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34-2.戦端開く



「それは……穏やかじゃないな」

 ファムファテルの言葉を聞いて、サイファーがつぶやいた。

「どういうことなんだい?」

「……」

 ファムファテルはそれ以上話そうとしなかった。

「敵の真ん中にまで追いかけて始末しようとする……、それなりに大物でないとそこまではしないだろう」

「ああー……、確かにそうかもね」



 マリアは因縁の相手と対峙していた。庁舎の廊下で思わぬ相手と対面した。

「まさか、あなたとここで会えるとは思わなかったわ」

 浅黒い肌に銀髪の大男。角は何らかの方法で隠しているが間違いない。盗賊を使って奴隷を買おうとしていた魔族の男だ。

「後ろの男の子は誰?」

「……」


 魔族の男の後ろには、一人の少年が控えていた。年のころはマリアより少し下で、黒髪で整った容姿をしている。服装はフォーマルなもので、平民の者とは思えなかった。

「……」

 少年は怯えるそぶりも見せず、落ち着いた表情でマリアを観察していた。


「まあ待て。あの時とは状況が違う」

 魔族の男がマリアにそう言った。

「戦う気はない、と?」

「うむ」

 そう聞くとマリアは少しほっとする。剣は預けてある。魔法だけで……いや、剣をこの場に持っていたとしても、この男と対等に渡り合える自信は無かった。


「それじゃなあに? もしかして魔族がこの町に攻め寄せて来てることに関係あるの?」

 マリアは眉をひそめて尋ねる。

「……少々長い話になるが」

「いいわ、聞いてあげる。さすがに戦場には立たせてもらえないだろうし、今なら暇なの」

「マリア!」

 魔族の男と対峙しているマリアを発見したサリーが駆け寄ってきた。

「……大丈夫」

 戦闘になる様子ではないことを示すように、マリアがサリーを控えるようにと手で制する。

「あなたたちに当てがわれた部屋はあって?」

「案内しよう」



 エイムとジェット、ミーナの三人は北門でそれぞれの配置に付いた。

 北門は二重の門を城壁で囲む厳重な造りになっている。

 外側の空堀に掛かっている跳ね橋を渡った先は半円状の広場になっていて、弧の部分の先端に向かうと弧を囲むようにそびえる城壁の上から攻撃を仕掛けられるようになっている。

 最初の門を突破した先も同じく半円状の広場の先に門があり、しかも今度は後ろからも狙われる造りになっている。

 この城門の設計は、エイムのよく知る人物の設計らしい。ジェットは北門へ向かう道すがらその事をエイムから聞いていたが、その堅固な造りを目の当たりにして感嘆した。


「この城門の設計思想は、銃が(いくさ)の主役になる事を見越してのものだったのですか? 大魔導士さま」

 ファムファテルが指揮する城門の真上の城壁に配置されていたミーナがファムファテルに尋ねる。

「当たってはいるが、その限りではないな」

「と、言いますと?」

「遠くから攻撃する手段は銃に限らない。銃があっても無くても魔法での攻撃は有効じゃし、弓矢もまた然り」

「……その通りです」

「要は、遠距離攻撃(アウトレンジ)の優位性を如何に生かし切れるかが、(いくさ)の生命線じゃな」


 目測でおおよそ200弱といった数の魔族軍が、跳ね橋の向こう側で整列しつつあった。

 

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