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☆いきなり転生☆ さらに~   作者: たかさば


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106/113

まだまだ使える!

陣内浩二は、ごく普通の貧乏性である。


毎日割り箸を洗って乾かし、毎日袖と間違えてTシャツの穴の開いた部分に手を通し着直す、齢34の貧乏性である。


今日も今日とて、うんともすんとも言わなくなったけど野菜貯蔵庫として愛用している電子レンジの中に半額以下でたたき売られていた緑色のじゃがいもを収納したあと、行きつけのコンビニでご自由にお持ちくださいというPOPのついた紅しょうがを五つ添えて半額になっている倍盛りフェアのドデカカツ丼を買って家路についていた―――のだが。



キイィイ!!キ――――イイイイイイイ!!!


ドガ――――――――――――ん!!


ぐわしゃぁああ!!


ぶちゅ。




真っ白な空間。

陣内浩二の魂と…、女神が対面している。


「陣内浩二さん、あなたは気の毒ですが人生を終えてしまいました。転生してもらいます」

「はあ」


「あなたにはチートをお一つ差し上げます。ステータスをご確認ください。」


────────

陣内浩二(34)

レベル38


称号:転生者


保有スキル:まだまだ使える!


HP:63

MP:45

────────




「というわけで、いきなり草原に放り出すとはね。ノー準備でまあ…」


べよん、べよん。


水色の、ぶよぶよした丸い塊が…貧乏性の前に現れた!


「ちょ…スライムとか聞いてないぞ、武器も何もないのにこの状況を乗り越えろと?!」


うろたる、貧乏性。


「そ、そうだ保有スキル!!《まだまだ使える?》って…なんも持ってないんだけど?!くっそー、こういう時こそずっと捨てずにもっといた東京土産の木刀とか借りパクしたエアガン、レンジャーに憧れて道具だけ揃えて満足したおじさんからもらったナイフセットやばーちゃんの家から大量に発掘されたカチコチの塩なんかが役に立つはずなのに!!!」


うばほん!!


貧乏性がため込んでいた、いつか使えると信じているものが全部出てきたぞ!!


二間の押し入れにみっちりガッツリ収納されていた品々が、パッと見てすぐ確認&使用ができるよう貧乏性のまわりに放射状に並べられている!

なんというご丁寧&几帳面なことだ!!

お前さてはA型だな!!


「よーし!まずはエアガンで…って、げえ!!ガス無くなってる!!ナイフセットは…ちょっと待てケースのナンバーロックの番号何だったっけ、クソ!!開かねぇ~!!じゃあ木刀で威嚇をってめっちゃカビてる!!!こんなん触れねーじゃん!!と、とりあえずこのパンチすると中で薬剤が反応してパンパンに膨れ上がって大爆発する謎のおもちゃで驚かせ…って薬液が干からびてる?!こうなったら仲のいい先輩から卒業式にもらった竹刀で攻撃を…ってちょっとまて竹を縛ってある紐が劣化してバラバラになってる!!こうなりゃ自棄だ、ばーちゃんの塩を投げつけて…って全部くっついてる、重くて持ち上がんねー!!!」


スライムはなんかワチャワチャやってる貧乏性をしり目に、端っこの方から異世界の産物を捕食し始めた。

初めはこんなもんかと口に入れていたが、そのうちに独特の風味(カビ臭ゴミ臭生活臭)が病みつきになってきて、気が付いたら夢中になってしまった!!


「お、俺はうまくないぞ?!」


おっけーオッケー、一番おいしそうなニオイしてるから大丈夫♡

最後に一番香ばしくて瑞々しいものを残しておいたスライムは、丁寧にゆっくりと咀嚼したのち大満足で草原をあとにした。



「う、うーん???なんか夢でも見ていたような??」


貧乏性は時間を巻き戻されて、コンビニの入り口前に立っていた。

コンビニの入り口で立ち止まる前に、ちょっとだけ時空がゆがんだのだが…、それに気づく様子はない。


貧乏性はコンビニでご自由にお持ちくださいというPOPのついた紅しょうがを五つ(あるやつ全部)添えて半額になっている倍盛りフェアのドデカカツ丼を買って家路についた。


家の近くの交差点で、車の暴走事故が発生していた。


「うーん、あれはもう乗れないな…ティッシュとかは無事っぽいぞ…、どさくさに紛れてもらってったらダメかな…」


貧乏性は、質素倹約な日々を暮らしていたある日運命的な出会い()を果たし、恋を成就するためにため込んだお宝を2/3ほど処分したことをきっかけに人生初の彼女をゲットして浮かれたりしつつ幸せな毎日を送っていたものの、とにかく捨てることを避ける癖が災いしてだんだんと不穏な空気が漂い始め、自分が捨てられることにブチ切れて事件を起こしたのち思う存分に己の幸せを追求し続け、コツコツと財産を増やしながら退職してお宝と共にのんびり暮らそうと一軒家を買ったものの、引っ越しの時に大事な55年ものの弁当(中身入り)と52年もののハンバーガー(本物)、62年ものの牛乳瓶(中身入り)を生ごみ扱いされて勝手に捨てられてしまい業者と法廷で争う羽目になり不必要に貯金を減らしたりもしましたが、78歳になった翌日に荷物の置き過ぎで4センチしか足の踏み場がない階段を降りている時に足を滑らせ落下して気を失いそのまま雪崩れてきたお宝に埋もれて息絶えるまではマイルール&マイペース生活を満喫していたとのことです。





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