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☆いきなり転生☆ さらに~   作者: たかさば


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110/119

隠し撮り

鈴木権蔵は、ごく普通のゴシップ記者である。


毎日好奇心旺盛な人をくすぐる記事を書き、毎日人気者を探して繁華街を張る、齢46のゴシップ記者である。


今日も今日とて、アイドルのライブ終わりの打ち上げ会場に時短バイトとして潜入しながら隠しカメラで使えそうな写真を撮りまくったあと、行きつけのコンビニで週刊フルタンと月刊実録盗撮を買って家路についていた―――のだが。



キイィイ!!キ――――イイイイイイイ!!!


ドガ――――――――――――ん!!


ぐわしゃぁああ!!


ぶちゅ。




真っ白な空間。

鈴木権蔵の魂と…、女神が対面している。


「鈴木権蔵さん、あなたは気の毒ですが人生を終えてしまいました。転生してもらいます」

「うぉ!!スクープだ!異世界…ガッツリ存在っ!!!」


「あなたにはチートをお一つ差し上げます。ステータスをご確認ください。」


────────

鈴木権蔵(46)

レベル38


称号:転生者


保有スキル:隠し撮り


HP:49

MP:12

────────




「というわけで、とびきりのネタを掴んだ以上…こんな草原とは一刻も早くおさらばせねば!」


べよん、べよん。


水色の、ぶよぶよした丸い塊が…ゴシップ記者の前に現れた!


「おお、異世界の生スライムだ!!」


うろたえない、ゴシップ記者。


「まずは保有スキルを試さねばなるまい!《隠し撮り?》」


うばほん!


ちょうど身の丈を隠せるような草の塊があらわれた!

ぱっと見はそこら辺に群生している草そっくりだが、根っこがないのでかぶった状態で移動することが可能だ!

しかもあんパンと牛乳が定期的に恵んでもらえるらしい!!

なんと…ゴシップ好きの皆さんによるクラファンで賄われている模様!!


「わざわざ隠れなきゃいかんとは…めんどくせえなあ。ま、いっか、キッチリ張ってすねの傷…どこがすねか判らんが…キッチリカメラに収めさせてもらうぜ?でもってガッツリゆすって…グフフ……」


ゴシップ記者はスライムの弱みを握る気満々だ!

だがしかし、天真爛漫で裏表がないスライムに…後ろ暗いことなどない!

なんと…無作為に目の前の命をペロッと行くのは本能なので悪とはみなされない模様!!


成果を得られないことを悟ったゴシップ記者は、草に身を隠しつつ王都を目指した。

途中、ショボい村でモテ散らかしているイケメンがロリコンであることを暴露して成敗したり、村長が夜な夜な無毒スライムでハッスルしている写真をばらまいて世代交代させたりしつつ、ゴシップ記者としての知名度を上げていった。


アイツに目を付けられたら没落確定という噂がすっかり人々の間に浸透したころ、とある貴族が『いつか自分の秘密を嗅ぎつけて骨の髄までしゃぶられた挙句民衆から狙撃されるに違いない』と被害妄想を炸裂させ、お抱えの暗殺者を使ってゴシップ記者を始末した。


途方もない金額で揺すられていた人々はホッと胸をなでおろし、えげつないゴシップ記事を楽しみにしていたファンたちは落胆したらしい。




「う、うーん???なんか夢でも見ていたような??…なんか、絶対にすごいネタが…アレ???」


ゴシップ記者は時間を巻き戻されて、コンビニの入り口前に立っていた。

コンビニの入り口で立ち止まる前に、ちょっとだけ時空がゆがんだのだが…、それに気づく様子はない。


ゴシップ記者はコンビニで週刊フルタンと月刊実録盗撮を買って家路についた。


家の近くの交差点で、車の暴走事故が発生していた。


「うーん、一応…ぐちゅぐちゅの生肉、撮っとくかな…」


ゴシップ記者は、普通にお金を払っている好感度ランク上位常連タレントがレジで10円落とした瞬間を激写して『店員に小銭を投げつけ拾わせた極悪人』として公開したり、国民的ドラマのクランクアップパーティーで仲良く焼き肉パーティーを楽しんでいるところを激写して『酒池肉林の無礼講パーティー!貪り尽くされたあと、そこに残る無残な光景!』などと煽ったり、取材でしつこくネチネチとほしい言葉を吐くまで粘るみっともない姿を晒したりしながら着実に敵を増やしつつぺらっぺらの上辺だけの応援を真に受けて精力的に活動していましたが、とある闇献金事件の首謀者はコイツだといつものハッタリをかましたところヤバい組織に目を付けられてしまい、ガッツリハニトラにかかって身を滅ぼしたとのことです。



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