違和感
プロ野球の春季キャンプも、そろそろ中盤だ。
数人の選手たちが、「違和感がある」と口にしている。
例年なら、「肩の違和感」だったり、「肘の違和感」だったり、身体の不調を訴えるのだが、今年は違った。
「何だかよくわからないが、何かがおかしい気がするんだよ」
今年から外国人監督に変わったので、「練習内容の一部」が例年とは違う。それが原因だろうか?
選手たちは考える。
しかし、どうも答えが出ない。
その会話を、監督は物陰から聞いていた。
すぐに別の場所へと移動する。
人気のない場所だ。
そこには、別の人物がいた。
驚くべきことに、監督と同じ顔をしている。
「そろそろ選手たちに気づかれるかもしれない」
「思っていたよりも早かったな」
実は、この外国人監督は双子なのだ。家族でも見分けがつかないレベル。
それで昔から、たまに入れ替わっていた。「いつばれるのか」というスリルがたまらない♪
「じゃあ、今回はここまでにしておくか」
「そうしよう」
本物の監督がグラウンドに戻る。
まだ選手たちは考えていた。
「何だかよくわからないが、何かがおかしい気がするんだよ」
監督はこっそり、彼らの背番号をメモする。
あそこにいるのは、「観察眼がある選手たち」だ。
長いシーズン中には、彼らの観察眼が必要になる試合も、きっとあるだろう。
(期待しているぞ♪)
次回、「『申告敬遠』!」




