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罠㉑

 コートに倒れる山岡沙希を見て、我が校の応援席からは悲鳴にも似た溜息が漏れる。


 次にホイッスルが鳴り審判から相手側の反則が告げられると、その溜め息は怒涛のような歓声へと変わる。


 フリースローの円内に立つ山岡沙希。


 その手からゴールに向け、ボールが放たれる。


 一本


 二本


 三本


 山岡沙希は落ち着いて三本のフリースロー全部を決めた。


 これで得点差は二ポイントのリードだ。


 立場は逆転したが今度は相手が三ポイントシュートを狙ってくる番。


 時計を見ると、残り時間は八秒。


 相手のM学園は、今までと打って変わって速攻で攻めあがってきた。


 我が高のメンバーも慌てて下がるが、ここでも山岡沙希だけが相手の一番後ろの選手の少し前でロングシュートを警戒していた。


 前線からのバックパスが後方に居たあの7番の選手に通ると直ぐにシュート体制に入ってきた。


 残り時間一秒!


 これを決められれば逆転負けだ。


 7番の手からボールが離れる。


 絶体絶命!


 その瞬間、横から走ってきた山岡沙希が物凄いジャンプでボールに手を伸ばす。


 届くのか!?


 ボールの描く軌道と山岡沙希の手の軌道が重なり、ボールに触れた手が思いっきりバレーボールのスパイクを打つようにボールを叩く。


 叩き落されたボールがコートを跳ねる。


 キュッと、バスケットボールシューズの鳴る音がして山岡沙希が着地する。


 そして次の瞬間、試合終了のホイッスルが鳴った。


 一斉に飛び上がる我が校の生徒たち。


 コートの中も外にいる控えの生徒や先生、そして観客席の僕たちも一緒。


 全てのS校生が歓喜に沸いた。


 ”勝った”

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