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Dream Community Online(仮)  作者: ふんにゃり
高校生編!?
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冒険?なにそれ?おいしいの?4

 現在私はシュリさん達と共に第3の街 《グリーディア》に来ています。

此処に来た理由は、シュリさん達クラスメイトの皆から熱い勧誘を受けたから。着物作成に手間取り急いで転移して来ると、いつもならあまり人が居ないポータル周辺に予想外の数の人が居たので多少ビックリしましたけど、目的のシュリさんを発見し遅れたことを謝るとともに挨拶を済ませます。


 「シュリさん。遅れてしまい済みませんでした。この着物の制作がギリギリでしたもので……」

 「いや!気にしないでよ。クラスメイトなんだし、レイカさんにも事情はあるって分かってるんだし」



 一緒に居た男性たちは私をじっと見たまま動きません。正直見つめられると気持ち悪いです……。

 その後も会話を繰り返しているとシュリさんと一緒に居たサムライ風?の人が話しかけてきました。



 「レイカ殿!我輩はコメカミと申す。ヨロシクでござる」

 「えっと、よろしく?」

 「あ、現実側では神込ですよ」

 「あっ、そういう事ですか。ロールっていうのをやってたんですね。ごめんなさい。ノれなくて…」

 「気にしないでござる!所でレイカ殿に聞きたいのでござるが、夏のオーラの件、レイカ殿で間違いないでござるかな?」

 「……見たんですか?」

 「一応肯定……でござる。詳しく言えば掲示板に一次的に流れた物で確認したでござる。あとミヤ殿にも話を聞いたでござるが、詳しくは本人に聞けといわれたのでござるよ」

 「……そう、それなら隠しても無駄ですね。オーラになったのは私ですよ」

 「やはりでござるか。で、後一つ。裁縫の魔術師ソーイング・マジシャンの噂をご存知でござるか?」

 「なんですかそれ?」

 「もちろんレイカ殿の事でござるよ」



 コメカミから詳しく聞くとどうやら私の作ったウルフレザーを始めとした俊狼、ベア、マギーベアの装備たちがランクが低くてもステータスが高く、扱いやすいと評判であるにもかかわらず作り手が表に現れないという事で掲示板で私を探す人が増えたらしいです。


 「迷惑ですね……」

 「そうでござるなぁ。そういう事があるので大きな街には近づかない方が言いでござる。あと名前の表示も消しておけば完璧でござるよ」

 「そうします。コメカミさんありがとう」

 「この位しか教えられなくてごめん!……でござるっ!」


 私がお礼を言うとコメカミさんは一瞬、素に戻っていたけどすぐにロールしなおしていました。



 コメカミさんとの話が終わる頃、他の固まっていた人たち……というかクラスメイトが動き出しました。周りにいたプレイヤー全員がウチのクラスメイトだったことには驚きました。皆どれだけ暇なの?

 人の事言えませんね?私も同じ穴の狢ってことだもの。



 「レイカさん。この後皆で第3の街 《グリーディア》にある炭鉱ダンジョンに行くんだけど、一緒にいこう?」


 シュリさんがそう声を掛けてくれました。私としては生産作業の為に、さっさと私有地に引きこもりたいのですけど、今回はシュリさんに誘われてログインした様な物ですので付いていく位ならと了承したのです。




 《グリーディア炭鉱4F》


 私達は全部で24人居たので6人PTを4つ作り、ダンジョンに挑みました。回復魔法を使えるメンバーが思ったより少なく前衛が大勢居た為です。私は地魔法使いの亜人種で妖精族のシュリさん・前衛アタッカーの人族コメカミさんとマサムネさん・前衛盾のガッチョンさん・探索スキルもちの亜人種獣族ユキムラさんに回復魔法担当の私を加えた6人。

 私なんかと組みたがっていた他のクラスメイトには悪いですけど、今回は諦めてもらいましょう。今回のホストであるシュリさんが私と組みたいというのでしたら組みませんとね?


 この炭鉱は入り組んだ造りをしていて次の層へ進む道も数多く用意されているので、4PTのうち2PTずつに分かれて行動し、5Fにあるボス部屋前に集合する事になりました。私達はAチームとしてもう一つはBチームという呼び名です。


 「この4F、アイアンイーターが多いから足元気をつけて!」

 「大丈夫!近くにいるアイアンイーターなら俺の索敵に引っかかるからな!」


 シュリさんが指示を出し、それに答えるユキムラさん。索敵スキルかぁ、あったら役に立つのかな?

なんて考えてますけど取る気はないよ?今もっているスキルを育てる方が優先だもの。もう直ぐカンストする精神統一やら知識とかね?


 「! 待て皆!すごい数のアイアンイーターがこの先に居るぜ!」


 ユキムラさんが前方の大部屋に進もうとしていた前衛職のクラスメイトPTに声を掛けた。……が既に遅かった。

別PTのクラスメイト達は、突如足元から現れたアイアンイーターに噛み付かれ、装着していた金属製の装備品を全て奪われたのです。

 そう、アイアンイーターというモンスターは金属を好んで食べるモンスターで、攻撃力はなぜか非常に低い。金属を食べれるほど頑丈な歯なのに噛み付き攻撃は体格などが非常に低い魔法職が噛まれても死なないのだから。


 「お、俺っちの鎧がぁぁ」

 「何でこんな数が居るんだよ!?酷すぎるぅぅぅぅ」


 ちなみに此処にアイアンイーターが集まっていた理由ですけど、Bチームが放置した為だったりします。とは言っても、彼らが故意に集めたわけではなく、アイアンイーターが獲物クラスメイトを追いかけてきたは良いけど、金属性装備が少なく、全員が出現する事ができなかった為だったりするのですよね。


 「……どうしよう。マジシャン系列の職業なら問題なく此処を通れるけど、金属装備の前衛がいないとボス戦で結構苦労するんだよね」

 「そうでござるなぁ。シュリ殿の地属性魔法はアイアンイーターには全く効かないでござるし……風属性魔法があれば良いのでござるが……」


 コメカミさんが私の方を見ながらそういう発言をしてくる。どうやら私の魔法が求められているようですけど、ナナが戻ってくるまではこれ以上レベル上げしたくないのよねぇ。

 でも此処で手助けしなかったら明日以降の学校でなに言われるかわかんないし……しょうがないわよね。


 「……私が片付けますので、皆さんはこの大部屋から出てください」


 という事で、私が取り出したのは……賢さ増幅効果のついた杖。今現在の見た目装備である着物では、賢さの補正が低いので、杖で増幅しないといけません。

 なら装備を戦闘用に変えれば良いじゃないかですって?……男の子じゃあるまいし、人前で着替えるの恥ずかし過ぎますので却下です。コンマ一秒でも裸になるのはイヤなんです!



 クラスメイトたちが大部屋から通路まで下がった事を確認した私は、杖を掲げ風塵魔法のエアスラッシュを詠唱。知識スキルにより詠唱時間の短縮があるので通常12秒の詠唱が10秒ほどで終了し発動する。

 エアスラッシュは金属をまだ食べているアイアンイーターたちに襲い掛かりその体を傷つけていく。アイアンイーターは弱点属性であるうえ、魔法の威力が高いエアスラッシュを受けたのでその体がドンドン粒子化していった。


 「すごい!詠唱が早い!さすがオーラになっただけがあるね」

 「しまったぁ!レイカさんの詠唱呪文を聞き損ねた!」

 「はっ!?俺もだ!」

 「ふっ、我輩は聞いたでござるよ」

 「なんだと!?コメカミぃ。教えろ!10万Cだすぞ!」

 「断るでござる!さらばっ!」

 「くっそぅ!あいつサムライロールの癖にハイディングしやがったぞ!炙りだせぇぇ。そして吐かせるんだっ!」



 アイアンイーターを片付けた私が通路に戻ると、クラスメイト達がなにやら騒いでいました。


 「レイカさんは気にしないで良いからね?男連中がジャれてるだけだから」

 「そうなんですね。とりあえずモンスターの片付けは終わったので先に進みませんか?Bチームが待ってるかもしれませんし」

 「そうね。おーい、ユキムラくーん。索敵ヨロシク~」

 「任せろ!」



 その後は大した問題もなく、私達は5階へ進みBチームと合流しました。なお、Aチームの金属鎧をなくした人たちには、仕方がないのでベア装備を一時レンタルという形で渡しておきました。この一時レンタルというのは生産者専用のコマンドで自作した装備品に限り、貸与する事ができるようになります。


 「この皮装備、さっきまで装備してた金属鎧よりカテェんだけど!?」

 「謎とされてきた裁縫の魔術師ソーイング・マジシャンの正体がレイカさんだったなんて……。確かに製作者がレイカってキャラってことは知ってたのに……」


 どうやらコメカミさん以外は私の事を噂程度にしか知らなかったみたい。コメカミさん経由で皆にバレてると思っていたのですが、装備の貸与して自分でバラすことになるなんてね。


 「正体を内緒にしておいてくださいね」


 無理だろうなぁと思いながらもクラスメイトにお願いしてみた所、皆そろって「黙ってます」と叫んだことに驚きです。



 全員の準備がそろったので、私達はボス部屋に侵入しました。そこにいたのは、やはり鉱山だけあってゴーレムでしたね。

 名称は《カオスゴーレム》。闇属性の魔法も使用してくる力と魔力を併せ持つゴーレムです。


 「レイカさんは、今までどおり回復をお願いね。レイカさんほど的確な回復魔法ヒールを使える人が少ないから負担があるだろうけど……」

 「了解。シュリさん、他にも何か指示があるなら遠慮なく出してくださいね?」

 「ありがとう。それならデバフか阻害系の魔法があるならそれで支援してください」

 「分かりました」



 こうして私達のバトルは始まったのです。

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