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目立ちたくないのに 9

日曜日分は投稿できてもお昼になるかもしれません。

 「えぇ~~!れ、レイカちゃんも入手しちゃってたのぉ~。そんなぁ……(ガクリ」


 ギルドホームに帰ってきて採取の成果を報告しあう中、私が探していたアイテムを入手できた事を報告するとナナからこういった返事が返ってきました。

 膝を着き嘆くナナが話す素振りを見せないので一緒に言っていたシヅキ達に聞いてみたところ、ナナたちのほうでもレアモンスターのクルエルドタイグーと遭遇し、フォレスターエルタイドを入手したと聞きました。

 ナナ(達)はそれを私に渡して何かを要求するつもりだったとか……。油断も隙もないわね…。

 何を要求するつもりだったかは後でナナからじっくり聞くとしまして、同じ日にレアアイテムが2種類も揃うとは思いもしませんでしたよ。



 「それでレイカちゃん。このアイテムを集めてどうするつもりだったの?」


 嘆きから回復したナナが集めていた理由を聞いてくる。私は皆に渡す装備のベースとなるアイテムをエミリーさんに頼んだ事を説明し、その条件としてこれらのエルタイドアイテムを探すという事で合意したことを説明しました。もちろんこれらの石の価値も含めて。


 「に、二千万C越え……こんな石が?」


 ウサミが驚愕の様子で2種類のエルタイドを見つめる。

 ウサミは武器鍛冶なんだから石の情報を知っているものと思ってましたけど、そうではなかったようです。


 「そうよ。それでね、2つドロップしたグラミドエルタイドの1つはエミリーさんに……というか、条件を色々追加した上で渡すつもり。流石に最初の条件だけじゃ、割に合わないでしょ?」

 「そうですね。これらの石にそこまでの価値があるというなら条件の上乗せは当然の事だと思います」

 「そして残った2種のエルタイドは、ウサミ。貴女が加工してくれる?」


 未だ破格の値段に驚いているウサミに声をかける。


 「えっ?了解!といいたい所だけど今の私じゃ、この石の加工は出来ないみたい。多分スキルレベルの関係じゃないかな」

 「そうなの?それなら倉庫に保管しておきましょうか……。扱えるレベルになったら挑戦して貰うという事でね」

 「オッケー。少なくとも今のマスタースミスじゃダメみたいだから、最終スキルまで昇華させてからもう一度調べてみるわ」

 「あの~。加工も良いと思うんですけど、売って資金にしたりはしないんですか?こういったアイテムって流通しているアイテム量が少ないうちは高いですけど、他の人が狩り出したら一気に価値が下がるんじゃないかと……ウサミさんのスキル上げも時間がかかるかもしれませんし」


 倉庫に突っ込んで置こうと纏まりかけたところに、スミナから指摘が入った。


 「私、昔は体が弱くて、一日の大半をベッドの上で過ごしていたんですけど、その暇つぶしによくゲームをしてまして……その時もこう言うレアなアイテムとか会ったんですけどブームが過ぎるとあっという間に価値が下がったりしたんです」

 「そうなの?」


 このDCO以外にプレイした経験が無い私には分からないので他の面々に尋ねてみました。

 シヅキやルルカ、コノハまでもがウンウンと頷いているので間違いではない様子です。あっ、ゲームで困った時はガチの人に聞けば良いわね!……皆を信用してないわけじゃないのよ?


 という訳で……


 「ん~?なによレイカ。今ボス前で忙しいんだけど~」

 「悪いわねミヤ。少し聞きたい事があるのだけど……」


 ミヤにもスミナから聞いたとおり、レアアイテムは価値が下がりやすいのを聞いてみました。


 「そうね。素材関連に関してはピンキリね。その時々のブームになる素材ってあるじゃない?それにハマっていれば高いし、逆なら安くなるのは当然ね」

 「仮に今2千万越えしてても後々は下がるかも…って事?」

 「はぁ……あんた。そんなアイテムを入手したのね。羨ましいわね」

 「か、仮にって言ってるでしょ!」

 「はいはい、分かりましたよっと……それで、答えだけど今は大丈夫でも必ず価値が下がるわね。具体的な金額まではその時にならないと分からないけど」

 「そうなのね。ありがとうミヤ。助かったわ。ボス戦頑張って」

 「はいはい。それじゃあね」



 ミヤにも聞いた結果、スミナたちの言うとおりだと判断した私は、出会いさえすれば倒せるモンスターであることがわかったので売り払って半分をギルド資金に、残り半分をメンバーで分ける事にしました。


 「一つ2~3千万Cで~、あわせて5千万Cくらいでしょ~?その半分の2500万を7人で分けるから~一人当たり350万C!?回復アイテムの補充が出来る~」

 「さ、さんびゃくごじゅうまん……生産スキルに挑戦してみようかなぁ……」

 「そ、そんな大金持ったこともありません……」

 「あたしも杖の新調ができるな~フフフっ」


 ギルメンはお金の使い道に思いを馳せているようです。けどまだ売れてないからね?

 という事で、エミリーさんにはグラミドエルタイドが手に入った事を報告。するとエミリさんは凄くテンションが上がっていました。


 2種のエルタイドをバザーに2日間のオークション形式で出品してから、皆でエミリーさんのお店へ向かいました。

 エミリーさんには、グラミドエルタイドを見せて条件の追加をしてみた所、大抵の条件は飲むという事で色々お願いをしておきました。基本私のギルドからの依頼は断らないこととか?その他にもあるけどそれは追々で。


 「えぇっ!フォレスターエルタイドも入手してバザーに出してるって!な、なんでよぉ!2種類とも持ってきてくれても良いじゃないのぉぉ」

 「え?だって、あの中から一つって言うから1つで良いのかと思ったのよ」

 「ぐぐぅ!た、確かにそう言ったけど、バザーに出す前に教えて欲しかったわ……」

 「また手に入れたら持ってくるから」

 「それ、ほんとだね?」

 「えぇ、とは言っても来週末には全員分の封印宝玉が30種類集まるからそれまでに会えたらだけど」

 「もうそんなに宝玉集めてたのねぇ……やるじゃん!」

 「そうかしら?もうアキラや他の攻略組の数ギルドは、次のフィールドに向かってるわよ?ダンデライオンも今日ボスに行ってるみたいだし」

 「へぇ~?ところでそのボスに行く時、私も連れてってもらえる?宝玉なら集まってるからさ」

 「いいけど……エミリーさんは何が出来るのかしら?」

 「援護なら任せなさい?あとは素材集めだね!装備の修理もできるよん」


 胸を張り自信満々に言うエミリーさん。内容はともかく、既に封印宝玉を集めてあるのだったら問題ないわね。ランクの低い宝玉20個位まではバザーで買えるけど、最後の10種類(+αもありましたけど)はボスが強いですからね。

 ボスに関してはまたその時に連絡するという事で、エミリーさんに別れを告げ店を出る。




 その後数日かけて宝玉を集め、準備は整いました。

 あっ、エルタイドオークションの結果ですがグラミドエルタイドが二千七百万(2700万)Cで、フォレスターエルタイドが三千五百万(3500万)Cで売れました。

 それを半分ギルド資金へ。残りを7等分して分配すると予定より多かった為、みんなが喜んでいました。

 ボス前に準備を整える資金が手に入ってよかったです。

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