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罠⑫

 本田にルールを聞く。


 第三クォーターを取ったら勝ちが決まるのかと。


 バスケットは、テニスやバレーと違ってセットを取るという概念が無いらしく、必ず第四クォーターまで行われて、勝敗はその合計のポイント差で決まるのだと説明された。


 ついでにファイブって何の事か聞くと、本田は意味が分からないけど五人でプレーするからファイブ?

と分からない様子で返してきた。


「じゃあファイブするって言うとどうなる?」


 と尋ねると、本田は変な顔をして聞いた事もないと応えたが、隣で聞いていた俊介が


「反則の事じゃないのか?ほら、五回ファールすると退場だったよな」


「ああ、それかもな」


 俊介と本田が話をしていた。


”それだ!”


 僕にも漸く分かった。


 あの7番が言っていた意味が。


 つまり彼女は10番の選手に、自分たちのチームが不利になった時は、退場のリスクを覚悟の上でも山岡沙希を潰せ!と指示していたのだ。


”しかし、分かったところでどうする?”


 観客席からベンチに居る山岡沙希に叫んで、まだ実行もされていない反則の事を教えるのか?


 仮に実行されたとしても僕がその会話の一部を聞いただけで、故意に行われたファールかそうでないかなんて結局本人が自白しない限り何の証拠も無い。


 僕が聞いたのは会話の一部だけだし、録音したわけでもない。

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