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揺れるポニーテール⑦

 放課後、六時限目の体育のときに僕は記録係をしていたのだが、そのノートをグランドに置き忘れてきたのを思い出して取りに行った。


グラウンドでは既に野球部などが練習を始めていて、部外者である僕は外周を大回りして置き忘れたと推定される場所まで移動する。


 体育の時に座っていた付近を見渡すがノートらしきものは何もなくて、もしかしたら野球部の人が片付けたのかなと思い、その野球部で唯一同じ中学出身の野村に目が留まった。


 彼は丁度マウンドで投球練習を始めたところで、それが一段落するまで見ていた。


「バシッ!」


 とキャッチャーミットから良い音が響く。


”やっぱり野村の球は速いな”


 僕が見ているのに気が着いた野村は、マウンドからニコッと恐ろしく白い歯を見せて笑うと、一年生に何か指図した。


「そこじゃなくて、もうチョイ右のほう!シルバーの鞄にある茶色の……あった?」


 指示に従って何か探していた一年生部員が「ありました」と見つけた事を伝えると


「じゃあ、それをそこの眼鏡の小さい人に渡して!」


 眼鏡は許すとして、小さい人は余計なことだと少し腹が立った。


 一年生は持っているノートを僕に渡す。


「ありがとう」


 僕はノートを渡してくれた一年生、それと一応野村に礼を言った。


「取ったら早く出て行けよ。練習の邪魔になる」


 野村の言葉に僕は更にムカついて振り向くと、グラウンドの端のほうに何人かの女子が、その野村を見ているの。


”野村の親衛隊だ”


 万年一回戦負けのチームなのに野村だけ何故か人気がある。


 僕はノートを持ってグラウンドを後にした。

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