部活紹介⑦
1、二銀成、同竜、1、四歩、同玉、2、五角成、1、三玉……結局こっちでは詰むことはなかったので、改めて1、四銀から始めることになり1、四銀、同玉、
”?”
ここで少し考えていた進藤が、榎田さんに次の手がさっきと同じ2、五角成、もしくは3、六角になり、そうすると相手の玉が1、三に下がるので結局詰まないのではないかと言い出した。
榎田さんが
「えー?詰みますよぉ」
と言い
「ねえ」
と、会場に促したので進藤が、分かった人を求めた。
また数人の一年生が手を上げたので、今迄答えていない生徒にマイクを向けた。
「1、五歩だと思います」
言われて僕がその位置に付こうとすると進藤が待ったを掛けてきた。
「これでは、さっきの打ち歩詰めになりますよ!」
再びマイクを向けられた生徒が少し困っていたら、手を上げていない隣の友達らしい生徒が
「1、三玉」
と言ったので進藤が榎田さんに確認を求めた。
榎田さんはニコッと笑って
「正解です。打ち歩と言っても、この場合玉の逃げ道が残されているので打ち歩詰めにはなりません」
と解説したので進藤が再び棋譜図の位置に戻り2、三角成、同玉、3、二角成、1、三玉と解説を交え続けていたが、ここで再度
「詰まない」
と言い出した。
榎田さんが
「何で、ですか?」
と聞くと、次の手は1、四歩になるが、この歩はさっき打った歩だから、これで詰ますわけには行かないと言うのが理由だった。




