第七話 リアクション
実験が一歩進みます。
研究者達と、今日の[爆発的に燃焼させるための実験]を終わらせた後、峰市は凍結していた実験を再開させた。
[分子規模でカスデヒオがメタンを包んだ状態]は出来ていたので、次の段階に入る。
この状態の集まりに、直接水を吸収させると、
なんとっ!!
いつもと同じ結果、すなわち[変化なし]であった。
めげずに次の実験を進めよう。
確か次は[分子規模で水がカスデヒオを包んだ状態]だったはずだ。
前と同様に顕微操作機を使って、この状態を作ろう。
ん?何かがおかしい。ちゃんと操作しても、カスデヒオを水分子が包もうとしない。
しかし、すぐに原因が分かった。
偶然近く(といっても、顕微操作機で覗いているので肉眼では分からない)にあった、別の水分子がカスデヒオになぜか磁石のように引っ張られて、元々あった水分子と共にカスデヒオの周りにくっついたのだ。
水分子の数が足りなかったのだ。これが分かった後、数を変えて実験してみたが最初にあった21個の水分子と近くにあった9個の水分子、あわせて30個の水分子が必要な事が分かった。
30個というのはきりの良い数で、人間の中の水分子も30個ずつにまとまっている。
[分子規模で水がカスデヒオを包んだ状態]は出来たので次の段階に進めよう。
そして、いつものように水を吸収させると・・・。
なんと!
吸収した水の量よりも多い、得体の知れない白い液体が放出されたのだ。
「な、なんか白い液体みたいなのが出てきたではないかっ!!」
「うおっ、ゆ、湯気になったっ!!常温で蒸発する物質なのかっ!?」
「き、消えた・・・。」
そう、峰市は時々リアクションがでかくなるのだ・・・。
人間の中の水分子などの話は、全て想像です。