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真夏のサウンドオフ⑳

 球場に救急車が到着して、秋月穂香に言われて僕が同乗して病院まで行く事になった。


 試合が終わったのか、まだ継続中なのか分からないけれど、場内から大きな歓声が沸きあがっていた。


 病院に着くと直ぐ診察を受けて点滴が行われ、診察のあと病院の先生が僕に、完璧な応急処置だったと感心していたが、今日一晩は点滴治療の必要があるので泊まるように言われた。


 一旦病院の玄関まで下りて森村家と俊介、そして僕の家へ連絡してまた病室に戻った。


 森村直美は病室から窓の景色を見ていたが僕に気が付くと、ゴメンね迷惑かけちゃってと力のない笑顔で笑い、僕は答えに困ってただ頷いた。


「試合、どうなった?」


 彼女に言われるまで試合のことなど忘れていたので答えられずにいると、普通電話を掛けた時に試合の結果くらい聞くでしょ。と笑われた。


「あのまま勝ったのかな……」


「あのままって?まだお互いに一点も取っていなかったけど」


 と僕が答えると、私が倒れる直前に野村君が打って二点入ったのだと教えてくれた。


 確かに金属バットの音は聞えたが、それを聞いたときにはもう彼女は倒れる直前くらいだったので屹度何か錯覚しているものだと思っていた。


 学校の近くの病院だったので、暫くすると俊介たちも彼女の容態を心配して駆けつけて来てくれ、そのときに決勝進出が決まった事を知る。


 そして、その直ぐ後にユニフォーム姿の野村も来た。


”決勝に行ったら答えを出してあげる”


 盗み聞きしてしまった、あの言葉が頭の中を過ぎる。


 しかし、こんな時だと言うのに、わざわざ答えを聞きに来たと言うのか?


 野村は森村直美と話が出来るかと僕に聞いてきたので、点滴治療で一晩泊まるだけだから構わないだろうけど、直接本人に聞いてくれと答えを返す。


 彼は分かったと答えたので、皆が病室を出て行った。


 僕も一緒に出て行こうとすると「三木は一緒に居てくれないか」と言われたので、渋々残った。

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