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☆いきなり転生☆ さらに~   作者: たかさば


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114/119

甘ければすべて神

佐々木苺花は、ごく普通の甘党である。

毎日牛乳に砂糖を三杯入れて飲み、毎日新作スイーツの情報探しに余念がない、齢24の甘党である。


今日も今日とて、おばあちゃんに誘われて出かけた呈茶の席で余ってしまった練り切りをたらふく食べさせてもらって大満足したあと、行きつけのコンビニで生クリーム鬼盛りシュークリームと練乳ドリンクを買って家路についていた―――のだが。



キイィイ!!キ――――イイイイイイイ!!!


ドガ――――――――――――ん!!


ぐわしゃぁああ!!


ぶちゅ。




真っ白な空間。

佐々木苺花の魂と…、女神が対面している。


「佐々木苺花さん、あなたは気の毒ですが人生を終えてしまいました。転生してもらいます」

「はあ」


「あなたにはチートをお一つ差し上げます。ステータスをご確認ください。」


────────

佐々木苺花(24)

レベル38


称号:転生者


保有スキル:甘ければすべて神


HP:35

MP:4

────────




「というわけで、いきなり草原にキター!」


べよん、べよん。


水色の、ぶよぶよした丸い塊が…甘党の前に現れた!


「うわ!スライム出た!武器も何もないよ?!」


うろたえる、甘党。


「そうだ保有スキル!《甘ければすべて神》ってナニ!?」


うばほん!!


スライムの頭上からハラハラと白いものが降ってきた!

これは…粉砂糖だ!!


「ちょ…まさかこのスライム、食用?!甘い系?!…確かに透き通った水色は…期間限定の空色ソーダゼリーを思わせる…生クリームをトッピングして食べたら神だったんだよね…」


うばほん!!


にゅにゅ、にゅる~!!


空から生クリームが絞られて落ちてきたぞ!!

この滑らかさと濃厚さをうかがえるモッタリとした艶は…動物性脂肪100%の純生クリームだ!


甘党のスキルでスイーツ判定されているスライムは身動きできない!


「わ~い!!これ絶対うまいやーつだ♡いっただきまーす!!」


甘党はいつ何時甘いものの特売に遭遇してもいいように装備しているマイスプーンで目の前のゼリーをひとすくいし、口に入れた!


「ふんふん…ソーダ味のゼリーはまあ普通の…って!?この生クリーム…表参道の高級パティシエのケーキに乗っかってたやつだ!!めっちゃうまい、これ…ヤバっ、手が、手が止まんない!!」


甘党は生クリームばかり貪っている!!


そんなにこの白いのが美味いのかと気になったスライムは、ちょびっとつまみ食いをしてみた。


…濃厚なのに後味がしつこくない、キッチリ甘いのにどこか爽やかなこのくちどけ!

めっちゃ美味~い!!

  

スライムの食欲が大爆発した!!

夢中になって空から降ってくる生クリームを貪るスライム!!

ついでに唖然としている甘党もパクッといってしまった!


甘党がいなくなったので空から降り注いでいた生クリームも止まってしまった事に、スライムは2988年の生涯を閉じるまで後悔し続けたという。




「う、うーん???なんか夢でも見ていたような??」


甘党は時間を巻き戻されて、コンビニの入り口前に立っていた。

コンビニの入り口で立ち止まる前に、ちょっとだけ時空がゆがんだのだが…、それに気づく様子はない。


甘党はコンビニで生クリーム鬼盛りシュークリームと練乳ドリンクを買って家路についた。


家の近くの交差点で、車の暴走事故が発生していた。


「やっば!!もうちょっと早く通りかかってたら来週予約してある誕生日ケーキ食べられなくなるとこだったよ!!」


甘党は、毎日懸命に働きながらスイーツに疲れた身と心を癒してもらい続け、それなりに身を肥やしたりしたものの誰かの視線を気にして幸せな時間を手放すなど言語道断と我が道を行き、ものすごくいい笑顔で甘いものを頬張る姿を見た青年に一目ぼれをされたのち熱烈なアピールを受けて家庭を持ち、つわりの影響で甘いものが一切食べられないという地獄を見たりもしましたが、家族でこしらえるお菓子の魅力にハマってからは外食や散財することが減り、最後は大好きな旦那さんに7分立ての生クリームをひとさじ食べさせてもらって67歳の生涯を閉じたとのことです。



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