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海外からの刺客? ②

 シュリから呼び出された第3エリアのジューノスという町は、別名学者の街と呼ばれており主な建物は何らかの研究機関だったり調べ物目的に使われる大小様々な図書館がある。勿論その関係で街の中には研究者や学者などのNPCが多く見受けられます。


 ちなみに現在の攻略状況は第4エリアまで解放されているので、今となってはこの町に滞在する攻略を主とするプレイヤーはそう多くありません。

 攻略を主に……といったのには理由があります。このジューノスにある研究機関はプレイヤーが使用している機材よりも上質なものが多く揃えられており一部の生産職にとっては、使い勝手の良いので態々最前線からこの街に戻ってきて機材を使用しに来るプレイヤーもいるからです。

 かく言う私も裁縫研究機関にある最上級機織はたおり機やら香料系に使用する機材である最上級分香機を使用するために、何度もお世話になっています。



 そんなジューノスの街にある《古代図書館》は町の中にある施設であり、一番多くプレイヤーが集まる施設であるといえます。

 理由として挙げられるのは、生産に利用できるレシピを覚えられる事、そして最深部にあるメインストーリーで行く事になるダンジョン《封印図書館》があるからでしょう。


 なので私は今回シュリに呼び出されたのはダンジョン攻略のお手伝いを頼まれるのだろうと思ってここにきています。私は既にクリアしているダンジョンですのでインベントリには装備品を各種用意して準備も万端ですから、そう時間もかからずクリアできる予定です。

 そんなことを考えながら図書館にいくとそこにシュリが待機していて、私を見つけると手を振りながら声を掛けてきました。


 「あっ、レイカ。来てくれてありがとうね」

 「気にしないで良いわよ。で、今日はダンジョン攻略で良いのよね?」

 「あー、その事なんだけど違うんだよね~」


 だけど古代図書館でシュリに逢い、頼まれたのはダンジョン攻略ではなかったのです。


 「実はさ、町のイベントを色々やっているうちに攻略掲示板に書いていないクエストを発見しちゃって、一度やってみたんだけど、途中で詰まっちゃって進めないから知り合いに頼んで手伝ってもらってるの」

 「へぇ?未発見クエストなんてあったのね。私も含めてプレイヤーはこの街への滞在期間が長かったから、全部のクエストを見つけたものと思ってたわ。で、そのクエストってどういったものなのかしら?」

 「あ、多分このクエストは攻略してた時期にはなかったクエストじゃないかなって思うんだよね。多分2周年イベント前にアップデートで新規で追加されたものじゃないかなって思ってる」


 ふぅん、なるほどね……それなら確かに私達プレイヤーも既に町を引き払っているし、見つからなくても仕方ないかもしれないわね。


 シュリにクエストについて詳しく聞くと採取、生産、討伐クエストが新たに見つかり、採取と討伐に関しては終わったみたいですが生産に関してはさっぱりなのだそうです。

 生産に関してのクエストは【地獄種の咆哮】を作り納品する事。

 だけど古代図書館や封印図書館最深部で調べてもそれに関する記述が見つからないから別の場所にある図書館や書庫を探すのを手伝って欲しいらしいです。


 「なるほどね。そういうことなら一つ心当たりがあるわよ」

 「えっ!?ほんとに!?」


 私が思い至ったのは第2エリアにある悪魔フォラスと戦った生産スキルを進化させることの出来る書庫。あそこなら多分似たような類のものが見つかるかもしれない。


 「それじゃ、一緒に行きましょうか」

 「ありがとう!お願いします!」

 「所でシュリ……水着持ってる?」

 「あっ!?もう持ってない……」


 第2エリアのザーバンに行く前にシュリの水着を作成し、フィールドを経て書庫へ到達する。

 勿論、陸に上がるなり水着を奪いに来る例の鳥が現れたので殲滅しました。ちなみにシュリにはその情報を教えていなかったので、アッサリと水着を奪われあられも無い姿を晒したのは言うまでもありません。


 「うぅ、レイカぁ。あんなモンスターが出るって教えてくれないのはひどいと思う」

 「ごめんなさいね。てっきり知っているものと思ってたのよ。まあ男性に見られたわけじゃないんだし良いじゃない」

 「よ、良くないしっ!?」


 書庫にたどり着き内部の探索を行いながら最深部へ。そこにはまたしても悪魔フォラスがいましたが、あのときより数倍以上強くなっている私にとっては雑魚に過ぎず、時間の関係上眷属を召喚し数秒で倒し終え、調べ物が出来る場所へ到着する。


 「レイカが7人……すごい光景だったわ。今までで一番驚いたよ。あれってボス扱いなのよね……」


 などとシュリが呟いていましたけど気にしません。それよりも調べ物をしないとね?



 「ほら、シュリ。目的地に着いたわよ」

 「あ、うん……それじゃ調べるね」


 シュリを本棚へ追いやりつつ私も本を調べていく。


 「あっ!あった!!」


 書庫を調べる付ける事1時間。目的の情報が見つかりました。

 その本によりますと《地獄種の咆哮》というアイテムは、ヘルプラントというモンスターのドロップする《魔草の種》という素材アイテムと、第3エリアで採取できる《マンドラの叫び》が必要なのだそうです。


 ヘルプラントというモンスターは第4エリアの《魔草天国》か私が行く事のできる《魔界》に生息しています。どちらのアイテムも既にバザーなどで手に入るので問題ないでしょう。


 そして問題はそれを制作できるスキルですが【調薬】系の上位スキル持ちじゃないとダメだそうなので私にはこれ以上手伝えそうに無いですね。



 「レイカ、ありがとう。こんなアッサリ情報が見つかって拍子抜けしたけどね」

 「第2エリアまで戻って調べようとする人がいないという盲点を突いたクエストだったみたいだしね」


 ジューノスの街に戻るとシュリは知り合いにあたってみると言い去っていきました。

 ちなみに付き合ったお礼としてフォラスからドロップした素材を頂きました。私に使い道が無い素材ですので、すぐにバザーに流しましたけどね。




 翌日、講義とバイトを終えた私はDCOにログインする。

 今日の予定は穂邑さんの付き添いです。まあナナと既に連絡を取っているかもしれませんけどいくだけ言ってみましょうか。


 「あっ、レイカちゃーん!」


 ナナに連絡を取ると既に穂邑さんと合流しているというんで現在地を聞きその場所に向かいました。

 そこにいたのは当然ナナと、ムチムチなアバターの妖魔さんでした。

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