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第二話 カスデヒオについて
峰市達は、効率良く燃焼させるために、最近発掘発見調査された[蓄自石]という物質に着目した。
カスデヒオは琥珀のような半透明の黄土色の石で、電気、水、火、音、光など自然界に存在する物、条件を満たした人工物を溜め込む性質を持つ物質で、家庭用の商品にも使われるという噂もある。ビー玉位の大きさだと、ライター1個分の[火]、一時間豆電球1個付け続けられる量の[電気]、1デシリットル(1リットルの1/10)分の水を溜め込める。同時に複数の種類を溜め込めるが、溜め込める量は種類の数に比例して減っていく。
人工メタンハイドレートを作る際に、この[カスデヒオ]利用すると、カスデヒオの溜め込む効果が増幅されて、一度溜め込んだメタンハイドレートを、カスデヒオから出すときに量が増えることが分かった。
なぜ増幅されるのかは分かってはいないが、これを利用して[効率よく燃焼させる]ことに成功したのだった。
この石の名前の由来、勘のいい人なら分かるかも。