戦のあと
上杉景虎が去ったあと、俺の本陣はボロボロになっていた。
迎え撃った三百の兵は百人に数を減らし、奥山公重も重体となっていた。
日も暮れてきた事もあり、皆が戦を止め本陣に集まってくる。
その頃には俺の応急手当も終わっており、みんなを迎えるが・・・
「ヒロユキ様!なんとおいたわしや。」
家臣達は俺を心配してくる。
「あー、俺は大丈夫だから、公重や本陣の兵達が身体を張って守ってくれたからね。
それより、みんなの兵の被害は?」
「・・・連れてきた三千の内半数が死傷しました。」
「結構被害が出たね・・・死者は?」
「七百にございます。」
「そうか・・・冥福を祈ろう。」
俺を含め、家臣達は黙祷を捧げる。
「秀綱、上杉の動きは?」
「距離を取り、陣をしいた模様にございます。」
「まだ、撤退をしないのか?だいぶ被害は出てる筈なのだが・・・」
「ええ、いつ撤退してもおかしくは無いと思いますが・・・」
オレたちが話し合っている中、伝令がやってきた。
「申し上げます、上杉より使者が参っております。」
「使者が?通してもらえる。」
「はっ!」
伝令が指示を伝えに走り、暫くして、兵士に連れられ、直江景綱がやってきた。
「土御門殿、某は直江景綱と申す、御会い出来て光栄にございます。」
「はじめまして、直江殿、ご高名は聞き及んでおります。
して、どのようなご用件でしょうか?」
「我が主君、景虎様が会談を望んでおります。」
「・・・本日、挨拶はしたのですがね。」
「これは厳しい手厳しい。景虎様は土御門殿とじっくり話したいとの事ですが?」
「こちらとしては話す事は無いのですがね。」
「それが停戦の話でもですか?」
「停戦ですか、それなら話す価値はありますが、それを決めれるのは武田信繁様です。
海津城の方に話を持っていかれては?」
「景虎様は土御門殿となら停戦してもかまわないと言っておられるのです。」
直江景綱は俺を真っ直ぐに見てくる。
その目力に俺は承諾することにした。
「わかりました、ただ、海津城にも連絡を入れさせてもらいます。そして、人が来るようなら、その方も参加していただくが宜しいか?」
「ええ、当然の話ですね。わかりました。では、上杉から三名、土御門殿から三名、海津城から三名で話し合いを行いましょう。」
「武田から六名になるがかまわないのですか?」
「景虎様を六名ぐらいでどうとか出来ると思うなら挑戦しても、かまいません。」
「いや、信義に欠ける事はしたくないな。
その条件で話し合いに応じよう。」
俺は海津城にいる信繁に使者を出し、上杉景虎との会談を行う事になった。




