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ニート(笑)がJKと恋愛をするとこうなるwww  作者: ホイップおーくら
5/10

5話

あのあと周りの人が警察を呼んでくれたお陰で、俺達は事情聴取のため警察署に来ていた。しかしながら、警察署を出る頃にはとっくに日が暮れていた。


「あー長かったぁー!」


「のんきだなーお前は」


「だって悪い事した訳じゃないじゃん」


「まーな」


「お腹すいたー。カツ丼出なかったねw」


「出るわけないだろ。しかもアレって頼んだら後で金払わなきゃいけないらしいぞ?」


「えーそうなの?結構ケチなんだね警察もー」


「はぁ…タバコ吸いてぇ」


「吸ってくればー?待ってるから」


「そうか?じゃあ行ってくるわ」


「はいはいー気を付けて」


さっき来る時に喫煙所の場所は確認していたので迷うことなく喫煙所へ向かう。

タバコに火を点けて一口大きく吸った時だった…。

激痛があばらの辺りを走った…。


「いってぇ!うわ…マジか」


「大丈夫ですか!」


近くにいた数人の警察官の人が駆け寄ってきた。


「あ、すみません…大丈夫っす」


「お兄さん、全然大丈夫そうじゃないよ?」


「さっきの傷害容疑の被害者のお兄ちゃんだよね?」


「はい…あばらの辺りを蹴られまして」


「ちょっと見せて?」


Tシャツをめくり警察官にあばらを見せると警察官達がざわざわし始めた…。え?なに?どしたの?


「お兄さんちょっと一回、中に戻ろうか。歩けそう?」


「歩くのは大丈夫そうです。ただ大きく息を吸うと痛くて」


「あばらの周りがさっきよりも凄い事になってるから写真撮り直させて貰って良いかな?ひょっとしたら折れちゃってるかもしれない。」


「えぇ…」


「ごめんねー。撮ったら病院連れていくから」


「はぁ…。」


心優は警察官に囲まれながら戻ってきた俺を見るなり一言。


「いつかやると思ってたよ…。面会には気が向いたら行くから…」


「おい待て。なにもしてないぞ俺は」


「皆まで言わなくていいよ…。分かってるから。」


「おいこら」


「妹さんにはちゃんと説明しておくから大丈夫だよ(笑)」


「お願いします」


心優を置いて再び取り調べ室のような所に連れていかれる。

撮り直しと言うのはあのオッサンに蹴られた部分の写真の事だ。 鏡でさっき見た時は青アザっぽくなっていただけだったが、今見たらすげえ事になってる…。なんか腫れててドス黒くなってんだけど…。


「はい、ちょっとごめんねー」


「はい撮りまーす」


パシャ。


「はいOK」


「これは本当に折れてるかもね。おい、もう車出せるか?」


「大丈夫です。もう入口に回してあります」


「じゃあ行きますかねー。妹さんにも来てもらう?」


「あー。帰りも困りますしお願いします」


「分かった。おい、大下、妹さんに伝えて準備して貰ってくれー」


「分かりました。あ、高山さん。ちょっといいですか?」


「どうしたー?ごめんね。ちょっと待ってて」


「はい」


そう言うと大下さんと高山さんは部屋を出ていった。

どうでも良いけど、大下と高山ってあぶない刑事みたいだな。

それにしても腹へった…。


「ちょっと良いかな?」


「え?あ、はい。」


高山さんが俺を呼ぶので部屋を出てみると申し訳なさそうな顔をした秋山さんが立っていた。


「彼女が君にお礼を言いたいんだって。じゃあ我々は先に行ってるから」


「分かりました」


タカとユージは行ってしまった。

廊下に二人きり。

意を決したように秋山さんが口を開く。


「あ…あの…、さっきは本当にありがとうございました。」


「あーいえいえ。お姉ちゃんにケガが無くて何よりだよー」


「私のせいでケガをさせてしまって本当にごめんなさい…」


目に涙をいっぱいに貯めながら秋山さんは俺にペコペコ頭を下げて平謝りする。礼儀正しい子だなぁ。


「出来れば何かお詫びを…」


「そんなんいいってー。気にしないでよ。本当に大丈夫だからさ!」


「でも、そういう訳にも…」


「大丈夫だから。本当にそんな気を使わないで?」


「はい…あ、じゃあせめて連絡先だけでも…」


秋山さんは持っていた鞄からノートとペンを取り出し俺に差し出した。


「lineのIDとか電話番号じゃなくてメアドでも良いかな?」


「大丈夫です。」


メアドくらいなら他人に晒しても大丈夫だろう。彼女に限って無いとは思うが万が一悪用されてもアドレス変えりゃいいし。


「ほい。これで良いかな?」


「大丈夫です!ありがとうございました。」


「はいはい。またお姉ちゃんのレジに行くわー(笑)」


「はい!待ってます!」


「んじゃーねー」


さっきまでお通夜みたいな顔をしていた、まだ幼さの残る少女の表情が少しだけ明るくなったように見えた、そんな夏の夜の出来事だった。


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