21 炎と鋼と癒しの交響曲
真一と愛理が去った後、クマールチームは戦場の支配をさらに強化していった。
クマールは迷うことなく魔獣の群れに突っ込み、その『筋力強化』能力によって、動く鋼鉄の要塞のごとき存在となった。背の高い逞しい姿が戦場に君臨し、その一歩一歩は大地に深い痕跡を刻むかのようで、まるで自然そのものを従えているかのようだ。
彼の巨大な戦斧が冷たい光を反射し、振り下ろされるたびに空気を裂く轟音が響く。一撃ごとに大地は震え、魔獣たちはまるで紙のように切り裂かれた。
魔獣の咆哮が戦場に響き渡るが、クマールの前では、それらの恐ろしい存在が脆弱に映る。戦斧の鋭い刃が襲いかかると、魔獣たちの皮膚も筋肉も骨もいとも簡単に断ち切られ、その衝撃により地面に叩きつけられる。最後の叫び声すら上げる間もなく倒れた魔獣たちの血が飛び散り、クマールのコンバットジャケットを鮮やかな赤で染めた。しかし、彼の陽気な笑顔には少しの陰りもなく、その姿は戦場の荒々しさを楽しむかのようだ。
血と鉄の匂いが満ちる戦場でさえ、クマールの楽観的な態度と揺るぎない自信は微塵も揺るがない。それが彼の強さであり、仲間たちが信頼を寄せる理由だった。
「ははは、てめぇら、かかってこい!もっと来い、まだ足りねぇ!」クマールは戦いの興奮に浸り、その瞳は獲物を求める猛獣のように鋭く輝いていた。彼の笑い声はまるで戦場そのものを支配するかのように響き渡り、その音が敵の士気を打ち砕く。
彼の後ろで周炎は全く異なるスタイルで戦場を駆け回っていた。しなやかで軽やかな動きは舞踊のように美しく、その手元では炎が踊っていた。彼女が軽く手を振ると、指先の炎はまるで命を持つかのように弧を描き、伸びる蔓を焼き尽くした。その動きには一切の無駄がなく、正確無比な一撃が敵を次々と排除していく。
「もう、早くこのバカ蔓を燃やしてしまいたいわ!」周炎はぶつぶつ文句を言いながらも、その手元の炎は一切の迷いなく、狂ったように伸びる蔓を焼き払っていた。燃え上がる火炎が周囲の空気を灼熱のものに変え、蔓は抵抗する間もなく黒焦げとなり、次々と地面に崩れ落ちる。その焦げた匂いと立ち昇る煙が戦場を満たす中、周炎の唇には自信満々の笑みが浮かんでいた。
「ねぇ、そこの愚かな植物たち、炎の魔女に逆らおうなんて、冗談じゃないわよね?」彼女は挑発的に笑い声を上げながら、燃え盛る炎をさらに広げた。彼女の手元から放たれる火炎がバリアのように広がり、味方を敵の攻撃から守りつつ、反撃の足場を作り出していた。
一方、後方にいるチャリヤの存在もまた不可欠だった。彼女はクマールや周炎のように戦闘の最前線には立たないものの、その柔らかい笑顔と治癒の力は、戦場全体に安定感を与えていた。胸にそっと手を当てると、彼女の手のひらからは優しい緑色の光が放たれる。その光は春の陽だまりのように温かく、見る者の心を癒す力があった。
チャリヤの「治癒」能力が戦場に輝きを放つと、柔らかな緑色の光がクマールの全身を包み込んだ。その光は温かさとともに強さをもたらし、彼の傷を瞬く間に癒していった。魔獣の鋭い爪で裂かれた傷口も、過度の力で痛んだ筋肉も、その光の中でまるで時を巻き戻したかのように修復されていく。チャリヤの力は単なる治癒にとどまらず、彼の内なる力をも目覚めさせた。新たなエネルギーが体中を駆け巡り、クマールは自分が無敵になったかのような感覚を覚えた。
「クマール、気をつけて。無理をしすぎると危険よ!」チャリヤは優しくも鋭い声で彼に呼びかけた。その声には、仲間を守り抜く決意が込められており、甘いだけではない力強さが感じられた。彼女は常にクマールの姿を目で追い、万が一の際にはすぐに助けに入れるよう準備を整えていた。チャリヤの癒しの光は見えない盾のように戦場に広がり、味方に安定と安心感を与えていた。
クマールは振り返り、チャリヤに満面の笑みを返した。「チャリヤがここにいるなら、俺には怖いもんなんてないさ!」そう言い終えると、彼は戦斧を力強く振り下ろし、その刃が地面に深々と食い込んだ。震える大地とともに魔獣の咆哮が響き渡り、その音は恐怖の象徴のようだった。しかしクマールにとって、それはただの勝利の序章でしかなかった。
周炎もまた戦場を駆け回り、その指先から燃え盛る炎を放っていた。炎はまるで生き物のようにしなやかに敵を追い詰め、燃え上がるごとに戦場の景色を変えていった。彼女の鋭い瞳には一切の迷いがなく、すべての動きが計算されていた。
チャリヤの癒しの光がクマールを支え、周炎の炎が敵を制圧し、三人の暗黙の連携が徐々に戦況を有利に進めていった。戦場全体が三人の意志に応えるかのように流れを変え始めた。




