表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/122

部活紹介④

 進藤が大袈裟に


「これはさっきより難しいですねぇ~。榎田さん。ちょっと私も考えてみていいですか?」


 と話し始めた。


「先ず3、二飛車成り。次は1、一玉で、それでは必然的に3、三馬、同桂で……よし・分かった!」


 進藤は、また大袈裟にドラマ『トリック』の矢部刑事のように握った手をポンと鳴らし


「ここで持ち駒の1、二歩を打って詰めです!」


 僕は言われるまま、その位置に移動した。


 すると榎田さんが


「部長~失格ですよぉ」 


 言われた進藤は、また大袈裟に


「なんで?」


と返す。


「将棋のルールでは、昔から相手から取った持ち駒の”歩”を打って詰ませるのは禁じ手です」


「えっ!何で?金とか他の駒ではいいのに?」


「そうですね、将棋の駒にはチェスと同じように駒ごとに身分と役割がありますが、チェスや囲碁のような昔からあるボードゲームと違うところは相手から取った駒を生かせるところなんですが、持ち駒と言うのはさっきまで味方だった駒でしょ。その味方の駒の中で一番身分の低い”歩”が寝返って、元々使えていた主人の首を取るというのはゲームとはいえ余りにも失礼ではないか、ということで禁じ手となっています」


 進藤は頭を抱える動作をして


「あ~…そういうことか!さすが日本人の美学が入っている。と言うことですね。じゃあ”歩”役の三木君、戻ってください」


 僕は、本田のシナリオ通り頭を書きながら戻ると会場から予想通りクスクスと笑い声が聞えた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ