29 リアの束縛
リアが顔を上げると、首に装着された黒い金属製の装置が露わになった。それは微かな光を放つ拘束装置で、まるで彼女の皮膚と一体化したように体に深く埋め込まれているようだった。彼女の声は震え、苦痛に満ちていた。
「それは…私の意志を無視し、直接…命令に従うよう強制されました…私は全く抵抗できませんでした…」
この残酷な真実に、真一と愛理は大きな衝撃を受けた。リアがそんな邪悪な魔法の装置によって制御されていることに、二人の心には怒りが燃え上がった。
愛理は拳を強く握りしめながら、こみ上げる怒りを抑えきれずに言った。
「本当に卑劣な手段であなたを強制したなんて…これは許せないことです!」
リアはわずかにうなずき、目には深い罪悪感が浮かんでいた。
「私は…何度も抵抗しようとしました…でも、そのたびに失敗しました。この装置は…私の意志を完全に奪い去り、強制的に服従させるのです…もう、この苦しみには耐えられません…」
真一は真剣な表情で、リアを苦しめるこの装置がただの拘束具ではなく、極めて邪悪な制御手段であることを悟った。それを解放するには、リアを操る者を突き止める必要がある。
「ボスがこの装置をあなたに設置したのか?」
真一は低い声で尋ねた。その問いには、すべての原因を突き止めようとする鋭い意志が込められていた。
リアは目を閉じ、深呼吸を一つしてから静かに吐き出した。
「はい…この装置を無効にできるのはボスだけです…ボスがその気にならない限り、私は決してこの足かせを解放することはできません…」
真一は刃の柄を強く握り締め、その目には激しい怒りの炎が燃え上がっていた。
「この悪事は絶対に許さない。必ずこの足かせを解くお手伝いをする。」
愛理は、目の前にいる美しいリアがこんなにも残酷に支配されていることに深い無力感を覚えた。そして決意を込めた声で、真一の手をしっかりと握り締めた。
「このまま見過ごすことなんてできない。ボスを見つけて、彼女の縛りを解かなければならないわ。」
真一は力強くうなずき、その瞳には確固たる決意が宿っていた。
「はい、どんなに難しくても、私たちは必ずやり遂げます。」
リアの顔には微妙な動揺が走り、その目には複雑で矛盾した感情が浮かんでいた。痛みの支配から解放されたいと切に願う一方で、真一と愛理がさらなる危険に巻き込まれることを心配していた。
「あなたは…本当に私を助けてくれるのですか?怖くないのですか?たとえそれが…あなたたちを危険にさらすとしても…」
リアは不安と葛藤の中で声を震わせながら問いかけた。
「もちろん、僕たちは恐れています。」
真一は柔らかく微笑みながらも、目にはしっかりとした意志が宿っていた。
「しかし、恐れよりも大切なことがあります。僕たちは、ただ見て見ぬふりをするわけにはいきません。」
愛理はリアの手を優しく、しかし力強く握りしめ、
「私たちがあなたを守ります。もう一人で抱え込まなくてもいいのです。これからは、私たちが一緒に立ち向かいます。」
と優しく語りかけた。
リアは短い沈黙の後、ついに涙をこぼした。彼女は震える手で魔法の長杖をそっと置き、冷たい金属の拘束具に触れた。その感触は、彼女の心に深い痛みを刻むものだった。
「僕たちが必ず彼を止めます。」
真一は瞳に燃えるような怒りと決意を浮かべながら、力強く宣言した。
「たとえどんな相手でも、このような悪事を見過ごすことはできません。」
「私たちはこの束縛を解くお手伝いをします。」
愛理もまた、決意に満ちた声でそう告げると、リアの手をさらにしっかりと握りしめた。
リアの瞳には涙が溢れていたが、同時にそこにはかすかな希望の光が見え始めていた。
「ありがとう…ホントにありがとう…」
真一と愛理は顔を見合わせ、無言のうちに互いの決意を確かめ合った。リアに与えた小さな希望の光を守り抜くという思いが、二人をさらに固く結びつけた。次の一歩は明確だった――ボスを見つけ、リアをこの束縛から解放しなければならない。しかし、その瞬間、冷たい笑い声が突然ドア越しに響き渡り、静寂の中に鋭い刃物を突き刺したような感覚が部屋を貫いた。
ヴェルサニアの到着は、凍てつく風が吹き荒れるように、つかの間芽生えた弱い希望を無情に打ち砕いた。彼女の声は低く、冷ややかな余韻を残しながらも、軽く嘲弄するような調子が混ざり合っていた。その一言が、毒蛇の舌が耳元を滑るかのごとく鋭く刺さり、全身を震わせる終わりなき恐怖を引き起こした。
「ここは本当に活気がある場所ですね。私の可愛い子がここにいるなんて、本当に驚きました。」
ヴェルサニアの冷たい声は部屋全体に響き渡り、その空気さえも凍りつかせるようだった。彼女の笑顔は不気味でありながら洗練されており、その目には危険な光が鋭く宿っていた。
彼女が現れた瞬間、リアの体は瞬時に硬直した。ほんの一瞬前に浮かんでいた希望の光は、寒風にさらされた薄氷のように、一瞬で消え去った。彼女の目には再び恐怖が蘇り、その深く逃れられない暗闇が彼女の心を覆い尽くした。その見えない力が全身を縛り付けたかのように、リアは震えを止めることができなかった。




