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本当の幸せはすぐそばに

作者: レモン
掲載日:2026/09/30

 ここは、海辺の綺麗な街。そんなところで育った、西城美和子、24歳。3人姉妹の末っ子だ。姉2人は、結婚して、子供もいるのだが、美和子は、まだ独身だった。姉たちは、美和子に、結婚をせかしていた。両親は、美和子に、婿をとって、家を継がせたかった。美和子の家は、老舗旅館だった。

 その老舗旅館に勤める、板前の山木大介、27歳、は、以前から、美和子の事が好きだった。でも、気持ちは、打ち明けられずにいた。

いつか、立派な板前になったら、美和子に、打ち明けようと思っていた。

 美和子は、今は、証券会社に勤めていた。会社では、気になる男性がいた。佐伯省吾、35歳だ。でも、残念なことに、彼は、既婚者だったので、諦めていた。

 美和子は、とりたてて、美人というわけではなかったが、とても親しみやすくて、人気があった。会社内での、評判も、よかった。美和子を好きな男性も、社内では、少なからずいた。

 美和子は、お見合いを、してみようかな、と、思い始めていた。両親に、話して、お見合いの段取りをしてもらおうと思っていた。それを聞きつけた、板前の山木大介は、お見合いを、阻止しようと、必死になっていた。板前としては、まだまだ、未熟だったが、美和子を取られてしまうと思い、告白することに決めたのだ。

 大介は、美和子に、話があると、呼び出した。そして、美和子に、「ずっと前から、お嬢さんの事が、好きでした。こんな俺ですけど、付き合ってください。」と、打ち明けた。美和子は、ビックリしていた。兄の様に慕っていた、大介から、打ち明けられたのだ。返事に困ってしまった。でも、旅館を継ぐのなら、板前の大介でも、いいと思った。美和子は、大介に、少し考えさせてほしい、と、いった。大介も、よく考えて、決めてほしい、と、思っていた。

 美和子は、両親にも、板前の大介から、告白された、と、伝えた。両親は、とにかく、美和子に、身を固めてほしかったし、板前の大介なら、旅館を、きり盛りしてくれるだろう、と、賛成してくれた。

 ただ、美和子は、決めかねていた。会社の、佐伯省吾のことを、忘れられなかった。だが、彼は、既婚者だったから、忘れようとしていたが。 

 そんな時、佐伯省吾が、離婚したとの噂が、社内で、流れた。それは、のちに、事実だったことが、わかった。美和子は、半信半疑だったが、佐伯省吾が、離婚したと聞いて、少なからず、嬉しかった。

 美和子は、これで、佐伯省吾に、自分の気持ちを、打ち明けることができる、と、思っていた。美和子は、省吾を、食事に誘った。省吾は、まんざらでもなさそうにして、オーケーの返事をくれた。

 会社が終わり、待ち合わせをして、2人で、レストランに入った。中は、少し、暗い雰囲気のお店だった。2人で、注文をして、話し始めた。美和子は、「省吾さん、離婚されたのですよね。」と言った。省吾は、「そうだよ。」といった。美和子は、「もし、良かったら、私と付き合ってみませんか?」と言って、省吾を見つめた。省吾は、「実は、僕も、以前から、君のことがすごく気になってたんだよ。こちらからも、お願いするよ。付き合ってほしい。」と言って、美和子を見た。美和子は、「はい。」と、答えた。美和子は、とても嬉しかった。自分の好きな人と、付き合えることになったと、喜んでいた。

 家に帰り、両親に、省吾と付き合うことになったことを話した。両親は、バツイチで子供もいた、佐伯省吾のことは、反対していた。それでも、美和子は、反対を押し切って、省吾と付き合うことにした。

 美和子は、板前の大介のところに行って、付き合えないことを、伝えた。大介は、ショックを受けて、うなだれていた。大介は、「お嬢さんが、幸せになれるのなら、自分は、身を引きます。幸せになってください。」と、美和子に言った。美和子は、申し訳ない気持ちでいっぱいになった。

 佐伯省吾と、付き合う様になって、美和子は、とても幸せだった。省吾は、とても優しくしてくれた。プレゼントも、たくさんくれた。

 でも、そんな、幸せは、長くは、続かなかった。社内の噂で、省吾が、何人の女の人にも、声をかけて、遊んでいる、と、流れていた。美和子は、信じたくなかった。自分だけだと思いたかった。涙が、かってに、流れてきていた。ようやくつかんだ、幸せだったのに、こんなにも早く、崩れるなんて…でも、省吾を恨みたくはなかった。自分が、結婚に対して、焦ったせいもあるのかな、と、思っていた。省吾とは、話し合いで、別れることにした。省吾は、あっさりしたものだった。美和子は、省吾に、未練があったが、あきらめざるをえなかった。長引かせては、いけないと、思っていた。

 両親に、ことのすべてを話した。でも、両親は、美和子を責めたりはしなかった。これで良かったんだよ。と、優しく慰めてくれた。美和子は、涙が止まらなかった。両親は、もう1度、板前の大介とのこと、よく、考えてみたら?と、言ってくれた。

 美和子は、大介と、もう1度、話をしてみることにした。大介は、もう、美和子のことは、あきらめていたのだが。美和子と大介は、カフェにいた。美和子が、「この間は、付き合えない、と、言ったけど、もし、まだ、私のことを、少しでも、思ってくれているなら、私と付き合ってくれないかな?」と言った。大介は、2つ返事で、「本当に、俺なんかでいいんですか?俺は、お嬢さんと、付き合うより、結婚したいです。」と言った。美和子は、驚いたが、とても嬉しかった。美和子は、「よろしくお願いします。」と言った。

 美和子は、本当の幸せは、身近にあったのだな、と、改めて思わせられた。これで良かったのだと。

 

 


 

 



 

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