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掲示板

いよいよ連載開始!

みなさん、読んで下さい。

 春、高校三年になった初日、三木博文は学校前の通りでバスを降り二週間ぶりの校門を潜る。


 下駄箱で靴を履き替え、新しい学年でのクラス替えが掲示してある中央廊下を目指して足早に歩くと、廊下のいたるところで大小数々のグループが集まり、既に知り得たクラス替えの情報に一喜一憂していた。


 掲示板の近くまで来ると沢山の生徒が時折歓声をあげ、混み合っていてナカナカ辿り着けないもどかしさから煩く感じられる。


 背が高ければ近づかなくても見えるのだが、身長一六十センチの自分にとっては男子生徒の殆どと女子生徒の半分が壁となって前が見えない。


 おまけに僕は、ドのつくほどの近眼。


 人ごみを掻き分け、漸く掲示板に辿り着き自分の名前を探す。


『三木博文』


 心の中で何度も自分の名前を繰り返しながら見ていると、A組の下のほうに自分の名前を認め、今度はそのA組の中から最後のクラスメートになるメンバーを確認する。


『阿久津俊介、秋月穂香そして森村直美……』


 三木博文は何度も三年A組のメンバーを確認したが、その中に二年生のときに同じクラスだった進藤公一と本田信吾の名前が見つからなくて、何度も何度も読み返していた。


 二年生。


 そう、二年A組では同じ棋道部の阿久津俊介、進藤公一、本田信吾たちと同じクラスになれて素晴らしい一年を過ごすことが出来たから、そのメンバーが揃っていないのが寂しく感じられた。


 そのことが心に引っ掛かったままボーっと突っ立っていると、次第に人に押されて掲示板の前から押し出され、いつの間にか人ごみの端のほうに追いやられていた。


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