表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/57

29-1.サイファー



 ”夕凪”でのマリアとセッカの会談が真相に迫っていた頃、”オアシス”の酒場では宴に興じているガーネットに声をかけてる男がいた。長身のその男は、セッカと同じように全身に黒い衣装を纏っている。

「ガーネット、セッカはどうした?」

「今、姫さまに会いに行ってるよ」

「そうか」


「ガーネットさん、その人は?」

 ストロベリーがガーネットに尋ねる。

「ああ、あたしらの連れだよ。エルフのサイファーだ」


「エルフって?」

 今度はバーバラが尋ねる。

「あたしらとは別の亜人種だよ」


 サイファーと紹介された男は、黒いマントのフードを取った。切れ長の目に少し長めの黒髪は人間と変わらない。特徴的なのは長い耳だった。それがエルフという種族の外見的特徴なのだろう。

(こいつは……かなりの使い手だね)

 バーバラはそう直感した。


「サイファー、この二人は姫さまの従者なんだってさ。シスターがストロベリーで、もう一人がバーバラだ」

 ガーネットに二人を紹介されたサイファーは、軽く頭を下げた。

「あんたも一緒にどうだい?」

 ガーネットはサイファーにも酒を勧める。

「いや……」

 と、サイファーは一瞬言いよどんだが、

「そうだな。酒は飲まんが、食事はここで摂らせてもらおう」

 そう言うと、サイファーは空いている椅子に座った。


 席に着いたサイファーは黙々と食事を始めた。そんなサイファーをバーバラは興味深げに見つめている。

「残念だけどバーバラ、サイファーは妻子持ちだからね」

 バーバラの視線の先に気が付いたガーネットがたしなめる。

「えっ」

 ガーネットの”忠告”をバーバラは笑い飛ばす。

「あははっ! 違う違う! アタイが気になったのはこの男がどの程度”やる”のかってこと」

 バーバラは初見でサイファーがかなりの実力者であることは見抜いてはいるが、その中身については測りかねている。剣を使うのか、魔法を操るのか、ということろさえ見抜けない。

 当のサイファーと言えば、バーバラの視線を気にするまでもなく淡々と食事を続けていた。


「ああ、こいつは強いよ」

 ガーネットは素直にサイファーの実力を讃えた。

「ガーネットさんとはどっちが強いんですかー?」

 ストロベリーが地雷になりかねない質問をした。一瞬場の空気が凍る。

「ストロベリー!」

「いいっていいって」

 ガーネットは苦笑いして場を和ませる。


「そりゃ、単純な力比べならあたしが勝つさ。けどサイファーの懐に入れる気はしないな」

「冗談じゃない。お前と事と構えるようなことがあったら俺は逃げるぞ」

 サイファーは食事をひと段落させて会話に参加した。


「サイファーに”逃げの一手”をさせたら誰も後は追えない。なんせ姿を消せるからね」



ブックマーク登録や感想、評価を頂けるとうれしいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 久々の更新お疲れ様です!サイファーは手強いみたいですが、果たしてどうなるのか楽しみにしています!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ