思わぬ応援団⑤
同じように本田も進藤に待つように言われて、二人で顔を見合わせていると、秋月穂香、山岡沙希、鈴木麻衣子の三人がバックから大きな重箱を取り出し
「一緒に食べましょう!」
と鈴木麻衣子が愛嬌一杯の笑顔で言った。
「良かったら皆で食べません?」
続けて、秋月穂香が、おしとやかに言うと、本田が有頂天になって重箱を覗き込み
「これ、穂香さんが作ったの?」
と聞くと、今朝四人で、秋月穂香の家に集まって作ってきたのだと山岡沙希が言う。
”四人!?”
あと一人は誰なんだろうと考えていると鈴木麻衣子が、ここに来た三人と森村直美の四人で昨日から秋月穂香の家に泊まり、今朝その四人で作ったのだと。
そして気になる中身。
一つ目の重箱の中には、小分けにされたグラタン、可愛いサイズのハンバーグ、鶏肉のから揚げにウインナーが入り、洋風。
二つ目の重箱には、ポテトサラダ、ミートボール、春巻きにエビフライが入り、少し中華風。
三つ目の重箱には西京焼き、キンピラ、出汁巻き卵、タクワン、ほうれん草の胡麻和えが入り、とことん和風。
四つ目の重箱には海苔巻きと稲荷寿司が入り、主食風。
それと別に包まれた、もう一つ主食の、おにぎりが広げられた。
「誰が、どれを作ったの?」
本田が興味津々と言った具合で聞くと、山岡沙希が「内緒!」と教えてくれない。
「まあ、腹も空いたことだし食べようぜ」
進藤の言葉に、特に食べたくない訳もないので食べてみることにする。
実際、御馳走を前にしてお腹はペコペコだ。




