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揺れるポニーテール④

”森村直美!”


 彼女は頬杖をついている僕の前の席にドカリと座ると、僕の机に肘を組んで上半身を覆いかぶせるように前のめりの姿勢を取る。


 ヌッと近づけてきた顔は、僕の顔の位置より低くて上目遣いで探るような目で見ている。


 顔と顔の距離は約十五センチ程度と異常に近い。


 驚いた僕は慌てて頬付けを着くのを止めて、今度は逆に上体を反らして腕組みをした。


「な、何だよ。一体」


 森村直美は僕が上体を反らせるのと入れ替わりに、肘を着いていた腕を上げ、僕がそれまでしていたように頬杖をつく。


 そして今度は手に乗せた顎を突き出し、さっきとは逆に下目使いで僕を見て言った。


「あんた今、もしも相手に平手打ちをしたのが自分だったらって考えていたでしょう」


 いつもながら、こいつは何故僕の心が読めるんだ?と驚かされる。


 もしかすると、こう見えても”ニュータイプ”なのかも知れない。


 そう思っていたが、それにしても”今”と言う言葉を話しの冒頭に持ってきたのは、彼女にしては迂闊だったなと思った。


 だって”今”僕が考えていた事は”もしも森村直美が打ったら”と言うことだったので、それを考えると何故自分の事に関しては読めないのだろうと言う疑問も感じて愉快な気分になる。


 そして、少し余裕を持って彼女の話を聞いていた。


「よしなよ、もしあんたが平手打ちをしていたら屹度、事件になっちゃうんだから」


 確かに、この考えは僕と全く同じだった。


「人には、それぞれ役割があるからね。それにしても穂香は凄いね」


 と、これも僕と同じ意見だった。

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