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罠⑪

 第二クォターでは、山岡沙希は相手の10番のマークにもスッカリ慣れて、持ち前のスピードで振り切る事が多くなる。


 特に後半は疲れの見え始めた10番をあざ笑うかのようにフェイントを多用してポイントを稼ぎ出し、相手を圧倒したままハーフタイムになった。


 第二クォーターでの山岡沙希を中心とした攻撃に本田は興奮して「勝った!」と早々に勝利宣言をしていたし俊介も「流れを完全に掴んだ」と言っていて周りに応援に来ている生徒たちにも笑みが見られた。


 ルールを全然知らない僕でも我がS高が有利なのは分かった。


 本田が山岡沙希の、あんな格好好い所を見せ付けられると進藤には悪いけど惚れてしまうよなと高揚した顔で言ってきたので、相変わらず浮気性だなと応えて笑った。


 笑ったままコートに目を移すと、相手チームの7番と10番が椅子に腰掛けずに他のメンバーと少し離れた場所で何か話をしている様子が目に付いた。


 それは話し合っていると言うより、もっと強い感じに見え急に不安になった。


”仕留めろ!”


”お前の役目だ!”


”状況を作らないことだ”


 あの時、トイレで聞いた言葉が蘇る。


『勝った』


『流れを掴んだ』


 今度は、本田と俊介が言った言葉が同時に頭に浮かぶ。


 屹度、7番の言っていた言葉は、試合内容と深くかかわるのに違いない。

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