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罠⑩

 会場に戻ると、そろそろ出番らしくバスケ部のメンバーが全員集まっていて、それを取り囲むように進藤をはじめ応援しに来た生徒たちが周りを取り囲み、拍手と共にメンバーをコートに送り出した。


 観客席に上がってコートを見ると、相手チームの列の中にトイレで見た大柄な10番の選手と7番も背番号も居た。


 僕の頭の中で、さっき二人が話していた”確実に仕留めろ”と言った7番の声と”ハイ”と応えた10番の声が浮かんできて強烈な不安を感じる。


 僕には二人が何を話していたのかサッパリ分からなかったが、何か伝えておかなければいけなかった事を伝えずに放って居たような罪悪感が不安と共に心を支配して、祈るような気持ちで試合を見ていた。


 こんなときに何故あの森村直美はいない?


 いつも、僕の話に文句をつけてくるのが趣味の彼女なら、僕が内緒にしていることも穿り出してくるに違いないのに。


 試合開始早々から山岡沙希は相手の10番から執拗にマークされていて思うような動きができていない。


 しかし大柄な10番は、マークは厳しいものの常にフェアーにプレーしているように思え、さっきまでの胸騒ぎは単なる僕の思い過ごしだと感じるようになっていた。


 試合は昨日のように一方的な展開にはならずに、お互いの攻撃ごとに点が追加されていく形で、どちらが有利なのか全く分からない。


 隣に座っていた本田に、今どっちが有利なのか聞くと、本田はまだ分からないと答え、相手が第二シードのM学園だから一旦不利になると難しいと聞かされ大きな声で声援を送った。


 そして試合は進み、第一クォーターは一ポイントリードで終了し、続く第二クォーターが始まる。


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