二
巨大な巣は、全てを黒い光で包み込む。
少年は、一人で立ちはだかる。
恨みを晴らすために。
少年は思う。
『親父、見ていてくれ。必ず、親父の夢を叶えて見せるよ。』
少年は虎のように目を光らす。
周辺の街は、神々しい人工の光で照らされ、色々な種類の生物が寄生している。
時々異生物は、何か寂しそうな表情を浮かべる。
今や対立国となったこの星で、幸せを求めここまで来た異生物が来た瞬間には、激しい差別を受けられる世の中になるとは思ったか。
悲しみに燃える者は、時々ふと、天に顔を向ける。そして架空の星を握る。
自分の故郷を恋しく思う。しかし、そこに戻る事は二度と出来ないのだ。
───あらゆる大衆をかき分け、一際街に外れた巣に近付く。
それは思ったよりも雄大で、この星の象徴と言える存在である。
巨大な城門には、門番が二人対になって立っているだけで、他には誰もいない。
門番の武装は、ゴム質の服を着る。
かと言って、文明人であるため、軽薄な装備ではない。
その鎧は、全てが防弾チョッキの様な役割をする。
そして、肩には黒く、光沢のある長い筒を提げられている。
相手はたった二人────。
─────いける。
少年は確信した。
走る。
とても速く────。
青年は闇に同化する。
───ただ復讐の為に。
────全ては復讐の為に。
門番は闇の存在に気が付かない。
少年は、ジャンパーの懐からナイフを取り出した。
その刃で、一点を狙う────。
ナイフの柄を自分の腹に近付け、勢いよく手を伸ばした。
その瞬間、番人の喉元には一つの線が刻まれる。
刺された番人は、惚けた顔をすると、しばらくパクパクと相方に何かを訴えるように口を動かし、倒れた。
そうしている間、闇はもう一体の喉に刃を向ける。
もう一体の兵はそれに気付いたのか、素早く長い筒を標準に合わせる。
─────遅かった。
闇はもう一つのナイフを取り出し、投げる。
その刃は見事、相手の人差し指に刺さるその一閃を少年は見逃さなかった───。
相手の銃を得意の体術でぶん取り、先にある刃て勢いよく兵の頭を叩いた。
柘榴の実が綺麗に割れる。
番人の顔は美形の持ち主だったが、その顔は一瞬にして崩れた。
ちなみに、兵達は弱いのではない。
牛鬼を相手に人間が普段着で奇襲するという事が有り得るか。
───油断である。
番人は血眼になり割られた脳味噌を零さないようにしていたが、すぐに倒れている者と一緒になった。
『ふぅ…』
一呼吸置くと、城壁をよじ登った────。
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夜に二つの光が囁いた。