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月夜に降る皐の花
皐、咲き乱れし日に。
千切っては放ち、
千切っては放ち
私は、夜が好きだと言った
冷たい空気に
照らされる月
そんな、神秘的な世界が好きだった
貴方は、夜が苦手だと言った
暗闇の中、
手を見つけるのは難しいと
誰の手?
私が聞くと、
君の手。
と言って、手を繋いでくれた
皐の花が降っている
この夜空は
幻想的で美しいのだけれど
今の私には
貴方の愛情の方が
貴方の手の温もりの方が
とても儚くて
守りたくて
そして、
確かな物に思えるの
鮮やかな色をする皐を
千切っては放ち、
千切っては放ち
月の光に照らされて
瞬く間に 落ちていく
ねぇ、花びらが落ちるのと
私が貴方へと落ちるのと
どちらが先だと思う?
答えが欲しいのなら、
その手を掴んだまま
離さないで
私が目を閉じても
貴方のことを
感じられるように
鮮やかな、景色の向こう側の貴方。