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☆いきなり転生☆ さらに~   作者: たかさば


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115/119

どれでも100円

JHNK-123-678-4059は、ごく普通の自動販売機である。

毎日工業高校の生徒たちののどを潤し、毎日誰も買いに来ない時間帯に煌々と購買部のシャッターを照らし続ける、齢18の自動販売機である。


今日も今日とて、いつも朝イチでコネコーラを買う校長先生がボタンを押し間違えたことに驚いた後、近くのコンビニでマンゴーヨーグルトとツナサラダサンドを買ってきた購買部のおばちゃんを待ち構えていた―――のだが。



キキーン!!キュギュギュギュギュ!!!


ドガ――――――――――――ん!!


どわしゃぁああ!!


ぐしゃ。




真っ白な空間。

JHNK-123-678-4059の魂と…、女神が対面している。


「JHNK-123-678-4059さん、あなたは気の毒ですが人生を終えてしまいました。転生してもらいます」

「ピー、ピー、ピー」


「あなたにはチートをお一つ差し上げます。ステータスをご確認ください」


────────

JHNK-123-678-4059(18)

レベル5


称号:転生機械


保有スキル:どれでも100円


HP:362本

MP:28010円

────────




「ピッ」


べよん、べよん。


水色の、ぶよぶよした丸い塊が…自動販売機の前に現れた!


ウィーン……


微かなモーター音を響かせながら堂々としている、自動販売機。


スライムは自動販売機を観察し始めた!

ずらりと並ぶドリンクの下に、魔物言語で書かれた説明が貼られているぞ!

でっかく書かれているのは《どれでも100円》の文字…、その下に見やすいチャート表が!

ややガサツな文字だがまろみを感じる読みやすい文字だな、誰が書いたんだろ…、まあいっか。


説明を読み終えたスライムは、魔物コインを一枚入れて『運命だめし!何が出るかな』ボタンを押してみた!


がしょん!!


出てきたのは…激辛麻婆ドリンクだ!


スライムは異世界の飲み物を口に入れてみた。


歯ごたえがある…味がしない…。

ナニコレ??


モゴモゴやっていたスライムは、缶の中からブシュッと液体が出てきたのを感じて悶絶した!


ちょっ?!

ナニコレ、痛い?!マズい、キモイ、うべあ~!!!


スライムはもんどりうったのち、その場からすごすごと逃げ出した。


草原に残された自動販売機は、通りかかったモンスターや冒険者に飲み物を提供し続けていたが、ドワーフのキャラバンが通りかかった際に解体され、一本のナイフと1522個のアクセサリーになったとのこと。




「ウィーン……、ぶぃーん…ウィン、ウィン、ウィン…」


自動販売機は時間を巻き戻されて、購買部の横に立っていた。

モーターが動き出す前に、ちょっとだけ時空がゆがんだのだが…、それに気づく様子はない。


自動販売機は、マンゴーヨーグルトとツナサラダサンドを買ってきた購買部のおばちゃんを待ち構えた。


工業高校の敷地の柵の向こう側で、車の暴走事故が発生していた。


「ピッ…、ガッション! ピピピピピピピピピ…テレレテッテテーン!!」


自動販売機は、物価高騰の波にも負けず一本100円でいろんな飲み物を提供していましたが、学生たちの間でショボいおごり恐喝が発生してしまい撤去が決定されることになり、とある事業主に買い取られてドリンクではなく雑貨の入ったケースを販売するようになって人気を博し、頭の悪い貧乏人の襲撃を受け前面扉を破壊されたうえ2210円を強奪されるまで52年にわたって稼働し続けたのち、再生工場に送られたとのことです。

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