10話
ブーッブブッ!
ベッドに寝てゲームしてたらlineが来た。
誰だろ?ん?心優だ。
「バイトしてたら昨日の女の子発見。訳あって家に入れないみたいだから少しうちに避難させてあげて欲しい。場所はスーパーを少し行った信号を左に曲がってすぐの家。よろしく」
お?なんだこれは。
とりあえず心優に返信する
「ちょっと話が見えないんだが…」
すぐに返信が来る。
「とにかくよろぴくー( ̄▽ ̄)ゞ」
なにが、よろぴくー( ̄▽ ̄)ゞだよ…。
こっちは肋骨にヒビが入ってるってのに…
「とりあえずそこに向かえばいいの?」
「イェス~☆」
「おk。今から行きます」
脇腹を押さえながら起き上がり財布とスマホを持ってチャリに乗り、言われた場所へ向かう。
空はすっかり明るくなっていて風が心地いい。
スーパーを通り過ぎた辺りに人が立っている。秋山さんだ。
秋山さんの手前でチャリを降り、彼女の近くに歩いていく。
「おはよーさん。昨日はどうもー。妹はもう行っちゃった?」
「おはようございます。本当にすみません…。妹さんは配達が残ってるみたいでさっき行きました。」
「そっかー。で、家に入れないんだって?」
「はい…。すみません…。」
「まぁとにかく家に行きますか。」
俺は彼女と二人で歩き始める。家に向かう道すがら秋山さんはこれまでの事を話してくれた。話を聞くに今までかなり大変だっただろう。しかもまだ18歳で…。ひょっとしたら話すだけでも辛いんじゃないのだろうか。
「あの…ケガの具合はどうですか…?」
「あー。肋骨にヒビが入ってたみたい。でも大したこと無いから大丈夫だよ?」
「えぇ!?ヒビ…ですか。どうしよう…。仕事とかに支障が出るんじゃ…」
「あー。大丈夫大丈夫。俺、無職だから」
「…え?そっ、そうなんですか。なんかすみません…」
うわぁ。ドン引きしとる…。
そりゃそうだわな。やっぱフリーターって言っときゃ良かったか。
「あ、もうすぐ着くから」
「はい…。本当に良いんでしょうか?ご迷惑なんじゃ」
「いーんじゃねー?今ちょうど親とばぁちゃん旅行に行ってるし。まぁ…じいちゃんはいるけど(笑)」
「そうなんですか…」
なんだかんだ話していたら家に着いた。
「着いた~。」
「ここですか?」
「うん。何にもないけど、どうぞー。」
物置にチャリを置きながら玄関の方へ行くと軽トラがない。
と言うことはじいちゃんは畑に行っているのだろう。
「たーいまー」
「お邪魔します…」
玄関を入るとメモ用紙が置いてあった。メモを見てみると。
「あー。じいちゃんめ、またか」
「え?」
いつもの沢へ釣りに行ってきます。
午後には帰る。
と書かれたメモ用紙を秋山さんに見せる
「おじいさん釣りが好きなんですか?」
「うん、かなりねー。これには午後って書いてあるけど帰ってくんのはきっと夕方だよ。近所の釣り友達と行ってるんだろうから釣った魚をつまみに一杯飲んでから来ると思うしね」
「そうなんですかー。良いですね」
「俺は渓流よりもバスのが好きだけどねー」
「バス…?」
秋山さんは今、頭に「?」を浮かべているだろう。
「いや何でもない。さぁどうぞ上がってくださいな。お茶でもいれるから」
俺は秋山さんをリビングに通す。
「あっ…いえ!お構い無く!」
「…」
「…」
…なんか家に妹と母親とばぁちゃん以外の女性がいるって慣れないし何だか気まずいな。
心優、早く帰ってきてー!




