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月が如く

四年に一度の、閏年に乾杯。

月明かりに照らされた夜道を

帰り道を歩いて行く


星一つない空


そこに存在(ある)のは


暗闇にぽっかり開いた

穴のように丸い月だけ


無情が流れ出す時間


風だけが

私の心 さらっていくよう




ねぇ


生きてる意味を教えて




私は一人

呟いた




目を閉じ

思いを馳せる




花は良いな

ただ咲いて 風に揺れ

種を落とし また咲いて

茎を伸ばし 日を浴びて

花が咲いて 風に散り

また咲いては 芽を出すの


何を羨んでいるのかすら

分からないままで




冷える夜空

月夜が私を覗いてる


まるで無情なる世界

それでも 色付いて


凍えそうな身体 心

ただひたすらに抱いて




まばゆい光に照らし出され

こんなにも明るい 帰り道


しかし月光とは

温かみのない 死んだ光


星が散らぬ

漆黒の海に


ただ孤独に浮かぶ

まるで海月(くらげ)のような月よ


今 貴女は

何を思う




生き死になど

分からぬ 分かりづらい世界で


生き死にを知らぬ

未体験者の私




それを見るのは

まだ長い長い先の話




そうだ

帰らなくては


貴方が待っている




生きてる貴方が待っている

あの部屋に


月の光が零れそうな夜に、乾杯。

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