~ 貴方の笑顔も 貴方の涙も ~
私は 今 …
花鳥風月で働かされている …
全て 仕組まれた事だと 気付いて
梶岡を殺そうとしたけれど …
黙らせて 働かせる為に…
覚醒剤を打たれた…
もう…
私には 何もない …
母さん 元気かな …
あの日から 家にも帰れず 毎日 毎日 客を取らされて …
監禁されている …
もう …
何もない …
私 疲れちゃった …
母さん ごめんね …
私は 花魁コスチュームの腰ひもを 天井にぶら下げた …
もう …
生きていたくない …
こんな 姿 …
見せたくない …
お客も 取りたくない …
借金も 終わらない …
ごめんね 母さん …
椅子に上り 腰ひもの輪の中に 頭を入れて 椅子を 蹴った …
チカチカ チカチカ と 目の中に 星が舞う …
「 あぁ… あの旅行 …楽しかった … ね … 母… さ ん … … 」
舞 の 躰から ぐったりと 力が抜け…
ブラリ ブラリ と 人形のように揺れていた …
夜 も 昼 も …
金の亡者達が …
獲物を探して 蠢く …
世の中は 金が 全て …
金に出来るものは 何でも 金にする …
貴方の 笑顔 も …
貴方の 涙 も …