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罠⑬

 もしも本田や俊介に打ち明けたら……これも恐らく今の僕と同じで、ただハラハラしながら事の成り行きを眺めるだけの事になるだろう。


 秋月穂香や鈴木麻衣子ならどうだろう?


 周りを見渡したが二人とも観客席には居ない。


 探して相談しようかと思ったが屹度みんな同じだと思って諦めた。


 頭の中で、お節介で生意気な森村直美だけが、なんとかしてくれそうな気がする。


 しかしどうしてアイツは要らない時にはいつでも首を突っ込んでくるくせに、こんな時に限って居ないことに少し腹が立った。


 何も出来ないまま、第三クォーターが始まる。


 少し長い休憩明けのせいか、それとも行為の示すところを知ってしまったからなのか、山岡沙希をマークする10番の動きが以前より厳しいモノになっていたように感じられる。


 さすがに相手チームも、ここが踏ん張りどころと集中していて、さっきまで有利と感じていた流れは一身一体の攻防で白熱していた。


 そして僕の心配していた事が現実のものとなってしまう。


 一回目のファールは一ポイントリードした時の相手側の攻撃で、山岡沙希が相手のパスを奪い素早くターンした時に10番と接触。


 二回目は攻撃中ドリブルで抜けてシュートしようとしたときに腕を払われ、三回目はスリーポイントシュートを狙うため一旦イン側から外に出てシュートを放った時に足を引っ掛けられた。


 そして四回目は山岡沙希がゴール前の競り合いから一旦見方にボールを返し、10番の裏に回ったところで再びボールを受け取り、そのままの勢いでゴールを狙った時10番の選手が邪魔をしてお互いがバランスを崩した。


 既にジャンプの体制に入っていた山岡沙希が横向きに倒れるのと同じように、バランスを崩した相手10番の選手が、その山岡沙希の足の上に倒れてきた。

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