思わぬ応援団①
五月、いよいよ全国高校将棋選手権全国大会の出場権を兼ねた県予選の日が来た。
先ずは団体戦。
団体戦の人数は三人。
全国大会出場をかけた男子Aチームは僕と俊介、それに二年生の武田君、女子Aチームは榎田さんのほかは二年生の二階堂さんと一年生の佐倉さん。
男子Aチームを組む際に部員総当りのリーグ戦を組み、優勝は僕で準優勝は俊介だった。
三位には進藤と二年生の武田君が入って、いつもなら三位決定戦をするのだが、進藤が来年のために是非一人は二年生を入れておきたいと言うので、このメンバーになった。
僕が、それでいいのかと聞くと、進藤は三位決定戦をやると一人は最後に負けて終わり、しかもAチーム入りも逃してしまうので縁起が悪いと言い、結局進藤は全国大会の出場資格のないBチームで本田たちと挑むことになった。
大会当日、僕は大分早く会場入ったが、既にそこには大勢の学生が集まっていた。
僕たちは会場集合と言うことにしていたが、この中からバラバラに到着する部員を集めるのは大変だろうと思って隅のほうで皆が来るのを待っていると向こう側から文化部には珍しい背の高い女子生徒が入ってくるのが見えた。
背の高い女子には、あと二人連れがあるみたい。
”森村直美!?”




