12 迫る魔獣の陰謀
意識が漂う中、いくつかの断片的な映像と記憶が、愛理の頭の中に不意に浮かんできた。
「真…重要な情報が見えました!」
彼女の声は緊迫感に満ちていた。
「記憶の中には、複数の転移魔法陣と、能力者たち、リア……それに、凶暴な魔獣の群れ。そして、毒霧と植物に侵された廃墟の都市がありました。都市全体が荒れ果て、まるで死の影に包まれたかのような景色です。」
真一は一瞬、何かを考え込むように沈黙したが、やがて慎重に口を開いた。
「転移魔法陣を使って、大量の魔獣を蓮華城に送り込み、毒霧や植物で都市を壊滅させるつもりなのか……?魔獣たちが無差別に侵入して、街を内部から破壊しようとしているのか?」
「ええ……その可能性が極めて高いです。」
愛理は眉をひそめ、心配そうな声で答えた。
「彼らの計画は緻密です。私たちはできるだけ早く、それに対抗する手段を見つけなければならないわ。」
真一の表情は一層引き締まり、その脅威が彼の想像を遥かに超えるものであることを理解した。彼は拳を固く握りしめ、決意を込めた声で言い放った。
「この情報をギルドに報告しなければならない。そして、すべての事実を明らかにすることで、これから訪れる危機に備え、適切な対策を講じさせるんだ。」
「はい。」
愛理は強くうなずき、
「今すぐギルドに行きましょう。本部には、この状況に対処できる専門家と資源が必要です。」
彼らは足早に廃墟を後にし、暗い街道を駆け抜け、冒険者ギルドを目指した。夜空に浮かぶ星々が、荘厳なギルドの建物を静かに照らしていた。急ぎ足でホールに入ると、すでにギルドのスタッフたちが数人、真剣な表情で待っていた。彼らはこの異変を察していたかのようだった。
「雷野、星川、戻ってきてくれてよかった。」
ギルドの上級スタッフが心配そうに前に出てきた。
「能力を悪用する組織について情報が入っているが、君たちも何か掴んだのか?」
愛理は深く息を吸い込み、声を安定させながら報告を始めた。この瞬間が、今後の対応に大きく影響することを理解していた。
「私たちは廃墟で重大な情報を得ました。能力者集団が転移魔法陣を使って、大量の魔獣を蓮華城に送り込み、毒霧や植物で都市を破壊しようとしています。彼らは、魔獣を侵入させて内部から街を壊滅させる計画を立てているんです。おそらく、この集団こそが能力を悪用する組織だと思われます。」
その言葉を聞いたギルドスタッフたちは、瞬時に緊張感を高め、顔つきが一層引き締まった。
「これは極めて深刻な脅威だ。すぐに行動を起こさねばならない。」
真一もすかさず口を開いた。
「僕たちは詳細な対応計画を練り、全ての資源を最大限に活用すべきだ。この陰謀を暴き、完全に阻止する必要がある。」
愛理は怒りに震えながら言葉を続けた。
「ボスの心には、悪と陰謀が渦巻いています。もう時間がありません。一刻も早く行動を起こしましょう!」
ギルドスタッフたちはすぐに緊急会議を開き、対策をまとめ始めた。真一と愛理も持てる限りの情報を提供し、共に作戦を練った。彼らは、この戦いがこれまで以上に困難を極めることを理解していたが、今度こそ全力を尽くし、運命を受け入れることは決してないと心に誓っていた。
ついに第3巻を完成しました!第3巻の執筆過程を振り返ると、ストーリー展開に何かが足りなかったように感じます。おそらく、各キャラクターの個性を会話や描写を通じて十分に表現できていなかったのかもしれませんね。次の第4巻では新たなキャラクターが登場し、物語も新しい舞台で展開されます。第4巻には新キャラクターが5人登場する予定で、その中の1人は主人公と関係がある成熟したお姉さんキャラです!どうぞお楽しみに!




