首都の治安
朝目が覚めたのは陽が少し昇った頃だった
服は一晩中干していたので乾いている
服を着て戸締りをし、朝食を食べに1階ロビーへと向かう
朝食もまぁまぁ豪華だった
パン、野菜スープ、野菜炒め、果物だった
果物は見た目リンゴだが食べてみると桃のように柔らかく甘く美味しかった
朝食を食べ終え部屋に戻り荷物をまとめ外に出た
昨日の夜デミクルとの別れの際に朝起きたらわしの泊まっている宿までこいと言われているので仕方なく向かう、本当は首都を散策したいのだが仕方がない諦めるか
昨日はデミクルの止まっている宿で別れたので場所は覚えている
宿に行く道の途中に服屋があったのを思い出し立ち寄ってみた
中は高級感漂う服ばかりだ
入るところ間違えたかもな・・・・・
試しに入口近くの服の値段を見てみる
「まじかよ」
小声だがつぶやいてしまった
辺りを見回す、店員に聞かれてなかったらしい
危ない危ない
手に取った服(上下)は2万4000グールだった
ソルトの村で買った服とは明らかに質が違う、ソルトで買った服はとても繊維が粗い対してここの服は滑らかで軽い
着心地良さそうだ
手に取っていると店員か近づいてきたので服を元の位置に戻し店を出る
それから10分ほど歩きデミクルのおっさんが泊まっている宿についた
カウンターに向かいデミクルのおっさんを呼んでもらう
「申し訳ありません、デミクル様はまだ寝ておられるようなのでまた後でお越しください」
あのおっさんまだ寝てんのかよ
「そ、そうですかわかりました」
はぁー仕方ない辺りでも散策してこよう
どこに行こうかと宿の外に出て立ち止まっていると目の前の女性が後ろから男に突き飛ばされていた
男は女性の持っていたカバンを持って走り去っていく
俺は女性に一言
「取り返してきてあげます」
とだけ言って男の元へと走る
男は俺が追っていることに気づかず歩いていた
男の近くまで走りそのまま飛びひざ蹴りを背中に喰らわせた
「おりゃ」
「ぐえっ」
男の奇妙な悲鳴の末倒れた
そのまま動かない
ありゃ?気絶してる
辺りを見回すと周囲が俺を囲むように円形に広がっていた
その一部が開き鎧を着た複数の男性が入ってきた
騒ぎに気づいた警備隊だろうか?
「貴様何をしている?」
鎧を着た先頭の男が声をかけてくる
「えっと、この男が向こうにいる女性のカバンを盗むのを目撃しまして」
先頭の男が後ろにいた男に何かを言いその男が俺が指さした方向に向かって走り去った
数分後カバンを取られた女性と鎧を着た男が来た
「この御方で間違いありませんか?」
その男が問い掛けてくる
「はい」
俺はカバンを女性に渡した
「ありがとうございます」
女性が頭を下げてお礼を述べてきた
「いえいえ」
「さて、どうしたものかな」
最初に話しかけてきた男が何か言っている
「どうするとは?」
何か駄目な事してしまったのか不安になる
「いや、君のことではない。この気絶している男のことだ。」
よかった、俺のことじゃなかったのか
「俺はもう帰っていいですか?」
そろそろデミクルのおっさんも起きる頃だろうし
「あぁ、少し待て」
「はい?」
なんだろう
「君の名前と職業とさっきの状況をこの紙に書いてくれ、状況は簡単にでいい」
そう言って男が紙とペンを渡してくる
俺は受け取りさっさと書いて渡す
踵を返して宿に戻ろうとすると女性が話しかけてきた
「あの、本当にありがとうございます。これは、お礼です受け取ってください」
女性が差し出してきたのは金貨1枚だった
羽振りがいいな、ありがたく受け取っておこう
「有り難く受け取っておくよ」
宿へと戻るとデミクルが1階の階段を降りてきているところだった
デミクルが気付いてこちらにやってくる
「おはよう、宿はどうじゃった?」
「ええ、村の宿に比べてとても良かったです」
「ところでお主なぜそんなに汚れておるのじゃ?」
言われて気付く
「さっき強盗を捕まえるときに汚れたんでしょう」
「強盗?」
「先ほどこの宿前で女性がカバンを盗まれてましてその強盗を取り押さえたのです」
「ふむ、そうか。最近増えてきとるの」
「そうなんですか?」
「うむ」
「それはさておき、すぐ出発するから準備は・・・・・しておるの」
「ええ、してますよ」
「少し待っておれ」
そう言い残しデミクルは階段を上っていった
数分後に荷物を持って降りてきた
「では、行くか」
「はーい」
荷馬車は宿の横にあるので乗り込み首都クルータルを後にした
次話遅れる可能性あります
遅れた場合は申し訳ありません
(〃・д・) -д-))ペコリ
一部訂正しました