GW戦線。風雲ギルドバトル 12-2
言いたい事はたくさんあるでしょうが、これが文章の限界です!
「お前達二人が相手ならば、最初から出し惜しみは無しで行くぞ!超剣技【大乱遊楽斬】!」
「拙者もやるでござる!死聖剣技【死刺剥禿】!!」
カウントダウンが0になると同時にアキラとコメカミの二人が開始ざまに大技を仕掛けてくる。
けど私達は慌てない。なぜなら……
「おぉ~!どっちも見たことの無い技だね!こう言うときは受けるに限るよね!【反転防御】!!」
二人の攻撃はナナの防御スキルによって防がれるからです。
ナナの使った【反転防御】とは、スキル【受身】が50になり最終のスキルへと変化した【反射受身】の技で、相手の攻撃を、魔力を消費して1割まで押さえ、その一割分の反射ダメージを相手に返す【受身】系最強の防御技。
「ぬぐぅ!?」
「まずいでござる!」
自分達の攻撃の威力の一割とは言え十分に大きいダメージとなり、ナナから距離を取る。
減った分の体力は、コメカミがいつの間にか覚えている回復スキルで少しずつ回復していく。
「凄い攻撃だったよ!でも私にはちょっと物足りないかなぁ。次の攻撃はどんなのかな~?」
ナナも戦闘時は相手の気を逆撫でするような言い方をするけど、アキラもコメカミも気にしない模様。
やっぱりコメカミとナナは何度か狩を一緒にしていたみたいだから、ナナのそう言う所には慣れてるのかもね。……ナナのスキルに関しては知らなかったみたいだけど。私以外には自分の事を教えないのがナナらしいわ。
「やはり、オーラ経験者ともなると強いな。だがそれでこそ俺の見込んだ相手たちだ!」
「拙者も身近に強い相手がいると燃えるでござるよ。さっきのスキルに関しては大体わかったでござるから次からは食らわないでござる!」
さすが攻略組らしいお言葉ですね。じゃあ次は私が力をお見せしないといけませんね。
影法師戦では、私全然活躍できなかったし。
ナナに気を取られているうちに後ろに回りこみ、鞭……ではなくて帯を構える。
「【焔巻】」
「あまいっ!!」
「あら?」
アキラもコメカミも私を見ることなく攻撃を避ける。なんで!?
「ふっ、驚いているようだな。どうせ俺達がナナに気を取られている隙に回りこんで倒そうとでも思ったんだろうがそうはいかん!」
むぅ!何でそんな私の心境を理解できてるのよ!…まさか、心を読まれた!?
「……レイカ殿。このような分かりやすい手段にやられる拙者たちではないでござるよ?」
「レイカ。戦う相手は二人だけだぞ?ギルドバトルなら人数がいるおかげで、その手が通用したかもしれないが、たった4人で戦っている今、相手の位置を把握していないはずがないだろうが」
はっ!しまった。そう言う事でしたか!盲点でしたね。
「レイカちゃんのドジを久しぶりに見たよ~。ふふふ!」
「ナナ、ドジとか言わないで……」
「いやいや……ドジだろう?」
「ドジ……でござるな……」
「ほら~満場一致みたいだよ?レイカちゃん」
「そんな……」
そう、みんなして私を苛めるのね……。そういうことならもう遠慮しないわ……。
「ちょっといいかしら?」
「なんだ(でござるか)?」
「なーに?レイカちゃん」
「2VS2をやめて全員敵同士のバトルロイヤルにしましょう?」
私の提案にアキラとコメカミが話し合う。
「いいだろう。俺達は構わないぞ?」
「ナナは?」
ナナをみると、少々青い顔で震えている。どうしたのかしらね?
「や、やだ!」
「どうしてかしら?」
「……レイカちゃんが、怒ってるもん……」
「え~?怒ってなんかいないわよ~?うふふふっ」
「やだぁぁ!レイカちゃんが目が笑ってない笑顔で「~」使ってるぅぅ!!」
ナナの態度が急変したのを不思議そうに見ているアキラとコメカミ。
二人は、ナナになぜそこまで嫌がるのか理由を聞くが、震えて話そうとしない。
だけど、私が近づくと、震えていた状態から、直立不動になった。
「ふふっ、だいじょうぶよ?ナナ。ちゃんと最後まで残しておいてあげるから……ね?」
「ヒィィ!やだぁ!最初にしてよ!」
「しょうがないわね。最初にしてあげるからバトルロイヤル……了承するわね?」
「うぅ、わかったよぅ。絶対だからネッ!?」
こうしてナナもバトル形式の変更に了承する。それと同時に私はナナに囁く。
「ちゃんと他を倒した後に親友枠という意味で最初に相手してあげるからね」
「!!れ、レイカちゃんのうそつきぃぃ!それって結局最後って事だよねっき、キャンセルしなきゃ!!」
「もう遅いわよ?ほら……バトル形式変更後の再カウントダウンが始まってしまったもの」
「……そんなぁ……」
アキラたちにはさっぱり事情がつかめないまま、バトル形式が変更される。
2VS2のチーム戦から4人のバトルロイヤル形式へと……。そうして蹂躙が始まったのだった。
「【エアスラスト】【ゴッドブレス】【ブラックバースト】!」
「ぬぐぉっ!!」
「【落雷布】!」
「ぐはっ!でござる……」
私は先日、悪魔を倒し種族進化しましたよね?種族進化すると、基準ステータスが跳ね上がります。
種族進化というのは、メニューコマンド一つで魔族から悪魔に成れたり、悪魔から魔族に戻ったり出来るある意味スキル……ではなくて、アビリティみたいな感じでしょうか。
これもベース経験値やスキル熟練度稼ぎに影響しそうですので基本は魔族で行く予定です。
見た目的には、悪魔の姿となると背中に翼が生えてくる(飛べない)。
……他の変化はないですよ?
何が言いたいかといいますと、バトルロイヤルになった瞬間に私は魔族の姿から悪魔へと変化し、種族特性である【連続魔法】(中位魔法まで)と【魔化】を使用してアキラとコメカミを圧倒している最中なのです。
【連続魔法】は最大レベルが50まで上がる魔法を3回まで連続して使用できる。
【魔化】は、使用武器に自分の使える魔法属性を持たせる特性です。
「くっ!い、一体なんだ。その姿と攻撃方法は!」
「攻撃が重すぎるでござるよ……」
「ふふふ……。貴方たち二人掛りでその程度なのかしら?」
「レイカ。質問に答えろ」
「私に勝てたらいくらでも教えて差し上げるわよ?」
「その言葉忘れるなよ!行くぞコメカミ!あれを開放しろ!」
「了解でござる!」
「行くぞ!超剣奥義【繚乱大爆衝】!」
「食らうでござる!死聖剣奥義【ホーリーアヴェンジャー】!」
二人の最大火力が私に向けられた。
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その頃、PVPを最初から見ていたシヅキ達や、ミリィナ達はと言いますと
「うわぁ!!凄い!やばい!翼がきれい!」
「さすがレイカ様よね。シヅキ!SSと録画大丈夫?見惚れてたら後で見直しできないわよ!」
「はっ!そうでした!私達《レイカ様ファンクラブ》もとい【超越した女神クラブ(男子禁制)】の共有サイトに上げる動画を撮らなくてはいけませんでした」
「コノハは大丈夫?」
「……」
「コノハは完全に魅入ってる!私がコノハの方のフォローするから、すみませんそこのミリィナさんでしたっけ?ここの位置から録画お願いできませんか?」
「え?あぁ、いいですよ。撮る対象はレイカさんで良いのかな?」
スミナは近くにいた【滅神】のサブマスターであるミリィナに頼み事をする。
ミリィナもレイカの種族変化に驚いていたみたいだけど、すぐにスミナの問いかけに返事を返してくれた。
「はいっ!レイカ様だけで良いので是非お願いします!」
「わかりました。所でその……先程のファンクラブには誰でも入れるのでしょうか?」
「女性ならある条件を満たせば入れますよ。その条件は中で戦っているナナさんに尋ねてください」
「戦ってる?……どう見ても、OSHIOKIされているようにしか見えないのだけど……」
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「も、もう許してよぉ~。レイカちゃーん」
「許す?何を?ナナは私が何に怒っているのか分かるのかしら?」
アキラとコメカミのアレ……もとい最大必殺技を魔法一つでカウンターし、二人を倒した後、後ろでガタガタ震えるナナと対峙していました。
「え、えっと……ドジって言って笑ったこと?」
「なんだ分かってるのね。でもそれだけじゃないわよ?」
「ほ、他には……」
ナナは必死に考える。でも考え付かないのかもしれません。
笑われたくらいなら良いけどその後ナナは、アキラとコメカミの二人に味方したことですからね。
最後には味方になってくれると信じてたのに。
「あっ!分かった!」
「……なにが?」
「怒ってる理由は、昨日レイカちゃんの部屋に行った時、勝手に高級プリンを5つ食べたから?」
「ちがうわよっ!って、5つって全部じゃないのっ!」
甘い物好きなナナに食べられても良いように、よく使う冷蔵庫に3つ保存し残り2つは念のため私のベッドの下にある小型の冷蔵庫に保存しておいたのよ。それ含めて全部食べたですって!?すっごく楽しみにしてたのに!このウラミハラサズニオクベキカ……
「あー!ちがったぁぁ。そして火に油を注いじゃった感じ?」
「……そうね。私の怒りが上書きされたわ。この場での事よりも遥かにムカッとしてくるわね…」
「あ、あのね違うの!ちゃんと後で買って返すつもりだったの!」
「もう……遅いわ……貴女はこの私を最大限に怒らせた……」
私のいまだ未使用の特性【美女で野獣】の特性スキル【飴と鞭】が発動する。
「ひあぁっ、ゆ、ゆるして……ぴぎゃ~!!!!!」
そんな事があった翌日、七実が高級プリン10個入りを買って来て謝罪に来たのは言うまでも無い。
その時、七実が言ってきた言葉に私は戦慄した。
「ま、またオシオキして良いからね!」……と。