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痴漢?三木博文⑤

 進藤や本田からも 


『最低だな、オマエ』


 と言われて突き放され、廊下で前を歩く俊介を見つけて追いかけて謝罪しようとすると、各教室の前を通り抜けるたびに周囲の生徒たちから変な目で見られるた。


 そして、やっと追いついた俊介からは


『がっかりしたよ、君には』


 と、冷ややかな一言を投げつけられてしまう。


 あとは、多くの生徒の顔と”痴漢三木博文”の連呼が学校中に響き渡っていた。


 晴天の空の下、眩しいくらいに明るい屋上の景色がホワイトアウトしていく。


 誰かに肩を揺すられて、我に返る。


「大丈夫?アンタ」


 目の前には森村直美。


 しかしその表情は、さっきまでの怒ったものでではなく、僕を心配する優しい表情になって、僕の肩を揺すっていた。


「あっ、ゴメン」


 気が付いて、謝る。


 しかし、もう遅い。


 やってしまった事は事実。


 決して事実を消すことはできない。


 さっきまでの僕の妄想は確実に現実となり、いずれこの学校から僕を排除してしまうだろう。


 僕の心配をよそに、少し困った程度の明るい声で森村直美が肩に乗せた手を離して言った。


「もう!男子ったら身体計測のたびにエッチな想像ばっかり。嫌になっちゃうわ!」と。


「ゴメン」


 何故か彼女に謝った。


 本来なら秋月穂香に謝らないといけないが、そんな事できるはずもない。

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