輝羅 光
すべて司朗の計画通りに終わった2回戦そしてその事で更に第2の魔力がなんなのか考える界斗。
そして3回戦が今始まる。
今回は輝羅光という人物について語ろう。光とは小学生からの付き合いだ。
名前の通り光を操る魔力を持っている。光を集め物体にすることで戦闘を行うのが光の戦い方だ。そして光は飛翔をするための翼に変化させることができる。だから空中からの奇襲能力が高くこの模擬戦でも飛んでしまえば確実に勝つことが可能だろう。
弱点をついてしまえば勝てるのだがこの模擬戦ではまず無理だろう。弱点というのも真っ暗で天井が低いところだ。そうでなければ完全に光の能力を封じることはできないからこんな外でしかも太陽の光がたくさん降り注ぐのだからほとんど光の独壇場だろうな。と最初は思っていたが僕は光の対戦相手を見て光はこの勝負勝てるか怪しいと感じた。
「おい、界斗お前のことを倒すのは俺だ。」
なんだいきなり。負ける奴の台詞みたいだな。
「とか言ってはみたけどここでそんな事を言ったら俺が負けるみたいなフラグが立つだろ?だから違う言い方としてこう言っておくよ。俺以外の誰にも負けんじゃねぇぞ。」
結局こいつ僕に応援しに来ただけじゃないか。
「わかったよありがとう。光も頑張れよ。」
光はとても強いが相手が相手だからこう言いたくなってしまう気持ちも少しは理解できる。なぜなら光の相手は学年のランキング1位の式神斬夜だ。斬夜も小学生の時からの付き合いで僕たち3人でよく遊んでいた。この2人が初戦でぶつかるとは予想しなかったがあの2人が1番この展開を予想をしなかっただろう。
「やぁ光、次の模擬戦よろしくね。お互い戦い方がバレてる同士死力を尽くしていこうな。」
「いや、死力を尽くして戦ったらお互いただでは済まないから。死なない程度に頑張ろう。」
果たしてどちらが勝つのやら。あの2人の実力は互いが知り尽くしているからこそ、速攻で勝負がつくかもしれない。
『輝羅光、式神斬夜の2人はスタジアムへ準備してください。』
放送がかかるって中々ないぞ。あの2人何してるんだ。とか考えていたらスタジアムに2人は上がってきた。久々に見ていてゾクゾクしてきたな。
「司朗はあの2人ならどっちが勝つと思う?」
「んー?まぁどちらが勝つと言われれば式が勝つと思うけどね。」
そりゃあ斬夜は学年1位になるほどの実力を持っているがそれは学校の魔力のテストによる成績だ。光は本気で戦えば強いし斬夜も本気を出せば強い。だから本当に互角の勝負になる。司朗に訊いておいてなんだが僕には読めないってのが本当のところだ。
「これより3回戦を始める。お互いルールを守って戦うように。では戦闘開始。」
ついに始まった。先に動くのはどっちだ。
ふっ。斬夜がどんな手で来ようが蹴散らす。まずはどう動いてくるつもりなんだ。
「ん」
ほんの一瞬の隙だったのかも知れない。俺の呼吸のタイミングを狙って斬夜は脇腹目掛けて蹴りを入れてきた。すんでのところで俺は光によるバリアを生成したが、斬夜の奴本気で俺を力ずくでねじ伏せに来ているのかも知れない。
どう来ようが今の俺の実力だったら勝てると思っていたが
「あれ?これちょっとヤバくないか。」
「光思ってることが口に出てるぞ。たかだか横から蹴りを入れただけでなに弱音を吐いているんだ。それじゃあ俺に勝つことはできないぞ。まだまだこれは序の口だぞ。」
そうだ口に出てしまう程にヤバイ状況なんだ。斬夜の拳は次々と飛んでくる。これだけ早い拳が来られては俺には光を生成する余裕がない。
小学生の最後に勝負した時とは比べ物にならない強さをもっている。こいつにはどうしたら勝てるんだ。