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罠⑮

 僕の話を聞いて、進藤と本田はカンカンに怒ったが、意外にも山岡沙希は軽く笑っていた。


 そして


「な~る程。やっと、10番の子の動きが硬かった理由が分かったわ。でもね、あの子ワザとなんてしてないよ」


「?」


 僕たちには何を言っているのか分からなかった。


 だって、現実にその10番によって足を怪我しているのだから。


 それでも秋月穂香だけは、分かっているらしく


「お(いた)が過ぎたわね」


 と言って山岡沙希を甘く睨んでいて、睨まれた当人は頭を掻きながら笑っていた。


 これは、後になって俊介から聞いた話だが、実は山岡沙希は相手の10番の動きが固い事を利用してファールを誘いポイントの上澄みを狙っていて、フリースローを取るために無理な体勢からでもシュートを放っていたらしい。


 だけど、そのことを何故秋月穂香が気着いたかは、教えて貰えなかった。


「兎に角、次の試合に出るつもりがあるのなら最低でも五分二セットは守ってね。


(五分ニセットと言うのは秋月穂香が山岡沙希に課した治療方針で、五分幹部を冷やし二分休憩して、また五分冷やすと言う捻挫の治療法のひとつ)


 秋月穂香は、そう言って山岡沙希を送り出した。


 暫くして第三クォーター終了のホイッスルが鳴る。


 このセットは今までと違い相手側の追い上げが厳しく、これまで山岡沙希を中心に稼ぎだしていた十点近いリードを吐き出して僅かな差にまで詰め寄られ、試合の流れは圧倒的に相手側に傾いていた。

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