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01 ごきげんよう地球へようこそ…裸体で

主人公が元女であり男子校へ転入するのでBL要素があります。苦手な方はご注意してください。

ギャグとして読んでください。

 



 もし街中でインタビューされ、貴女は自分を言葉で表現をするならどんな人物ですか?と尋ねられたらどう答える?


 まさか自身を「容姿端麗」や「頭脳明晰」と自画自賛して、自分を誇示する人は多くないと思う。(一部を除いて)

 

 だから良くも悪くも「平凡」と答えるのが妥当。


 目を見張るような美人でもなければ、目を背けられるほどの不細工でもないつもり。そう答えるのが一番多いと思う。


 私も…テレビでスポットライトを浴び、中央に映るような人間ではなくて、特別目立つような色で染めずに……卒業した学校の担任の先生から顔は覚えていても名前は忘れられる。


 学校の成績もそこそこ真ん中をキープ、悪く言えば平凡。


 放課後に制服を着たまま市街に行ってカラオケや買い物をする程度の規則違反は破り、でもテスト期間には参考書を片手にきちんと家に直行して勉強もした。


 多少騒がしくクラスで喋っても問題を起こさない。どこにでもいる女――のはずだった。


 「んで…?どーゆーこと?」

 「いや、その~ですね。わわっ!お願いですから暴力に訴えないでください」


 私が地獄の底から響きそうな声で問い詰めると目の前にいるエンジェルボーイが肩をすくめた。


 私の目の前には物語で登場するファンタスティックな服装を身にまとい、年齢が小学に通うほど(しかも下級生)少年が正座をしている。勘違いしてもらっては困るが強要はしていない。


 それでも少年が私に萎縮するのは負い目があるから。


 彼をエンジェルボーイと呼ぶのは彼の印象がまるで天使かと思ったほどの容姿であったため、ふんわりとした金髪にクルクルとした愛玩動物並みのつぶらな瞳。キスをしたくなるような薄紅い頬に私の黄金の左が炸☆裂。


 見事に少年はひっくり返った。別の意味で赤くなった頬を押さえ痛みに悶えている。


 私は自分の腕を見て腕力も格段にあがったと妙に感心した、エンジェルボーイを殴ったことに微塵も良心は痛まない。


 天使だろうが悪魔だろうが私に起こった異変の原因なら神でもぶん殴ってやる。


 傍から見たら異常な光景だ。なんせ仁王立ちした全裸の男が天使のような少年を殴り倒したのだから。


 常識のある者は即刻警察を呼べ。いや呼ぶべきだ、だが呼ばれたら私が困るので呼ぶな(どっちなんだよ)。

 

 それは置いといて……私の自己紹介が遅れました。私は新井 楓 (あらい かえで)今年で19歳になる現役女子大生――今は全裸の男です。


 私は自分の体なのに見慣れない男性の全裸を、取り敢えずベッドのシーツを腰に巻きつけてベッドに座った。


 エンジェルボーイは私の正面に正座をし、私に「虐めないで」オーラを視線に込めて送るが私は見事にスルー。


 しかも私が黙るとエンジェルボーイも黙るので話しの展開がなく、イライラと貧乏ゆすりをしてしまう。嗚呼… タバコが吸いたい、喫煙者ではないけれどイライラをごまかしたい。


 ふっ…これが大人になるということかもしれない。


 「あの~楓さん…よろしいですか?」


 自分の世界にトリップしていた私に天使のような少年が上目遣いで尋ねてくる。 


 思わず眉間に皺をよせて「あ゛ぁ?」と返事したらまた震え上がった。


 いくらイラついて少年に八つ当たりをした所で少年からの話はスムーズに聞き出せない。ここは一度冷静になったほうがいい。


 一つ私は重いため息をついてエンジェルボーイへの敵意を腹の奥へ収めると、真面目な表情で少年と向かい合う。


 少年も私が多少落ち着いているのを感じとって幼い目をまっすぐ私に向けてきた。


 「さっぱり訳がわかんない、昼寝して起きたら裸になっているのだけでも驚きなのに…男ってなんなんなのよ~」


 少し下を俯くだけでまったく膨らみが失われた胸が目に入る。寝る前には確実にあった女にしかない膨らみが男の胸板に取って代かわる。

 


***


 窓を開けていれば暑すぎず寒すぎない丁度いい風が流れてきた。


 「ふい~昼寝日和ではありませんか…では!お休み」


 今日はプランを練り練り抜き、大学の単位抜かりなく取れるように調節に調節して得た週三の休みの一つ。


 世間では平日なため近所も静か、子供たちは今頃学校へ行っている時間帯。静かな昼下がりを前に昼寝する贅沢は君にもわかるだろう。


 と、いうわけでお休みなさい。


 楓はごろっとベッドに横になる、何かと構いたがる母親も仕事(趣味のレースや手編み物を教える教室の先生)にでかけているし、喧しい弟は中学の学校へ登校で不在、現在楓の昼寝を邪魔する不届き者は家にはいなかった。


 すやすやと寝息をたてて眠りの海へダイブ~眠りに世界へ1名さまご案~内。


 どれだけの時間が過ぎただろう。完全に意識を手放した私を誰かが私の体を揺らすのだ。


 (なんだよ。まだ眠たいんだよ~起こすなって弟の啓一か?)


 うっすら私は目を開ける、まだ周りは明るくて啓一が帰ってくる時間ではない。あいつはサッカー部なんで帰るのはいつも夕食の時間前なのだから。


 では、母さんか?でも母さんも啓一よりも早く帰ってくるといっても夕方になるはず、第一に母さんなら二階ある私の部屋に向かって名前を呼ぶのがセオリーだ。階段あがってくるのが面倒なんだと。


 では誰だ?私はベッドに預けていた体を起こしてぞんざいな態度で起こしてくれやがったであろう人物を見る。


 普通は女性一人でいる家に心当たりのない人間に起こされると驚いて飛び上がるのが一般常識だろうが、寝起きの楓にそれを求めてはいけなかった。


 どうしても起きなければいけない朝ならともかく、誰にも責められるいわれの無い状況で楓は起こされると、恐怖よりも殺意が顔を持ち上げてくる困ったお嬢さんだった。


 私のベッドの傍らに立っていたのは一人の少年。服装は上等そうだけど普段着には必要のないマントをつけて私の顔を見つめていた。


 どこかのコスプレ会場から逃げてきたのだろうか?寝起きの楓には光に反射する金髪が眩しい気がして、目を細めた。


 「だれッ……!!」


 楓は眠気を一気に吹き飛ばした、見知らぬ少年がいたからではない。自分の発した声が男性の低い声に変わっていたのに驚いてだ。


 楓は飛び起きて自分の体を見ると、女性特有の丸みのあるからだはすっかりなりを潜めて完成された男性の…体。


 シーツの感触からすぐに自分は全裸だと知り、立ち上がった。少年は申し訳なさそうな笑みで。


 「すみません、貴女を男性にしてしまいました」


 少年を驚いた顔のまま少年を見つめると少年は小さく頷く。もちろん私の顔はみるみる険しくなって。


***


 「んで…?どーゆーこと?」

 「いや、その~ですね。わわっ!お願いですから暴力に訴えないでください」


 冒頭にあった通り、私の黄金の左を炸裂させるのだった。これが私の起こった一連の騒動の流れ。


 どう?世間では皆がかわいいと絶賛されるであろう少年を殴ったのは海より深い訳があったんだよ。現在でも怒りは収まっていないけどね!


 「ごめんなさい。説明させていただきます」


 すべての原因を知っているだろう少年が小動物のごとく縮まりながらおずおずと口を開く。


 「まずは、僕のことから申し上げます。僕は第51578代目の賢者を務めているファーロウと申します」


 私はすっごい白々しい視線をファーロウに送る、これならまだコスプレ会場から逃げ出してきたと言った方が断然説得力はあるってもんだ。


 関わりたくない…。


 楓は内心突如現れた少年のファーロウの自己紹介に突っ込みをいれた。


 賢者?真剣な顔をされても困る…でも自分の性別が変異している怪奇現象がまさに自分がなっている状況では、黙って彼の話を聞く以外に救いの道がない。


 「そして楓さんがいるこの地球から異世界といわれる世界からやってきました。本当は次元を渡るのは禁忌なのですが、どうしても破らなければなりませんでした」


 トリップ系ファンタジーの王道中の王道ストーリーだな。そんな真顔で言われても…私は呆れるやら感心するやら。


 男に性転換していなかったら飴玉の一つでもあげて家から追い出していたところ。そんな私に気づかず段々ファーロウは熱くなりながらも話を続け。


 「僕の世界で恐怖の象徴である原罪の霧、第21578代の賢者が命と引き換えに、封印された霧が時を経て復活してしまいました」


 異世界も中々事情が大変なようだ。いまいち災いなんていわれても弟がするRPGゲームの中だけしか私は知らない、だからピンとこない。


 「ですから僕は第39845代の賢者が予言した女神である「神剣」を手にすることのできる者を僕の世界へ召喚する為にやってきたのです!!」


 先ほどまで私に殴られて涙目になっていた、エンジェルボーイのなりを潜めて手には拳まで握り熱く、あっつく語りだす。それと対照的に今度は楓が青くなり嫌~な汗が流れ始めた。


 「…まさか…その女神って…私?」


 自分に指を指して恐る恐る聞いてみる。


 「違います」


 きっぱりと否定するエンジェルボーイ。私はピシャリと身体が硬直した。


 「もう女神はあちらの世界に召喚し終わっていますよ。いや~!流石は第39845代の予言された方、素晴らしいお方でいらっしゃる」


 自分の使命を果たした誇りを乗せた満面の笑みは、テレビを持ち上げて自分の頭をカチ割ろうとしている楓の姿によってひきつった笑み変わった。


 「オッ落ち着いてください、楓さん!下手すると死んでしまします。ご勘弁を、お慈悲を!!」

 「何が賢者じゃ!女神じゃぁ!!なんでミクロほども関係のない私の身体が男になっているんだぁ!!いい加減にせんとそのエンジェルフェイスぶっ潰すぞッッ!!」


 ここで楓を止めないと、今後の人生は断たれるためにファーロウは必死に楓に訴える。 

 

 「最後まで聞いてください!もっ、もちろんあります。訳があるのです!」


 私はファーロウの言葉に怒りが収まらないが、黒いオーラを放ちつつテレビ元の場所に戻す。殺す(ヤル)のはその訳を聞いてからでも遅くは無い。


 ファーロウもビクビク怯えながら「お願いですから暴力に訴えないでください」と懇願してくるが同意してやる良心はない。諦めるがいい。


 「楓さんが女性から男性に性転換したのは…僕の召喚術に原因があります」

 「関係の無い私が何で被害にあっているのよ?」


 これまで女として暮らしてきたので無意識に女口調で喋ってしまう。それが男の身体でも、だ。聞きなれない人間の、男声で発せられるとオカマになったようで耳に心地よくない。いや、私の心に心地よくない。


 些細なことで顔をしかめる、そんな様子を見ていたファーロウが申し訳なさそうな顔をして話し始める。


 「はい。詳しくは長いので省略しますが、次元と次元とはとても密接で植物の根のように多種多様に世界に絡みついているのです。女神を僕の世界に召喚したことによって世界に根付く根に「歪み」が生じ、結果として楓さんの性別が男性になってしまいました」


 異世界やら女神とかに関係がないのに、ただ此処にいたってだけで性転換って意味がわからない。


 「はあ!どういうこと?もっと分かりやすく説明して」


 事情が飲み込めない楓は、頭をガシガシかく。


 「楓さんは女性として生まれて、死ぬ運命にあるのですが、本来この世界には「ありえない」召喚術を行ったので次元に波が発生し、その波の行き着く先――それが女性ではなく男性として楓さんが生まれる地球に書き換えられたのです」


 数秒考えた楓は、一応は頷く。


 「よくわからないけど…つまりあんたの世界を救うために女神を召喚した術の副産物で、私が男に性転換したってことだよね?」


 ファーロウが楓の言葉に頷いた。


 「その通りです、楓さんにはすみませんが…。ですから楓さん…気が済むまで僕を殴ってくれても構いません。世界を救うためとは言えど楓さんの人生を無茶苦茶にした事実は変わりませんから。……殺さない程度にしてくれると助かりますが」


 ギュッとファーロウは両目を瞑る、ファーロウの姿は飼い主に叱られて叩かれる瞬間の子犬を連想させた。


 数秒ファーロウを見つめた私は、肺の中にある空気を全部追い出すつもりでため息をだし。


 「もう…いい、あんたを殴っても元に戻れないみたいだし。あんたが私に悪意を持ってしたわけでもないようだしね、仕方なかったんでしょ?」


 腑には落ちないけどファーロウの行動は彼にしたら最良の行動だったのだろう、それに黙って私に関わらなければ批難も受けなかったのに逃げず隠れず私の前に現れて償おうとしている姿勢は立派だ。子供の癖に。


 「言い訳にしかなりませんが、これしか僕の世界を救う方法がありませんでした」

 「ならもういい。理由は分かった―…。聞くけど、その女神とやらが全て終わらせて地球に帰ってきたら私も元に戻れる?」


 期待はしていないが、もしも……。


 「残念ながら、一度起こった「歪み」の現象は修復できません」

 「戻れないのか、ならジタバタしてもしょうがないのね。私がするべきことは「これから」の生活よ」


 意外に逞しい元女性、楓、男性に変貌しても彼女のガッツ精神は変わってはいなかったようだ。


 「でもこれからの生活は本当、どうしよう。大学だって女子大なのに、大学受験に貴重な青春の一年間を費やしたんだぞ!」


 おい、異世界の住民よ。私という尊い犠牲によって女神が召喚できたんだぞ!!ひれ伏すがいいッ……ああ空しい。


 「これからのことは楓さんの自由ですが、これまでの楓さんの経歴はすでに修正済みなのでご安心を。あっ、言い忘れていましたが楓さんの書き換えられた体は肉体年齢17歳になっています」

 「へ…?」


 私はマジマジと自称賢者のファーロウさんを見つめる、ファーロウは得意げに立ち上がって言う。


 「ですから、19歳であった楓さんは消滅して、17歳の楓さんになってしまいました。楓さんの交友

関係に矛盾が生じるので楓さんに関わった人の記憶は血縁者を除いて適当に消去させてもらいました」

 「はい?」 


 性転換も予想外だったが、ファーロウの年齢までさかのぼるって言うのも全く想像もしてない、寝耳に水だ。 


 「もちろん楓さんの学歴も修正がはいっていますよ。だって17歳なのに飛び級で大学っていうのはまだ日本では珍しいんですから」


 あんた適当って…人の人生を適当にすませんなよ。私はガックリと肩を落とした。


 「思い出もそうなる…?私じゃなくて、私に関するお友達は完全に私を忘れているの?」

 「はい、完璧に修正されているのでお会いになっても見知らぬ男性としか認識されないでしょうね」


 私は無言でファーロウの頬に幻の右を叩き☆込んだ。綺麗に左頬に吸い込まれる。


 「ボケェが!!性転換されただけではなく私の過去まで弄びやがって!ベランダから逆さに吊って落とすぞゴラ!!」


 美しく繰り出された拳でファーロウはひっくり返り、殴られた頬の痛みに悶絶の表情で床に沈むのを怒りたぎらせた目で睨む。


 学校で仲がよかった友達に出会ってもあちらは私を知らない。彼女達が通った年に私がいないのだから、カラオケに行って馬鹿な会話で盛り上がったり、部活で励ましあったりした大切な友達。


 それに大学にだって新しくできた友達はいた、なのにそれも全て他人。


 ああ、そうさ宇宙規模からしたら私が男へ性転換したことなど些細過ぎてしまっても、私の世界では崩壊したに等しい。


 そりゃあ、ファーロウの言うとおり女神を召喚することは、沢山の人々を救い私など微々たるものであって、最優先はそっちだろうとも私に関わる人々の世界から隔離されたようでとても悲しい。


 そこんとこファーロウはわかっているのかな?分かってなさそう。


 激情に任せて放った幻の右によって沈むファーロウをほって立ち上がった。


 「気分が悪いからシャワー浴びてくる。覗くなよ」


 そう言うと楓は乱暴に自室のドアを閉めた。畜生、身長が変わって目の位置が違うから歩きづらい。

 部屋から「覗きませんよ」という弱弱しい声が聞こえたが無視をして階段を下りる。


 ドスドスと音を立てて二階の自室から階段をおり、浴室へ向かう。浴室のドアを開けて、一連の動作でドアを閉めてから服を脱ごうと……服はきていなかった。


 そうだったシーツを腰に巻きつけているだけの半裸だったんだ、誰かが家に訪ねてこなくてよかった。間違いなくご近所から裸族の称号をもらうぞ。よかった、怪奇!真っ昼間から裸王。と噂が流れないで。


 これも、あれも、それもぜーんぶファーロウの責だ。心で毒つきながら私は腰に巻いてあるシーツに手をかけた。


 若干のためらいはある、だってでも一生直視せずには暮らせないだろう。…よし!行くぞ!シーツを外す。


 すると目に入るアレ。アレといえばアレしかないだろ!男に合って女にはないモン。クイズじゃないぞ?あーはいはい、はっきり言って股についている男性性器の事です。おお?私の息子なかなかご立派なモンじゃないですか。下品?知ったことか。


 へへっ大人の男の裸を見るのが初体験ではなく、性転換した自分とは涙もでない。


 現実逃避はこれぐらいしよう、あえて背をむけていた洗面台に両手をついて一つため息、自分の新しい顔とご対面するのだ。少しばかり緊張する。洗面台の上についてある鏡に思い切って顔を上げて覗こう。


 ドラ◎もんに出てくるヒロイン役の静ちゃんではないのだから、昼間からお風呂に入る習慣はない。


 変わってしまった自分の体隅々まで知りたいのだ。だってこれは他人の身体にはいりこんでしまったのも当然で、どこにホクロがあるのかさえ自分の体なのに知らない。


 覚悟を決めて…いーち、にーん、さん!

 

 で顔を上げた。


 「…………ええぇぇ~~~~~~~~~~~~!!」


 洗面台から飛びのいて壁に背中をくっつけて遠のいた。壁にあたった衝撃で背中が痛かったが目の前の衝撃に比べたら大してことはない。


 鏡の中にいる私は美形でした。もう、おっそろしいぐらい。


 さらさらの癖なしのアジアンビューティのCMに出演でそうになるぐらいに、艶のあるセミロングの黒髪。鼻はスッと通って美しい曲線の顎、何より瞳が綺麗。


 二重まぶたでやや鋭めの涼しげな眼差しが似合うのに、嫌味は感じないのだ。


 大人と子供の間にある危うい色香を漂わせる美人。いや男だからやっぱり美形になるのかな。


 今は全裸でいるから男としての意識が強いのでそう思うだけかもしれない、服を着たら中性的な顔だから服の種類によっては女性と勘違いされるかも。


 身体の構造も女の頃から随分変わった、第一に身体がしなやかに引き締まり乳房が完全に姿を消え去り、細身であるが均等がとれて計算されたような長身。身長が毎月変わる弟の背の位置に傷をつけている柱から自分の身長を測ると178センチあった。


 何度も自分の体や顔を鏡で覗き確かめる、隙も死角もないぐらい美しい男が鏡に映いる。どんなに人気があるタレントでも身体や顔の構造に欠点があるけどこの顔には…文句がつけようがない。


 ここまで整い過ぎていると、まるで丹精こめて作られたビクスドール…いや、生てる人形のようだ。


 街中を歩けば黄色い声とラブレターを山ほどもらえる、沢山の人から人生の輝くスポットライトを独占してしまう男に私はなっていた。


 これからこの顔この身体で生活していくのだと思うとかっこ悪く口を開き、しばらく新しい自分を食い入る様に見つめ…というか硬直。


 ウハウハのモテモテ生活、この顔とスタイルが有ればモデルや俳優なんて軽いじゃん?なんて思いつかなくて、これからどうやってこの顔で吉○家の牛丼を食べればいいのだろう。なんて平和な心配をしていた。

これからBL要素があるので受け入れられるかどうか、少し心配です。18禁なシーンはありませんのでギャグの一部としていただけたら幸いです。

ご感想などおまちしております。


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