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☆いきなり転生☆ さらに~   作者: たかさば


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113/119

強がり

可児正孝は、ごく普通のおっさんである。


毎日食いてえなと思うもんを食って、毎日空き缶を灰皿代わりに使う、齢46のおっさんである。


今日も今日とて、健康診断の結果が悪かったことを自慢げに後輩にこぼした後、行きつけのコンビニで大盛り唐揚げ弁当と濃い目のハイボールロング缶を買って家路についていた―――のだが。



キイィイ!!キ――――イイイイイイイ!!!


ドガ――――――――――――ん!!


ぐわしゃぁああ!!


ぶちゅ。




真っ白な空間。

可児正孝の魂と…、女神が対面している。


「可児正孝さん、あなたは気の毒ですが人生を終えてしまいました。転生してもらいます」

「ああ?」


「あなたにはチートをお一つ差し上げます。ステータスをご確認ください。」


────────

可児正孝(46)

レベル38


称号:転生者


保有スキル:強がり


HP:66/68

MP:4

────────




「というわけで、いきなり草原?!はあ?!ねーわー!!」


べよん、べよん。


水色の、ぶよぶよした丸い塊が…おっさんの前に現れた!


「…ッ?!スライムまで出てきやがった!!ふざけんなよ?!」


うろたえつつも怒りでごまかす、おっさん。


「なんも持ってねえのに…、そうだスキル!!《強がり?!》なんだよそのわけわかめ!!どう使うのか説明も無し?!クッソ―!!」


スライムは今にも襲いかかろうとしている!!


「ふん!!俺はなあ!!運だけは良いんだ!!このピンチもガッツリ乗り越えてみせるぜ!!」


バサッ、ぼばさっ!!!


突如、おっさんのまわりが薄暗くなった。

これは…大好物のスライムを発見したガルーダの影だ!


ビボサー!!


おっさんの目の前30センチでスライムが狩られた!

バカでかい羽根を三本落とし、ガルーダは天高く飛んでいった。


おっさんは羽を拾って町を目指した。


魔力まみれの羽の効果でモンスターが近寄らず、無事に町に到着したおっさん。

羽を売った金でそこそこの暮らしを始めたおっさんは、強気な発言をしながら数々のピンチを乗り越え、サクッと儲けつつ自由気ままに好き放題する毎日を過ごすようになった。


「俺はなあ、美味い酒とつまみが楽しめりゃいーの!女はめんどくせーし、見てるだけで充分!代り映えのしない毎日が一番だね!俺はも~いつでもポックリ逝っていいわと思ってんだ!がはは!!!」


おっさんはスキルの効果で翌朝ポックリ逝ってしまった。



「う、うーん???なんか夢でも見ていたような??」


おっさんは時間を巻き戻されて、コンビニの入り口前に立っていた。

コンビニの入り口で立ち止まる前に、ちょっとだけ時空がゆがんだのだが…、それに気づく様子はない。


おっさんはコンビニで大盛り唐揚げ弁当と濃い目のハイボールロング缶を買って家路についた。


家の近くの交差点で、車の暴走事故が発生していた。


「うはぁ…派手にいったなあ!!」


おっさんは、どこそこ不調を感じながらも寝込むほどではないとたかをくくり、産業医の「血糖値が高くなってるから食事制限と軽い運動をしましょう」という言葉を無視し続け、マズいもんを食ってひもじい思いをしながら長生きするより好きなもんをたらふく食らって潔く死にてえもんだと豪快に語っていたのですが、いざ高血糖で倒れてみると途端に不安感に襲われてしまい、退院後は誰もがドン引きするようなストイックな生活を送るようになり、50を超えて始めたヨガの道を極め、日課の5時間瞑想の最中に天に召されたものの人付き合いの悪さから発見が遅れ、ガッツリ固まった状態で発見されたため誕生日を迎える事なく逝ったのか誕生日を迎えて逝ったのかが未だに謎とされているとのことです。




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