私達の戦いはこれからだ(笑) 12-2(戦闘中のレイカを見て昔を思い出したナナ)
2話目。回想編。一応本編でも一言二言ほど出した誰の記憶にも残っていない場所を回想させてみた。ところどころ「ひらがな」になっているのは頑張って幼少期化を表現させてるつもりです。
色々小説読んでますけど、表現の仕方が難しい。他の作者さんは言葉を少なくしてるのに、内容が伝わりやすいのに。
自分のは無駄に文字が多く伝わりづらい。その辺はわかってるんですけど、どう直せば良いのか……。
暫くはこのような文体になりますので、懲りずにお付き合いいただければと思います。
「きゃあ!」
私が後衛を守るため対峙していた巨人に殴り飛ばされ、すんごく切れたレイカちゃんを見た時の事。私の状態はバッドステータスの昏倒。プレイヤーとしての意識はありますが、アバターの自由は利かない状況でした。
先ほどまでは心配そうながらも笑顔を浮かべていましたけど、私が殴り飛ばされた後のレイカちゃんの目は、昔見た本気でキレた時の目つきになっていました。
以前というか最初に、この目になったのは8年程前の私達が小学生の時。川辺で見つけた四葉のクローバーをどっちが先に見つけたと言う、今思えばくだらない事で麗華ちゃんと喧嘩し「ななみなんてハゲちゃえばいいんだぁ。うわぁぁん」と言われました。この頃の麗華ちゃんは舞踊等の習い事をしており、言葉遣いもまとも?で歳相応に素直で可愛らしく人当たりも良い、先日までのような不貞腐れた・めんどくさい性格じゃなかったんですよ。
本人は喧嘩の延長で、この言葉を言ったのだと思いますが当時の私は今と同じ位、麗華ちゃん大好きっ子でした。当時は麗華ちゃんがものすごく怒ってると心底思い、夜自室でハサミを使い長かった自分の髪を切りました。ハサミで切っただけでは歪だったので、洗面台にあった父の剃刀を使い微妙に残った髪の毛を綺麗にしてツルッツルにしました。こうする事で麗華ちゃんが許してくれると思ったからです。
翌日、朝食時に両親にその頭を見られ大変なことになりましたけどその辺は関係ないので時間を進めます。
両親が止めるのも聞かず、私は頭を隠さずに学校に行きました。きっと両親は急いでカツラ?とかウィッグを買って来るつもりだったのでしょうけど、私は麗華ちゃんに許してもらう事に必死だったのでそれを無視したのです。クラスにつくと私に向けられたのは驚きを含んだ多くの視線。その中にもちろん麗華ちゃんもいました。
「ほ、ほんとにななみ?」
麗華ちゃんは信じられない物を見るような顔で聞いて来ます。
「そうだよ。昨日はごめんね。これで許してくれる?」
麗華ちゃんは何も言いません。子供の時の記憶なんて当てになりませんよね。実際麗華ちゃんも、昨日の事を思い出すのに時間が掛かったみたいですから。そして思い出すと同時に怒り出しました。
「ななみのばかぁ!何でかみのけ切ったの!……もしかしてわたしがハゲちゃえ!っていったから……?」
「……れいかちゃんが怒ってるって思って……」
「……怒ってないよ。昨日の事は怒ってないけど今日の事は怒るの!」
「えぇ~なんでぇぇ!」
「あんな綺麗でサラサラの髪の毛を切ったななみの事を怒ってるの!あとそれを、ななみにさせちゃった私にも怒ってるの!」
麗華ちゃんは泣いていました。自分の言ったことが私に髪を切らせるほど傷つけてしまったという事を。私としては髪の毛のことはどっちでも良かったのですがそんな事言える雰囲気でもないし言ったら、空気読めない子確定ですもんね。髪の毛なんて数年経てば伸びるんですから気にしなくてもというのが本音でした。それよりも麗華ちゃんに嫌われることの方が怖かったから。
「ななみ。ごめんね。かみのけを切らせてごめんね。うぇぇ~、ひっく」
何度もしゃっくりあげながら謝罪する麗華ちゃん。断じてお酒を飲んで酔っ払ってる描写じゃないですからね?
その後、時間が少々経過しHR、先生が入ってきて私を見て驚く。先生はイジメか?ときいてくれましたがそんな事実はありません。その時は「髪の毛が邪魔だったから」で通しました。
1時間めの授業後、麗華ちゃんは先生に呼び出されました。先ほどの先生の様子から私に聞いても答えないと感じ、私と仲の良い麗華ちゃんから聞こうとしたのでしょう。
麗華ちゃんが出てしばらくすると、私の周りに数人の男子が集まってきました。
「おーい、ツルツルつむぎ~。鏡を泣かせたツルツルつむぎ~」
「すっげえぇ、ひかってるぜ!女なのに頭がピッカピカだ!」
ついさっき先生に、イジメがないか聞かれたばかりだと言うのに、現実となってしまいました。今からでもいじめられたと言いに行けば何とかしてもらえるかな?
しかし次の瞬間、私の目の前にいた男子達は真っ青な顔で私の後方を見ていました。何かと思い後ろを振り向くとそこにいたのは表情こそいつもどおりの可愛さですが目の奥に仄暗い輝きを宿した麗華ちゃんでした。
「なに……してるのかしら?」
男子達は答えず男子達を見る麗華ちゃんの目つきは時間を追うごとに鋭くなっていきます。
「何を……していたのか聞いているんだけど?貴方たちは口も利けないのかしら?」
口を開かせないような雰囲気を放っているのは麗華ちゃんです!ともいえず、ただ時間だけが過ぎる。周りのクラスメイトたちも、麗華ちゃんの言葉を発した辺りから遠巻きに様子を見ている状態。この状態が続くとなんか危険な気がします!
「ねぇ?聞い……」 キーンコーンカーンコーン
その時、2時間目の授業が始まるチャイムが響き、麗華ちゃんの出していた気配というかオーラ?が治まりました。
「な、なんでもねぇよ!」
「そうだぞ?おい、席に着こうぜ」
それ幸いとばかりに男子生徒たちが言葉を発し席に戻っていく。麗華ちゃんも一度私の方を見た後、軽く微笑み席に戻っていきました。
学校では意地悪な言葉を吐きかけられることもなくなりましたが、外では違います。
校外で、クラスメイトや同級生とあったときに私の頭をみてクスクスと笑ったり、離れた場所から私を指差し、暴言を吐かれたりは日常茶飯事。
ある時、そんな現場を麗華ちゃんに見られてしまいました。
「ふーん、そうなんだ……」
そっけない反応を示した麗華ちゃんでしたが、目つきと雰囲気までは隠せません。その目からは以前教室で感じた誰であろうと有無を言わせない気配が漂ってきています。
「れ、れいかちゃん?私なら大丈夫だからね?」
「そうよね。ななみなら大丈夫だよね。……私、これからちょくちょく学校を休むかもしれないけど、もし何かあったら私に言うのよ?」
「え!どこか病気なの?」
私の言葉に麗華ちゃんは微笑みだけを返し、私を自宅まで送っていった後で去っていきました。何故、あそこで病気と聞いたのかは当時の私に聞かないと分かりませんけど、何かをやらかしそうな気配を感じ取っていてそれを敏感に感じ取ったのかもしれません。
その数日後、私を笑ったりした生徒の親御さんたちが子供を引き連れ謝罪に来ました。
ほとぼりが冷めたころ、家族で話をしていた時に、麗華ちゃんのとった行動を知る事ができました。
麗華ちゃんは、何日も掛けて自分の足で各クラスを回り、先に述べた私に対しての嫌がらせの証拠を集め、犯人を特定し謝罪するように頼んでくれていました。
それでも拒否した生徒には最終手段として用意して、先生たちに報告し対応してもらったり、嫌がらせをした子の両親の所(時にはその子の親の会社にまで乗り込んだらしいです)まで出向き、集めた証拠を叩きつけたと。
当然、自分の子供がそんな事をするはずがないと思い込む親も多かったけど、既に映像や声まで残されていれば認めざるをえませんでした。この行動がきっかけとなり、怒らせたら怖いというイメージが徐々に麗華ちゃんについて周り、中学に上がる頃には私以外の人に対してはひん曲がった態度をとるようになっていました。麗華ちゃん自身がその評価を改善しようとする方向に動かないので、高校3年になるまでは、見た目は最高クラス、ただし中身が……的な感じとなりました。
高校に入ってからは私も頑張って麗華ちゃんに興味をもった色々な人に布教活動したんですよ?実を結んだのは夏になってからでしたけど……。
「紡木さん……レイカさん、一体どうしちゃったんですか?」
姫島さん……ではなくシュリに聞かれました。というかリアルネーム呼びになるほど、混乱しているようですね。
「うーん、怒ってますね」
「そ、それはみればわかるんだけど……」
「ただ怒ってるんじゃなくて、レイカちゃんが心底怒ってる状態……だね」
「……心底怒っていたら、VRにまでそれを伝えられるんだね……」
「だね。私もまさかこっちで、あの状態のレイカちゃんをみることになるとは思ってもいなかったもん」
話しかけておいて、会話を切ったシュリはというと、攻撃で巨人の足を攻撃し、弱点を顕にしている巨人に対して猛攻を仕掛ける笑顔のレイカちゃんに夢中になっていました。
「やっぱりレイカちゃん。あっち向きだと思うんだけどなぁ。あのドSな女王様気質が特に」
その後については語る必要もありません。レイカちゃんが切れちゃった時点であの巨人の末路は分かっていましたから。
ボスの最後の後にまだ一つ、私が行わなければならない仕事が出来ました。
まああれですね?私の親友とどさくさにまぎれてデートの約束を取り付けようとした関西人がいたので、異世界で身につけた槍の奥義で強制送還しておきました。
私が彼に送った言葉はもちろん……
「アンタは私を怒らせた!」
ですよ。




