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Dream Community Online(仮)  作者: ふんにゃり
高校生編!?
11/135

正式サービス 1-4

 「で?暢気に貴女は友人と狩をしていたというわけね?」

 「そ、その通りです」


 私ことレイカはただいま宿屋2階にあるプレイヤーの個室にて『気をつけ!』の姿勢で直立不動中です。

というのも私が正式サービスをやる本来の目的であるはずの男女との約束を忘れ狩をしていたからです。


 その男女とは男性はヘルガさん、女性はミヤさんといいます。二人とはβテスト中2日間だけとはいえ一緒にイベントや狩を行った関係です。ヘルガさんとはまだあんまり良く話せませんが、ミヤさんとは初対面の出来事がきっかけで緊張なく話せています。



 「貴女の言い分はわかったわ。たしかにリアルの友人は大事ですものね。だからといって私達との約束を忘れるというのは人としてどうかと思うのよ」

 「ま、全く持ってその通りです。すみませんでした。ミヤさん、ヘルガさん」

 「いや?俺はまあいいんだけどな?ミヤがレイカさんに会いたがっていたからさ……」

 「そこぉ!余計な事は言わない!」

 「!?わりぃ!」

 「えっ?ミヤさんは私なんかと会いたかったんですか?」

 「なんか……じゃないわよ。そうよ、何でかわかんないけど、この2ヶ月レイカのことが忘れられなかったのは本当よ」

 「えっと、告白……ですか?」

 「ちっ、違うわよバカ!あら?違わないのかしら……」


 なにやらミヤさんは考え始めてしまいました。ヘルガさんはそんなミヤさんを冷めた目で見ていました。


 「と、とにかく、レイカ。フレンド登録して頂戴?ただ今日、会うためだけに始めたわけじゃないのでしょう?」

 「そりゃあ、止めれるものなら止めたいですけど、友人も巻き込んでしまいましたし続けますよ」

 「レイカさん。止めるのはだめだぞ?ミヤが悲しむ!(俺もだけど……)」


 ヘルガさんは途中から何を言っているのか分からなくなりましたけど、まあ気にしないでいいですね。

ヘルガさんには悪いですけどゲームとはいえ男性と仲良くしてると和仁パパが五月蝿いですし。




 フレンド登録を済ませた後二人に狩に行かないかと誘われましたが、私は早速【裁縫】がやりたいのでお断りしました。ミヤさんたちはβ時代私の裁縫で作った装備の出来を知っているので、もし出来たら安く売ってね。といってました。安くする云々に関しては、素材を集めてきてくれたら少しくらい安くしますとだけ答えると二人とも嬉しそうに狩に向かっていきました。



 という事で始まりの街にある施設へやってきました。βテストでは宿の個室でも生産作業を行えましたが正式サービスからは専用の施設を使用しないといけなくなったのです。もちろん施設を利用できるだけであり道具を貸してくれるわけではないので私は雑貨屋に行き、見習い裁縫具を購入。βテストでは120cでしたが正式サービスでは300cと値上がりしてました。ちなみに次の初級裁縫具は1200cとなってます。


 人数が限られているβテストでは職人様道具は安くても良かったですが正式サービスではプレイヤーの数がドッと増えましたからね。この辺を高くしていかないと採算が取れないのでしょう。


 あと武器や防具、職人道具にも耐久力というものが設定され0になると壊れるようになりました。


 武器や防具はお金を払えば対応したお店で修理をしてもらえますが職人道具は修理不可ですね。これが修理できるようになればきっと生産道具が全く売れなくなるからでしょう。

 武器防具に関しては流通がはげしいので同じものを延々と使い込む人がいないから修理可能という訳ですね。


 ただし鍛冶スキルの派生先として武器ではなく生産用道具を作ることに特化したものがあるらしいのでソレを目指すのも一つの手ですよね。私がリアル経験を生かして出来るのは裁縫だけですけど、ゲームのシステム補正がありますしでゆくゆくは鍛冶もとってみようと思います。自分で使うものは自分で作りたいですもんね。ですがそれはもっと先の話。今は他の方々と足並みをそろえておきましょう。



 話がそれましたね。それで私は生産施設に来ましたが大変な事に気づきました。そう糸がないのです。

ウルフの毛皮からも糸は作れますけどそれをしてしまうと、装備に回す毛皮がなくなってしまいます。

 仕方がないので私は、始まりの街の近くにある森で採取を行う事にしたのです。目的は【麻草】や【毒草】でしょうか。こういうときベータテストの経験があると便利ですよね。




 森にやってきた私はゴブリン3体の群れに襲われています。相変わらず下卑た容姿をしているのであまり見ていたくない相手です。以前の私なら剣で倒せましたが今の私は魔法職。ここまで近づかれているとかなり厳しいと思うのです。やっぱり【回避術】くらいは取っておくべきだったかもしれません。


 ですがその考えは杞憂に終わりました。βテスト時は人族で敏捷ステータスが5でしたが今は魔族で敏捷8です。基礎的な速さが違います。逃げさえすれば距離を離せたので、いわゆる逃げうちという方法でゴブリンに風魔法のウィンドボールを当てていきます。


 この方法が凄く楽であっという間にゴブリンを全滅させる事ができ、レベルアップした感覚もありました。そういえばナナと狩をしたときのステータスの割り振りをしていなかったので今回の分とあわせて割り振ってしまいましょう。


 名前 レイカ

 種族 魔族

 職業 マジシャンLV6

 スキル 【裁縫1/30】・【採取1/30】・【風魔法6/30】・【精神統一5/50】・【魔法運用の知識5/50】

 特性 闇の加護・英雄の記憶

 ステータス 体力3 魔力10 腕力1 体格3 賢さ8 敏捷8 運5

 ステータスポイント残り 5



 ですので、魔力に1、賢さと敏捷に2ずつ割り振った結果、このように変化します。


 名前 レイカ

 種族 魔族

 職業 マジシャンLV6

 スキル 【裁縫1/30】・【採取1/30】・【風魔法6/30】・【精神統一5/50】・【魔法運用の知識5/50】

 特性 闇の加護・英雄の記憶

 ステータス 体力3 魔力11 腕力1 体格3 賢さ10 敏捷10 運5

 ステータスポイント残り 0




 これでさっきよりも素早くなり、命中率も増え、魔法の攻撃力も増えました。あと風魔法でウィンドボールの次の特技であるウィンドカッターを覚えていましたので使ってみたいと思います。



 森の中を薬草や雑草を採取しながら歩く事数分、またゴブリンの4体の群れがいました。ですがまだ私には気づいていなかったのでここぞとばかりに詠唱に少し時間のかかるウィンドカッターと唱えます。


 ウィンドカッターはゴブリンをあっさりと倒しながら森の木々をも切り倒していきます。切り倒された木々は数秒後何事もなかったかのように再生しましたけど。

 この不意打ちのおかげでゴブリンの数は2体に減ったので落ち着いてウィンドボールを逃げ打ちしながら倒します。逃げうちをしているうちに奥のほうに来てしまったのか遠くにオークの姿が。


 「あー、オークはまだ戦える気がしないわね。毛皮も欲しいしウルフを探しに戻ろっと」


 オークから離れ来た道と違う小道を進むと麻草の群生している採取ポイントを発見したので私は喜んで採取しました。ここまでの採取回数は大体8回くらいで薬草が21本、麻草は30本、毒草は5本見つける事ができました。以前と違い束ではないですのでご注意を。




 森の中を歩き回りながら見つけたウルフやゴブリンを風魔法で倒し続け、いつの間にやらマジシャンのレベルが8になっていました。スキルのほうも順調に育っているみたいです。

 特に採取スキルはいつの間にやら10になってました。スキルレベルが10を超えるごとに1ポイントのスキルポイントが入手できます。

 スキルポイントを使用し新たにスキルを覚える事で私達プレイヤーは戦略の幅が広がり強くなります。

この辺は町に戻ってから考えますので今は保留とします。

 他にも風魔法が9になりましたし、精神統一などの魔法補助スキルもそれなりに伸びがいいようです。


 今現在の最大魔力値で風魔法を放てる回数はウィンドボールなら15回、ウィンドカッターだけなら8回ですね。なのである程度戦ったら魔力が尽きる前に精神統一で魔力回復をはかり座る必要があるのです。




 糸になる植物系素材をボックスいっぱいになるまで集め、最終的に採取スキルが頭2つ分くらい高くなってしまいましたけどまあいいです。一度に採取できる数が増えましたし。


 薬草26束、麻草40束、毒草20束、はね草6束という結果ですね。今回は束表記ですよ(ベータのときと同じく一束5本計算です)

 はね草と言うのは新しいアイテムらしく効果は不明です。こういったアイテムを鑑定するには生産系スキルを5LVまで上げて鑑定の特技を覚えるしかありません。ですので大抵のプレイヤーさんは生産系スキルを取得するはずです!七実ナナは持ってなかったけど。



 ウルフの素材(毛皮を初めとして牙や肉)も各種30個くらいは手に入れましたし、ゴブリンからはレアドロップである《灯鉄》を2つ取れました。何に使うか知りませんけどね。



 街に戻った私は、そのまま生産施設へ。見習い裁縫具を用意し周りのプレイヤーからじろじろ見られながらも作業を開始します。ちなみに今回ははじめから手作業でやろうと思います。失敗したら素材がもったいないですもんね。



 裁縫スキルのLV1特技《糸作成》を使用し、裁縫道具に糸の元となる《麻草》をセットし繊維を取り出す作業を開始しました。この辺もシステムに変わりないようでよかったです。



 《麻の糸が完成しました。レア★★、評価4》


 「あれ?評価が低いわね?前と同じように作ったはずなんだけど……」

 「その手つき……姉ちゃんはβテストのプレイヤーか?」


 結果を確認している所に声をかけてきたのは私より少し年下の男の子で手には見習い細工道具を持っていた。


 「え?えぇ、そうだけど?」

 「俺もそうなんだけどβテストのときは手作業で作れば慣れてるものなら高評価を得られたよな?でも正式サービスではその辺が厳しくなったみたいでただリアルで慣れてるから評価が高いものが得られるって訳じゃなくなったらしいんだよ」

 「そうなんだぁ。わざわざ教えてくれてありがとう」

 「い、いや気にすんなよ。こういう奴らもいるだろうと思って一通り声をかけてるだけだから。だけどいきなりの手作業で評価4は凄いよなぁ。姉ちゃん程の腕 (顔もいいけどな)の良さなら高評価を得られる方法が分かるかもな」

 「もし高評価を得られる方法が分かったら今回のお礼に教えてあげるわ。だからフレンド登録しておかない?君は細工スキルもちみたいだから私の裁縫で作る装備と貴方のアクセサリで相性が良さそうだし」


 私にとっては珍しく自分から男の子に提案をしていることを不思議に思いましたがなぜか話しやすい感じがしたのでという事で自分を納得させました。


 「! ほんとか?そりゃ助かる。俺の名前はヒラメキ。名前の由来はいい物を作れるように願ってのことだ」

 「へぇ?私と違ってしっかり考えて名前決めたんだね。あまりこちらから話す事はないかもしれないけどこれからよろしくね」

 「こっちこそよろしく!んじゃえっとレイカ?の邪魔しちゃ悪いしおれは退散するぜ」

 「そう?それじゃあね?」



 ヒラメキが去り、私は糸作りでいい評価を得る方法を作業をしながら考えました。ですが作る糸の評価は一番良くて10段階中の4。なかなかいいものができないのです。糸作りに没頭している内に裁縫が5レベルを超え、鑑定の特技を覚えました。


 気分を変えるため鑑定で《薬草》やら《はね草》を調べてみました。そうすると意外な事実が発覚したのです。

名前 レイカ

 種族 魔族

 職業 マジシャンLV8

 スキル 【裁縫6/30】・【採取16/30】・【風魔法9/30】・【精神統一7/50】・【魔法運用の知識8/50】

 特性 闇の加護・英雄の記憶

 ステータス 体力3 魔力11 腕力1 体格3 賢さ10 敏捷10 運5

 ステータスポイント 残り 2

 スキルポイント   残り 1


 風魔法;ウィンドボール・ウィンドカッター

 裁縫:糸作成・鑑定

 採取:採取ポイント発見・採取個数アップ・レア発見率+2%

 精神統一:魔力自然回復量上昇(小)

 魔法運用の知識:魔法攻撃力上昇(小)

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