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実話です

私の子供時代に体験した話です。

私が小学三年の時、大好きだったおばあちゃんが死にました。でも、おばあちゃんが、この世にいなくなるという実感はあまり感じなかったのです。

生前、おばあちゃんは霊感があって、亡くなる数日前には鎌を持った死に神が見えるって言ってました。

でも、誰も信じていませんでした。

見えない=存在しないと思っているからです。

亡くなって初めてサインだったんだと知りました。

死んだ人に対して敏感になり始めたのはこの頃からです。

誰もいないのに声が聞こえたり、闇に蠢く影のようなものも見るようになったのです。

ただ怖いというよりはすごく興味がわいたのを覚えています。

いろいろな心霊に関する書物や番組にかなり没頭しました。そういうマイナスの心があるから、いろいろ体験できたんだと思います。

そんな生活の一部分だった為、小さなサインに気づきませんでした。

おばあちゃんが亡くなってから七年後。ある日突然やってきました。

以前から体がおもうように動かせなくなったおじいちゃん。おじいちゃんはおばあちゃんが亡くなってからおばさん家で暮らしていました。とても大切に扱われていました。

ただ数日の間に、可笑しな行動をとるようになったそうです。目の見えなかったおじいちゃんでした。おじいちゃんのそばに誰か寄り添っているような感じがあったそうです。

幸せそうに見えた数日後。

お母さん達は呼ばれました。おじいちゃんに会いにいくと数日前にあった時とは全然変わっていました。体にハリはなくかなり衰弱していたそうです。

お母さんがおじいちゃんのお見舞いから帰ってきてこの話を聞いたんです。

その夜、私達、姉妹に「おじいちゃん、危ないかも…数日の間に連絡あるかもしれないから覚悟してね」って。

私はそうなんだって、みょーに納得してました。

それから2日後、私は夢を見たのです。おじいちゃんが亡くなってお葬式を済ませ火葬場での別れの場面でした。

みんなに見守られてるおじいちゃんはなんだか幸せそうに見えました。

目から覚めた私は不思議と怖くありませんでした。

夢の話をお母さんに教えようとした時一本の電話が掛かってきました。

そうです。

おじいちゃんが亡くなりました。

形式的にお葬式が進んで火葬場へと向かったのです。

その時、気づきました。夢で見たシーンと一緒だったからです。しかもおじいちゃんを囲む立ち位置が一緒だったんです。たぶん、あれはおじいちゃんからのサインだったんだと思います。

悲しまなくていいよ。俺は幸せだった…。心配しないでって知らせてるようでした。

亡くなって7日後。最後のお別れの時、みんなで写真を取りました。

お茶目だったおじいちゃんらしく天に昇る姿がバッチリと映っていたのです。

今もこの写真を大切にしています。




今度はいつサインがくるか分かりません。

私にサインがあること。

それはきっと大切にしたい心のサインなんだと、今、大人になって気づきました。

サイン…。

今、あなたにもおくられてるかも知れません。

気づかないうちに…。




読んでくれてありがとうございました。

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