表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
空っぽ少女を満たす願い  作者: takosuke3
特一級機密調書八二三〇一号より抜粋③
28/42

特一級機密調書八二三〇一号より抜粋③

〈記録者〉

恥ずかしながら、私は〝料理〟などしたことはなかった。野菜は、三分の一になる程分厚く皮を剥いてしまったし、両手の指は切り傷だらけになったし、調味料を無駄遣いして‥‥‥それでようやく出来上がったのは、野草と干し肉のスープだった。


〈会見対象者〉

ちなみに、味の方は?


〈記録者〉

どうにか食える代物には仕上がった、とだけ言っておこう‥‥‥いや、話が逸れたな。

その後は、ストラガイゼルに回収されて、ヘルトリーに帰るまでは、のんびり空の船旅‥‥‥というわけにはいかなかった。

医師の診断やら報告書やらが済むなり、今度は雷征龍の死体を回収にきた学者やら研究員やらに捕まった。何せ天災級の餓獣の死骸が、殆ど完全な状態で回収できたのだ、随分と喜ばれたよ。

もっとも、讃えられるのは私ばかりで、誰一人あの男の方には見向きもしなかったが。


〈会見対象者〉

彼が讃えられないのはどうかと思いますが、雷征龍の討伐は、紛れもなく貴方の功績でしょう。

失礼ですが、それで〝捨て駒〟は、さすがに卑下が過ぎるかと。


〈記録者〉

もし私一人だったら、何も出来ずに雷征龍のエサになって、こうして呑気に〝武勇伝〟など語っていなかっただろうさ。

まあ、あの男にしてみればその方が好都合だったのだろうが。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ