応を見て私は《装備レアリティと敵の強さについてを》検証する必要がなくなったことを確信しました。確定情報として掲示板に上げてみようかな?

 驚きから戻ったミヤもスキルのレベルあげの仕方が分かったらしく、あとはヘルガと一緒に頑張ってみると言うので、狩はここまでにしてヴェスピスの街へ帰還しました。


 宝玉も2つずつに分け、マギーベア装備は返却してもらいました。その際ミヤが何か言いたそうだったけどあえて触れない事にしました。ついさっき狩りに行く前の言葉(装備のレンタルする云々の件を今は良いと断った件)を言った手前、その日のうちに破るわけに行かないと葛藤しているのでしょう。

 まあミヤから言ってきたらマギーベア装備などレンタルしますけどこの様子じゃ意地を張りそうですね。

 明日辺りこちらから打診してあげればきっと「仕方ないわね。そこまで言うなら借りても良いわよ?」とか言うに決まってますね。



 ミヤは早速、宝玉を知り合いの鍛冶師に持って行き、件の魔法威力ブーストの杖を作って貰うそうです。

 私はそうですね。一人で狩りをしても楽しくありませんので、ナナとの待ち合わせの時間までさっきの狩場で採取した素材の加工でもして暇つぶしでもしておこうと思います。

 せっかくダンジョンへ行くんですし、地獄モードの狩りをしようと思うんです。場合によっては私もナナも死んじゃいますけど、それもまた一興ですよね。お蔵入りというか使い道のなかったアレを使う時が来ましたね……ふふふ。

 名前 レイカ

 種族 魔族

 職業 空気賢者LV25

 スキル 【マスター裁縫26/50】・【再生採取18/50】・【風塵魔法LV39/50】・【心頭滅却11/50】

【魔道基礎11/50】・【調香士7/50】・【誇り(プライド)50/50】・【体⇒魔変換50/50】【繰布術6/50】

天光てんこう14/50】【冥闇めいあん11/50】【育成26/50】


 ステータス 体力5(+56) 魔力30(+75) 腕力1(+27) 

体格5(+67) 賢さ50(+53) 敏捷25(+66) 運25(+20)

 ステータスポイント 残り 4

 スキルポイント   残り 14


 風魔法;ウィンドボール・ウィンドカッター・ウィンドヒール・テンペスト・サンダー・アンチパラライズ

 風塵魔法:ウィンドベル・シルフスクリーム・ウィンドブレイド・エアスラッシュ・エアプレッシャー

 光魔法:シャイン・ライトヒール・シャインストーム・ディスペル・ヒーリングシャワー・ライトフラッド

 天光:レイ・ソーラーライト・エインシャント・キュア

 闇魔法:ダークボール・ナイトメア・ダークウェーブ・ブラックバースト・ダークネススラスト・ポイゾネス

 冥闇:ダークフォロウ・暗闇の穴ホールオブダークネス・デスヒール

 裁縫:糸作成・鑑定・飾り縫い・良品成功率8%上昇・派生率+8%・雅縫い

 マスター裁縫:糸複製・制作軸ベクトル設定・裁縫の奥義

 採取:採取ポイント発見・採取個数アップ・レア発見率+2%・採取ポイント復活速度2秒アップ

 再生採取:採取ポイント復活率+4%・レア発見率+3%・採取個数アップ

 精神統一:魔力自然回復量中上昇・魔力値+10・魔力自然回復速度中上昇

心頭滅却:攻撃を受けても魔法が中断されない確率10%

 魔法運用の知識:魔法攻撃力小上昇・賢さ+8・魔力+8・魔法攻撃時10%の確率で連続魔法

魔道基礎:魔法詠唱速度が-0.4秒・魔法威力5%上昇

 香料士:モンスター遭遇率・狙われやすさが12%上昇・香封・開放・品質アップ・調香率10%上昇

 調香士:超開放・幻惑耐性+5%

 誇り(プライド):格上相手と戦闘時、腕力(物理攻撃力)・賢さ(魔法攻撃力)が40%上昇。

 体⇒魔変換:体力5%と引き換えに魔力を45%回復

 育成:土地と厩舎を持っている時、飼っているペット達から良質素材が取れる可能性が4%アップ

 帯術:衝打・縛り打ち・スナップヒット・雷襲巻・絶波打・焔巻

 繰布術:主武器に帯を装備時、敏捷+2・魔力+2、帯術スキルで与えるダメージ微(1.1倍)上昇

 特性 

闇の加護:ダンジョン、夜のフィールドなど暗い場所でステータスに少しですが補正が掛かります。


 古き英雄の記憶:ソロ時の獲得経験値が2割(20%)上昇する。パーティ時は英雄の気質を発揮し仲間のステータスを3ずつ上昇させる。段階を踏むことで成長する。


 下克上:モンスター討伐時の経験値が10%増える。覚えるには自分より数段上のモンスターを倒し続けなくてはならない。


 ドラゴンキラー:ドラゴンを何度も討伐した物に与えられる。リザード、ドラゴン系に与えるダメージ+20%


 隠れたい者:表面上は目立ちたくないと思っているあなたに。フレンド登録数が少ないほど能力が上昇。1~3人:全ステータス+3、4~6人:全ステータス+2、7人以上:全ステータス+1。フレンド登録数が一定数増えると特性が変化する。


 イジメを乗り越えた者:、運基礎値に+20。NPCにアイテムや素材を売る時、買取額が上昇する。NPCからアイテムや素材を買う時、割引してもらうことが出来る。特殊イベント遭遇率上昇。フレンドとPT(レイド含む)を組んだ時、組んでいるフレンドの人数に応じて獲得経験値・アイテムドロップ率が上昇する(特性所持者・フレンド共に。フレンド以外は対象外)


 爆発魔ボマー1/10:効果:鍛冶、火・光属性成長率微上昇(1.1倍)・火・光属性耐性が微上昇(1.1倍)、代わりに水属性の魔法・特技が永遠に使用不可となる


 自身に打ち勝つ者:レベルアップ時にスキルポイントが+1される。

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