商人との出会い
俺は生きるためににゴブリンとの戦闘を必死に行う
ゴブリン退治を行いながらカリンの薬草を採取する
リュックサックがパンパンに膨れるまで採取と狩りを行った
帰り道、異様な光景を見てしまった
「うわっ」
思わず声が出てしまうほどに気持ち悪い
そこには魔物がいた
ゴブリンが10~20匹いる
スライムも何匹かいる
何を固まってやつているのかわからないが何やら人の声もする
魔物に襲われているのだろうか?
ちと助けて恩を売るか、助けてくれたお礼に金くれるかもしれないし
そうと決まれば助けに向かう、魔物の群れへと走りカラドボルグを一閃それだけでゴブリン3匹が消滅する
戦闘は1分も続かない
「大丈夫か?」
「だ、誰かいるのか?た、助けてくれぇー」
おっ、人が居たおっさんみたいだけど愛想よくしておくのが得策か
「魔物なら退治しましたよ?」
「そ、そうか、助けてくれてありがとう。兵を雇っていたが全員死んだようじゃ、使えん奴らじゃのぉ。」
おいおい、自分に仕えていた兵士が死んだんだからもっとなんか言ってやれよ
こんな中年おっさんに仕えてた兵も兵だけど・・・・・
「ありがとう、お主のおかげで助かった。わしはデミクル、商人をしているものだ」
「えっと〜俺は屋嘉比劉だ」
「ヤガイと言うのか。お主は剣の腕がたつようじゃがわしに雇われんか?」
金が手に入るのならこのおっさんに雇われるのも悪くない
「いくらでしょうか?」
「そうじゃな、1500グールでどうじゃ?」
安いのか高いのかわからねぇー
金が手に入るのならまぁいいや
「お受けしましょう」
「おお、それはありがたい」
「そういえば積荷は大丈夫ですか?ゴブリンに襲われて壊れたりはしてませんか?あと、死んだ兵士達の武器防具を貰ってもよろしいですか?」
「そうじゃった。大事な商品を壊されるにはいかぬからな。兵士の武器防具は好きにしろ、助けてくれた礼じゃ」
助けたお礼に死んだ兵士の武器防具って・・・・・まぁいいや
「ありがとうございます」
「わしは積荷を見てくる。お主も武器防具を集めたらすぐにこい」
後から行くと積荷と思われるものが多少散乱していた
「手伝いましょうか?」
「当たり前だ、そのために呼んだのだからな」
この態度超うぜぇー
10分ほどで散乱していた積荷を回収して荷馬車に詰めた
「こんなに沢山運ぶのですか?」
「うむ、一度に沢山運んだ方が稼ぎもいいからの」
「・・・・・なるほど」
稼ぐためにこんなに詰めるのかよ
大変だなと馬に同情してしまったではないか
「商品は大丈夫のようだし、馬もなんとか落ち着かせた、わしはこれから首都へ赴くそのあいだよろしく頼む」
「わかった、もちろんこっちにも帰ってくるよな?」
「うむ、明日の夕方ここらを通るのでその時までの臨時雇用じゃ」
「はい、よろしくお願いします。と言いたいところだけど、一度村に戻ってこのリュックサックの中身と武器防具を売りたいのですがいいでしょうか?」
「うーむ、それなら首都で売った方が金になるぞ?」
「そうなんですか?」
「あぁ、首都では物価が高騰していてな物が高値で売れるのじゃ」
ほぅ、いいことを聞いてしまったな
「では首都へと向かいましょう」
その方が稼げるのならさっさと行くに限る
「うむ」
俺はデミクルの運転する荷馬車の荷台に乗せてもらった
もちろん兵の身に着けていた使えそうな武器防具は全て荷台に積ませてもらったそのせいか荷馬車の中はとてもいづらい荷物が大量に詰め込まれ、プラスで武器防具が入っているのだから人が1人入れるギリギリのスペースしかない
走り出してから30分ほど過ぎた頃に
「ヤガイ、魔物が出た退治してくれぇ〜」
デミクルのおっさんの声が聞こえる狭い荷台で座っていたから足腰が痛いしこのまま助けず魔物に殺されてその後積荷をごっそり頂いたら結構な金になるんじゃないか?と思ったが荷馬車を運転できない俺がこのまま奪っても無駄か
「ヤガイ、はやくきてくれー」
「今行く」
荷馬車の数メートル先に芋虫がいるしかもでかい
「あれはなんだ?」
「あれはキャタピラーじゃろう」
倒したら緑色の液体とか出てきそう
想像しただけで気持ち悪・・・・・うっぷ
まぁ、そんなことも言ってられないのでカラドボルグを構え荷馬車から飛び降りキャタピラーに向かって走り一撃、そのままキャタピラーは消えたキャタピラーの消えた場所には糸が残っていた
糸か・・・・・リュックサックに入らなかったので手で持っていると、デミクルのおっさんが糸をじっくりと眺めていた
「これがどうかしましたか?」
「いや、キャタピラーから糸が出るのはとても希なことなのじゃ、だからとても高値で売れるだろう」
「へぇ〜それは嬉しいな」
「ヤガイひとつ提案なんじゃが、その糸を100グールいや200グールで買い取らせてくれ」
おっさんがそこまでして欲しい物らしい、きっとものすごく価値のあるものなのだろう。ここはおっさんには売らず首都で売り払うか
「いえ、首都で全て売るつもりなのでお構いなく」
おっさんと話すのは気が乗らなかったので適当にあしらって荷台に戻る
それから1時間ほど過ぎた頃デミクルから声が掛かった
「ヤガイ、都市に着いたぞ。外に出て書類を提出して来い」
「あぁ」
荷馬車を降り門付近の家へと向かい名前と職業を紙に書いた
都市の門番さんはとても立派な鎧を着ていた
話しかけづらかったので紙を渡してさっさと荷馬車に戻る
「書類を提出してきたか?」
「ええ、出してきました」
「うむ、では参ろうか」
言いながらおっさんは荷馬車を前進させた
「あの、ここが首都だって言ってましたよね?ここの名前ってなんでしょうか?」
「ここはクルータルというのじゃ」
クルータルか、ここはソルトの村より何十倍大きくて活気があって人も比べることができない程に多いそして何より建築物が全く違うソルトの村は平屋ばかりなのに対し首都は最低でも2階建ての家ばかり並んでいる1番高いのはこの街の中央にある塔だろうかずば抜けて高い
首都というだけはあるな、などと思いながら荷馬車の裾の布を捲り風景を眺めながら馬車に揺られた・・・・・